第14話 俺率100パーセントの会議
対怪人用スーツが完成した今、通常の怪人であれば
問題は強さのレベルが違うエルフィンドールズだ。
そこで、警視庁公安機動特別部隊は、エルフィンドールズが再び現れた際の対策会議を開いた。
その会議の中で、権藤部隊長が分かりやすく、次回の作戦を説明してくれた。
①対怪人用スーツの効果確認
②エルフィンドールズの情報収集
できる限り相手の能力を引き出して欲しい。
要するにワンパン二秒では話にならないので、負けるにしても次に繋がる戦いをして欲しいのだろう。
部下のモチベーションを下げないよう、伝え方にも心配りをする、権藤部隊長はできる男だ。
作戦行動中も信頼できる。
そして俺は、次にエルフィンドールズが現れた際に、興味本位ではあるがエステラさんの相方の名前と、ついでに二人の年齢を聞きたいと思っている。
俺は周囲の人々に、そんなものは聞かなくて良いと反対されると予想した。だが、上層部は実際に戦う
今後、怪人の研究を進めるためにも必要になるという思惑があるかもしれない。
ということで、次回エルフィンドールズが現れた際には、名前と年齢を聞くことになった。
相手に名前を聞くにあたっては、先方に失礼のないよう、まずは
しかし、
そこで
「本日の会議は、俺グリーンが進行役を務めさせてもらいます。限られた時間ではありますが、活発な意見交換をしていきましょう」
「色のイメージは必須ですよね」
「ですね。なんとなく色の雰囲気はあった方が受けが良さそうですよね」
「では、色を想像できる口上にするということで」
「あとスッキリ短めにしましょう」
「戦闘の前ですしね、分かりやすい一言でいきましょう」
「ですね。長いと間違えそうですし」
「あと本名を言うのは絶対やめましょう。赤羽タカシ! 俺レッド! みたいなやつ」
「あーそれ賛成です。出来るだけ特定されたくないですし」
「今せっかく顔出しNGにしてもらってますしね」
「わがまま言って申し訳ないんですけど、私、オレピンクっていうのに抵抗があるんですよ。ワタシピンクでも大丈夫でしょうか」
「あーいいんじゃないですか。俺と書いてワタシと読むみたいな」
「ワタシの方が良いですよ。
五人とも俺なので、会議はスムーズに進み、なんとなく名乗り口上ができあがった。
「じゃあまとめると、こんなところですかね」
灼熱の炎!
新緑の風!
漆黒の闇!
癒しの光!
「並べてみると、新緑って戦うイメージないですね」
「それを言ったら漆黒の闇なんて、悪の組織っぽいですよ。俺は嫌いじゃないですけど」
「稲妻かぁ。俺、少し痩せないと稲妻のイメージじゃないですね」
「癒しの光って、ピンクより白っぽい気もしますね」
「満足してる俺が言うのも何ですけど、時間も推してますし、この辺で妥協しておきましょう」
最後に俺が会議を締める。
「そうですね、今日はもう時間もないですし、これで決定ということで。今回は俺から権藤部隊長に報告しておきます。皆さん、今日はお疲れ様でした」
「「「「お疲れ様でした」」」」
こうして妥協しつつも
もちろん、ミツバチ怪人エルフィンドールズ対策として、名乗り口上を検討しただけではない。
対怪人用スーツを着用して効率よくアストラルダメージを与える訓練、さらにはアストラルダメージを減らす防御術を学ぶなど、日々特訓を重ねた。
この日本を守るために、
こうして着々とエルフィンドールズとの再戦に向けて、準備が進んでいく。
そして、ついに決戦の時がやってきた。
『富士山麓にエルフィンドールズが現れました!』
◇◇◇
分身戦隊オレンジャーズ!
地球から悪が滅びるその日まで、オレンジャーズの五人は力を合わせて戦い続ける!
力を合わせると言っても、もともと全員、俺なんだが。
つづく!
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