第32話 大ピンチ、そのとき
富士山麓に出現した怪人軍団が市街地へ向けて進軍している。それに対抗すべく、
そんな
今回、出現した怪人軍団は、合計十個の分隊があり、それぞれの分隊のリーダーをシルバーメタリックの怪人が務めているらしい。
各分隊のメンバーは、黒メタリックの怪人が五人ずつ。
そして、軍団の全てを取りまとめる指揮官として、ゴールドメタリックの怪人が一人。
総勢六十一名の怪人軍団だ。
今までの
今回は一挙に十倍以上だ。
現在、その十個の分隊が個々に、市街地へ向けてダッシュしている。障害物の少ない富士山麓を相当な勢いで下り坂を駆け下りている。
対怪人SATの皆さんが、怪人軍団の進軍を止めるべく、新開発のアストラル砲弾を装填した22mmライフルグレネードで砲撃する。
ドシュッ!
ドオオオンッッ!
ドシュッ!
ドオオオンッッ!
アストラル砲弾が全力で走る黒メタリックの怪人に着弾する。
「やったか!?」
対怪人SATの皆さんは、その効果に期待する。
しかし、ダメージを与えた様子は確認できるものの、黒メタリックの怪人を倒しきるまでには至らない。
プロテクター付き黒メタリックの怪人は強かった。
怪人軍団は、対怪人SATの攻撃を気にせずに、市街地へ向けて進軍する。
そこに到着した
対怪人SATの皆さんが
「オレンジャーズ、よく来てくれた! お前たちが頼みだ!」
アストラル砲弾は、まだ数が少なくて貴重だ。むやみに撃つことができない。ここは
対怪人SATの皆さんからの期待を一身に感じる。
「オレンジャーズに対する期待感、久しぶりですね」
「そうですね。初戦のときもこんな感じでしたね」
俺は俺レッドと言葉をかわす。
俺は初めて怪人に遭遇したとき、通常の銃火器では倒せない未知の存在に対して、
プロテクターを装着して、いつもより強そうな黒メタリックとシルバーメタリック怪人。
さらには、強さが未知数のゴールドメタリックの怪人まで控えている。
「初めて怪人を見たときの怖さを感じますよ」
「確かに怖いですね」
未知の怪人軍団を前に、久しぶりに恐ろしさを感じた。
しかし。
今の
第三課対怪人SATの皆さんと共に特訓し、心身を鍛錬した。
その上、多くの人々の叡智が結集した対怪人用スーツを装着して、パワーアップしている。
「オレンジャーズだってパワーアップしましたし、やってやりましょう!」
パンチ、キック、掌底、前蹴り、往復ビンタ。
しかし、プロテクターを装着したシルバーメタリックの怪人は、さすがに手強い。
一方的に攻撃するだけとはいかず、反撃を受けてしまう。
しかし、エルフィンドールズほどの強さはない。
俺は力の限りを出して、シルバーメタリックの怪人を消滅させる。
そうして
五対六十一だ。いくらなんでも多すぎる。
それでも
全力を出し戦い続けて、疲れが溜まり弱ってきた
俺に向かってゴールドメタリックの怪人が走り寄ってくる。
「ぐぇぇぇぇぇぇっ」
動きが鈍くなっていた俺は、ゴールドメタリックの怪人にタックルでぶっ飛ばれる。
トゲトゲの付いた甲冑で背後からタックルするとか、殺人タックルすぎるだろう。
しかも、ものすごいパワーだ。
このパワーはエルフィンドールズ並みかもしれない。
これは
ただそうすると、残っているシルバーメタリックの怪人が率いる三つの分隊に市街地への侵入を許してしまう。
どうすべきか考えたいが、落ち着いて考えている間もなく、ゴールドメタリックの怪人が次々と攻撃を仕掛けてくる。
余裕はない。
「ひとまずシルバーメタリックの怪人は、対怪人SATの皆さんに任せましょう!」
「ですね。ここはゴールドメタリックの怪人に集中しましょう」
対怪人SATの皆さんはシルバーメタリックの怪人には歯が立たず、その進撃を止めることができそうにない。
このままでは市街地や一般人に被害が出てしまう。
大ピンチだ。
と、そのときだった。
市街地まで、あと一歩のところに迫ったシルバーメタリックの怪人。
そのシルバーメタリックの怪人が後方へ吹っ飛ばされる。
一体、誰が!?
そこにはキラキラと輝く二人の少女が立っていた。
◇◇◇
分身戦隊オレンジャーズ!
地球から悪が滅びるその日まで、オレンジャーズの五人は力を合わせて戦い続ける!
力を合わせると言っても、もともと全員、俺なんだが。
つづく!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます