第3話 ヘドロ地獄に差し込む光

☆(糸魚川モナ)サイド☆


アタシの家は決して裕福ではない。

そしてアタシは恵まれていない。

それは妹もそうだ。

全てはあのクソ親父のせいだ。

私達から金を搾取してパチンコに行っちまうあのクソ親父のせいだ。


だから私は相談して学校で私は死ぬ事にした。

のだが.....その中でとある男子にアタシは助けられてしまった。

その男子は見るからに情けない姿だった。

だけどアタシに力強くこう言った。

『生きろ。死ぬな』とだが。


アタシはこの男子からその言葉を貰って生きる事にした。

今まではあれまくっていた人生で.....タバコも吸ったりした人生だった。

だけど人生を悔い改めてから不良を止める事にした。

その男子にはこう言った。

「責任取れ」と複雑な面持ちでだ。


すると男子からは「なら先ずは友人からだな」と提案された。

その最低な男子生徒の名前は夏川。

夏川康太と名乗った。


アタシにとっては猛烈に夏川はウザい存在だった。

だけど夏川は一切嫌がる事なくアタシなんかに接してきた。

怖いくせにと思いながらだが。


でも最近はなんだろうか。

何故か夏川に接していると心が温かくなるのだ。

意味が分からない。

夏川には彼女が居るのに。


「入りな」

「.....お、おう」


アタシはパチンコ屋に行っていると思われる親父の居ない間に夏川を部屋に呼んだ。

それからアタシは夏川を部屋に入れると妹のナナが早速と接してきた。

小学2年生。

アタシがやった髪留めをしている童顔の少女。

クソ親父の娘だが。


「私、ナナ。.....おにーさん誰?」

「ああ。俺は夏川康太っていう。.....宜しくな」

「そうなんだ。おねーちゃんの彼氏?」

「なっ」

「違うよ!?」


「コラァ!!!!!何を言ってんだオメェは!」と説教するアタシ。

だけど顔が真っ赤の様でナナはニヤッとした。

アタシはあたふたする。

そしてアタシは「ったく。姉を揶揄うな!」と怒りながら台所から麦茶を出す。

すると小声で夏川に耳打ちしているナナからこんな声がした。


「ねえねえ。おにーさん。本当におねーちゃんの彼氏?.....それだったらおねーちゃんを助けてほしい」

「.....?」

「私は死んでも良い。だけどおねーちゃんには生きてほしいから」

「.....!!!」


それは敢えて聞こえないふりをした。

そして唇を噛むアタシ。

それから血が滲む。

それを拭きながらアタシは麦茶を持って来る。

複雑な顔をしている夏川が居た。


「.....本当に大変な家庭だな。.....小学生が思って良い事じゃない」

「何の話をしたんだ?」

「.....ああ。聞こえてないなら良いんだ」


アタシは目を落とす。

それから麦茶を出した。

そして「粗茶になっちまうけど。ゴメンな。マジに金が無いんだ」と告げる。

その言葉に首を振る夏川。

そうしてからアタシを真剣な顔で見てくる。


「.....大変だな。お前も」

「アタシ?アタシは大丈夫だ」

「.....そんな訳無いと思うぞ」


そんな感じで夏川は真剣な顔で言ってくる。

アタシはそれをヘラヘラとしながら気楽に受け止めて反応する。

だがそれを夏川は「真剣な話だ」とぶった斬ってきた。

アタシはかなり驚く。

そして説教する様にアタシに向いてくる夏川。


「.....お前な。本当に苦しいんだろ?だったらそんな感じでヘラヘラすんな。もっと泣けよ」

「馬鹿じゃねーの?泣くわけないじゃん」

「何故」

「いや何故って。アタシはお姉ちゃんだしな」

「.....」


その答えに夏川は良い反応を示さない。

アタシは「???」を浮かべながら夏川を見る。

そうしているとドアがいきなり開いた。

それから.....クソ親が顔を見せる。

まさか!?こんな早くに帰って来るなんて!?


「?.....誰だそいつ」

「.....アタシのクラスメイトだけど」

「ああ。クラスメイトね。金持ってるか?お前」


クソ親父はまさかの言葉を出した。

アタシは静かな怒りが湧いて「良い加減にしろよ!!!!!テメェ!!!!!」と立ち上がってドアも開いていたが怒号を放つ。

するとクソ親父は「何が悪いんだ?ちょっと金を借りるだけだ」と言い出した。


ナナが涙を浮かべて反応した。

その様子を申し訳ない感じで見ながらアタシは親父と認識できないクソ親を見る。

そうしていると「お言葉ですが」と夏川が言葉を発した。


「.....貴方最低ですね。親としての資格が足りないんじゃないですか」


そしてクソ親父にそう言い放つ夏川。

まさかの擁護の言葉だった。

クソ親父は夏川を見て真顔で胸糞悪そうな反応を見せてから「なんだこのガキ?」とか言っている。

アタシはその言葉に「そういうこった。テメェの顔なんぞもう見たくねぇ。出て行ってくれ!」と告げた。


「何様だお前」

「まあなんか出て行かないならアタシ達が出て行くから。家賃も誰が払っているって思っているのか。アンタとは縁を切る」

「.....行くあてもないくせによく言うぜガキがよ」


クソ親父はそう言いながら笑う。

アタシはその言葉にブチ切れてから「ナナ。出ていくよ」と告げる。

それから母親の所に行く準備をした。

そして夏川を見る。

申し訳ない感じでだが。


「夏川。すまない。変なもの見せちまったな。この続きはまた明日にしよう」

「.....良いけど大丈夫なのか」

「別に。アタシは大丈夫だしな」

「.....そうか」


そしてアタシは心配そうにアタシを見ている夏川を帰してから。

そのままクソ親父に吐き捨ててから準備をしてから家を出て行く準備を整えた。

クソ親父は戻って来ると思っているのか余裕ぶって追いかけて来なかった。


そもそも母親を遠ざけたのはゴミ親父である。

切り捨てたとも言えるかもしれない。

どういう事かというとゴミ親父は病気になった母親を捨てたのだ。

訳あってアタシ達はここに居たが。

もう我慢ならない。

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