第27話 田中萌葉と飯場愛花
☆(糸魚川モナ)サイド☆
母親と康太に親父はゴミだと言い放ったが親父は本当にゴミクズだと思う。
アタシはアルバイトをして稼いでいたのだ。
その中でアイツは.....全てのお金を食い尽くした。
例えば保険料の税金が納めれなくて払えなかったりだ。
そして母親の体調は悪化した。
アタシは死ぬまでその事は忘れるつもりはない。
(親父の骨は絶対にゴミ箱に投げ捨ててやる)とそういう思いで生きていた。
だけどその中でアタシに手を伸ばしてくれたみんな。
アタシは.....絶対に現状を打開してみせる。
そう思いながらアタシは愛しい人と校舎内などを清掃してから放課後になる。
今日はお開きだ。
無事に1.....いや。
まあ無事じゃないけど1日が終わったな。
考えながらアタシ達は放課後になって打ち上げの会場に向かう。
高校近くのファミレスでそれはやるらしい。
アタシはそういうのは苦手なのだが.....でも。
嫌な事から逃げてもしゃーない。
思いながらアタシは打ち上げに参加する事にした。
そして歩いていると交差点の前に女性が立っていた。
それは黒髪の長髪をしている女性だ。
何か印象にあるので見ていると.....女性は笑顔を浮かべた。
それからアタシと康太を見る。
「初めまして康太さん。そしてお久しぶりです糸魚川さん。今日のコンテスト良かったですよ」
「.....えっと.....貴方は?」
「私は飯場。.....飯場奏(いいばかなで)と申します。.....OLです」
「.....飯場.....え.....」
アタシ達は愕然としながら飯場さんを見る。
「まさか」と呟く康太。
それからアタシもその女性をジッと見る。
すると「はい。.....愛花は娘です」と答えた。
「.....康太さんは初めましてですね」
「.....アタシは幼い頃に会った事がありますよね」
「そうですね。糸魚川さんは初めましてではないと思います」
「.....飯場さんが.....どうしてここに?」
「何だか今日の事で居ても立ってもいられない感じで.....それでです」
「それ以外にも.....お二人に2つのお願いの協力を求めてやって来ました。厚かましくすいません」と頭を律儀に下げる飯場さんにアタシは目を丸くする。
康太は「.....お願いとは?」と言葉を発した。
するとその言葉に飯場さんは「1つは娘が最後に遺した宝物を一緒に探してほしいのです。.....それから2つ目は娘の幼い頃の恩人を一緒に探してほしくて」と切り出してくる。
「.....宝物に.....恩人ですか?」
「はい。娘は外に出るのが好きでした。その際に埋めたものがあります。.....それが娘の宝物なんですけど.....」
「恩人ってのは.....」
「はっきりとは覚えてないのですが3つ前の幼稚園。.....とても可愛らしい子でした。娘は転園しがちだったのですが.....私も実はその子には娘の件でお世話になりました。なので探しています」
アタシはその言葉に一瞬だけだが。
何故か田中が頭をよぎった。
いったい何故そいつが過ったかは知らんが。
今アイツの顔なんぞ浮かべても仕方がない.....が。
「分かった。探します」
「.....え?.....ほ、本当ですか?」
「.....クソ親父のせいで産まれたアタシと同年齢の知り合い。探さない訳にはいかない」
「そうだな」
それから康太も納得してから頷いてくれる。
アタシはその顔を見ながら笑みを浮かべてから飯場さんを見る。
飯場さんは涙を浮かべて「ありがとうございます」と言ってきた。
アタシ達は顔を見合わせて笑顔になる。
「.....でもヒントが欲しいんですけど」
「ヒントはあります。.....その子は田中性だったんです」
「.....え?」
康太が顎に手を添える。
そして考え込んでから「待って下さい」と声を発した。
それから「その子は首筋に傷がなかったですか」と聞く。
アタシは「?」を浮かべながら康太を見る。
「あ.....よくご存知ですね。幼い頃の.....」
「.....まさかな.....」
何というか康太は動揺しながら酷く困惑する。
アタシは「なあ。康太。知り合いに居るのか?」と聞いてみる。
すると言葉に康太は「落ち着いて聞いてほしいが。もしかしたら.....答えはもう出たかもしれない」と言ってくる。
は?
「.....まさか。それは嘘だろ」
「どうかな。.....アイツに聞かないといけないな」
「え?」
飯場さんは目をパチクリして「?」を浮かべた。
アタシは(信じられないんだが)と思う。
何というかアタシ達2人には心当たりのある知り合いが1人だけ居たのだ。
そいつの名前は(田中萌葉)という。
「.....だけど真相はまだ調べないと」
「そうだな.....」
そしてアタシ達は飯場さんと別れた。
それからどんちゃん騒ぎのファミレスに行ってから2次会でカラオケに行った。
アタシはクッタクタになってから帰宅してスーパーの前を通っているとドアが開いてから田中が現れた。
「.....アンタ.....」
「.....お前.....」
アタシは驚きながら田中の持っている弁当を見る。
コンビニ弁当だった。
ずっとこんなもん食っているのかコイツは。
思いながらアタシは田中を見据える。
「.....何」
「お前に聞きたい事がある」
「.....は?.....何を?」
「お前は幼稚園の頃に飯場愛花という少女に接した事があるか」
「.....」
田中はピクッと反応した気がした。
それから「いや。知らない」と否定する田中。
アタシはジッと見据える。
すると田中は「.....何。ジッと見るな」と言ってくる。
「.....ああ。すまん。もう帰る」
「.....」
そしてアタシは田中と別れてから帰ろうとした時。
田中が「待て」と言葉を発した。
それから振り返るアタシを見る田中。
「.....飯場愛花は私の随分前の親友だった人だけど。何で知っているの」
「.....何.....」
それからアタシを見てくる田中。
アタシは唾を飲み込む。
そして「お前は何か愛花に関して知っているのか?」と聞いてみた。
すると田中は「.....そこに公園があるから」と厳しい目のまま指を差した。
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