第38話 開戦、そして
一面に雪の積もる富士山麓。
白銀の世界の中、雪飛沫をあげて、巨大
「ぐっはぁぁぁぁっ!」
ギアナギアの蹴りの衝撃で、俺はふき飛ばされる。
ギアナギア、すごいパワーだ。
ただ巨大なギアナギアからすると、俺は攻撃対象として、少し小さ過ぎるようだ。
おかげで直撃は受けていない。
しかし、こちらからもまともに攻撃することができないでいる。
そもそも近づくことすら、ままならない。
このままではスタミナ切れか、そのうち直撃を受けて、負けてしまうことだろう。
それを見ていた権藤部隊長から
今回の怪人軍団は、前回の五倍、三百人以上の大軍勢だ。
確かにこの大軍勢に、美少女ペア☆ホワイトシュシュちゃんと対怪人SATの皆さんだけで対処するのは困難だろう。
ホワイトシュシュちゃんと対怪人SATの皆さんと協力して、怪人軍団に
俺はすぐに怪人軍団へ殴りかかる。
バキィッ!
ドガッ!
ゴスゥゥン!
そうこうしているうちに、怪人軍団の後方にいるギアナギアに対して、自衛隊の攻撃が始まった。
まずは空爆。
通常炸薬の爆撃だ。
ものすごい爆炎と黒煙が舞いあがる。
しかし、効果は確認できず。
やはり通常弾は効かないようだ。
続けて、戦車大隊の砲撃が始まる。
この戦車大隊の砲弾は、
約一ヶ月、朝から晩まで休みなく作っていたので、ものすごく大量にある。「えっ、この量を五人で作ったんですか? マジで? いや、あの、お疲れ様です……」と自衛隊の人に少し引かれるほどの量を作っておいた。
戦車大隊から
ドガアアアッ!
ドガアアアッ!
アストラル砲弾がギアナギアに直撃する。
効果はどうだ!?
ギアナギアを見ると、パープルメタリックの装甲に傷が付き、プシューと白いモヤのようなものが漏れている。
どうやら
次々に戦車大隊から発射されるアストラル砲弾。
それによりギアナギアのダメージが蓄積していく。
これなら大量にアストラル砲弾を作った甲斐があったというものだ。
ギアナギアを覆うパープルメタリックの装甲が徐々にぼろぼろになっていく。身体中の至るところからプシューッ、プシューッと白いモヤが漏れ出ている。
おお、いいぞ!
頑張って、自衛隊の皆さん!
しかし、喜んだのも束の間、ギアナギアが反撃に出る。
右の手のひらを戦車大隊の方へ向けて、動きを止める。
しばらく力を溜めるような素振りをみせると、手のひらから青白いエネルギーの塊が発生し、それが徐々に大きくなっていく。
青白いエネルギーの塊が三メートルほどの大きさになったとき、ギアナギアは、そのエネルギーの塊を戦車大隊へ向けて発射した。
ギアナギアが青白いエネルギー弾を発射してきた。
チュドオオオオオオンッッ!
エネルギー弾が地面に着弾すると、大きな爆発が起こる。
付近にいた数台の戦車が吹き飛んだ。
ギアナギアは続けざまにエネルギー弾を発射する。戦隊大隊は回避行動を取るもエネルギー弾を避けきれない。
しばらく交戦が続いたのち、戦車大隊は沈黙する。
ギアナギアのエネルギー弾により、戦車大隊が壊滅した。
離れた距離にいる
持ち場を離れるわけにはいかず、俺は何もすることができなかった。
◇◇◇
分身戦隊オレンジャーズ!
地球から悪が滅びるその日まで、オレンジャーズの五人は力を合わせて戦い続ける!
力を合わせると言っても、もともと全員、俺なんだが。
つづく!
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