第4話宅飲みにて

3人は竹内のアパートで酒を飲み出した。竹内は、コンビニに新田が居なかった事を悔しがる。

「ホントに、あのコンビニにカッコいいお兄さんが働いているのかね?」

と、杉岡が言う。

「まさか、あゆみちゃん、酔っ払ってたんじゃ」

「2人ともどうして信じないかなぁ〜。180くらい身長でカッコいい男性で、名字は新田で社員なの」

竹内は、ストゼロをがぶ飲みする。

杉岡と内田は、角ハイボールの缶を傾ける。

「芸能人で言えば誰ににてるの?」

「え?芸能人?」

「あゆみちゃんは、サモ・ハン・キンポーのファンよね」

「懐かしいなぁ。六角精児とか好きなの?」

竹内は急所を突かれたが、新田は六角精児でもサモ・ハン・キンポーでもない。

戦隊モノのレッドの人だ。しかし、その戦隊モノさえも忘れてしまい、俳優さんの名前も解らない。

兎に角、カッコいいのだ。

「竹内の事だ。きっと、戦隊モノの誰かだな?」

「……」

「そ、そうなの?あゆみちゃん」

「……ち、違う」

何で、杉岡課長は急所を突いてくるのだろうか?

「分かった、明日は俺たちは休みだ。夜勤は、違うヤツだったかも知れないが、朝になると交代で入るはずだ。その時、確認しよう」

あゆみもそうだな。と、思った。

その晩、朝方まで3人は飲んでは潰れ、また起きて飲んでは潰れるまで飲んだ。


3人が目を覚ましたのは、朝の10時だった。

「課長、奥さんに怒られませんか?」

「なぁに、いつもの事だから、怒られないよ」

「いい奥さんですね」

と内田が言う。

「友美ちゃんも早く結婚しなよ」

「……うん、……そんな事より、あゆみちゃんの王子様を確認しに行こうよ!」

帰り支度をした杉岡と内田と、竹内の3人はコンビニへ向かった。

3人はレジを確認した。

レジに立っていたのは、おばちゃんと若い女の子だった。

竹内はがっかりした。

そこへ、杉岡が缶コーヒーを買うついでに、おばちゃん店員に、

「今日は、新田君は来ないのかな?」

「……新田さんのお知り合い?」

「あぁ、そうだよ」

「新田さんは、今日は夕方の5時に出勤です」

「ありがとう」


竹内は嬉しかった。2人に新田の存在を確認させただけだが。

杉岡と内田は流石に、そのまま帰って行った。

今日の夕飯は、また、コンビニ弁当だな。

でも、まだ、業務的な会話しかしてないし。

今夜は、夜中に行って客がいない時に話し掛けてみようと考え始めた。

昼食はコンビニでは無く、たこ焼き屋へ行き熱々のたこ焼きで腹を満たした。

さぁて、夜中までしばしの仮眠だ。

竹内は15時に眠りについた。

そして、起きたのは23時であった。

シャワー浴びて、夜中なのにメイクして、準備が整ったのは1時前だった。

そして、例のコンビニへ向かった。

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