第11話 五人の俺、力を感じる
きた! なんかきた!
身体の奥底から熱を感じる。
肉体の力とは違う、心というか魂というか、身体の内側に湧き上がってくる力を感じる。
テンションが上がる。
俺は嬉しくなり、周りにいる
研究開発に参加した俺ブラックも満足気な表情だ。
これは期待ができるだろう。
対怪人用スーツを着用した
素晴らしい戦闘服だが、あえて難点を言うならば、一人で着るのが面倒ということぐらいか。着用に二十分かかった。
そんなこんなで、意気揚々とシルバーメタリック怪人を倒しに行こうとした
だったのだが、一気にテンションが下がった。
なぜならシルバーメタリックの怪人が増えているからだ。
なんということだ。
人数が増えるとかズルいじゃん。
せっかく対怪人用スーツセットでパワーアップしたというのに。
俺はそう思ったが、ぐずぐず言っても仕方ないので、エルリンケイム基地へと向かう。
基地に到着した
「五人に増えちゃいましたね」
「前回は二人だったのに」
「ちょうど五対五だし、ひとり一体ずつを相手にする感じですかね」
「ですね。パワーアップした
曇天の空、富士山麓にごうごうと強い風が吹く。
強敵を相手にピリリとした緊迫感が漂ってくる。
今回は過去の戦闘にないほどの緊迫感だ。
俺はわりと見た目から入る方だ。
なので対怪人用スーツセットで戦隊ヒーロー感がマシマシになったことにより、もう負けられないというプレッシャーを無意識のうちに感じていた。
目の前にいる強いシルバーメタリックの怪人は、
俺は地球を守る戦隊の一員として、みんなの期待に応えたい。
このプレッシャーすらを力に変えて、ここはガツンと行くしかない。
俺は気合いを入れた。
他の
俺は渾身の力でぶん殴る。
バッキイイイイイィィィ!!!
俺の右フックがシルバーメタリックの怪人にクリーンヒット。
俺はワンパンでシルバーメタリックの怪人をぶっ飛ばした。
対怪人用スーツによるパワーアップは予想以上だった。
会心の一撃により、俺の不安やプレッシャーは吹き飛んだ。
俺は周りにいる
バギィッ!
ゴスッ!
ドガァッ!
ズガンッ!
俺レッド、俺ブラック、俺イエロー、俺ピンク。
周りで戦っている
その姿を見て俺は、さらなる力が湧いてくる。
た、たぎる!
負ける気がしない!
俺は悠々とシルバーメタリックの怪人に歩みよる。
すでにシルバーメタリックの怪人は、よろよろと立っているのみ。
「……喰らえッ!」
俺は渾身の右ミドルキックを繰り出した。
ドッガアアアア! シュワワワワワッ!
俺の渾身の右ミドルキックにより、シルバーメタリックの怪人は消滅した。
対怪人用スーツ着用前は、五対二でも勝てる気がしなかったシルバーメタリックの怪人。それが五対五の対戦になったにも関わらず、全く苦戦もせずに殲滅できた。
こうして
◇◇◇
分身戦隊オレンジャーズ!
地球から悪が滅びるその日まで、オレンジャーズの五人は力を合わせて戦い続ける!
力を合わせると言っても、もともと全員、俺なんだが。
つづく!
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