第6話 俺が巨乳で俺がライバル
俺は可愛い二人組の少女(怪人)の一人であるエステラさんにワンパン二秒で倒された。
療養中の俺は特にやることもないので、転生してから三ヶ月間に起きたことを振り返っている。
他の
◇◇◇
【約二ヶ月前のこと】
今日は10時からアストラルパワーについての座学がある。
俺は警視庁公安機動特別部隊の第二会議室へ向かう途中、黒髪ショートが似合う可愛い巨乳ちゃんの
「あ、俺ピンクさん、おはようございます」
「あ、俺グリーンさん、おはようございます」
ぶっちゃけ俺は俺ピンクのことを異性としてバリバリに意識している。
別に可愛い巨乳ちゃんだからというわけではない。
いや、可愛い巨乳ちゃんだからという理由もあるにはあるが、それよりも俺は、毎日会って普通に会話をしてくれる異性を好きになってしまうのだ。
さらに俺ピンクはフリスクをくれた。
俺はフリスク一粒だろうが、異性からプレゼントを貰ってしまうと、好意があるのではないと思って、その女性を意識せずにはいられない。
そういうわけで俺は、俺ピンクのことをバリバリに意識するようになっている。
「今日は怪人が現れないと良いですね」
「そうですね。午前中の座学だけで午後はのんびりしたいですよね」
俺はなるべく平静を装って会話をする。
俺と俺ピンクは無難な会話しつつ、仲良く会議室へ到着した。
立ったままの三人の視線が入室した俺と俺ピンクに集まった。
三人は俺が俺ピンクと話をしながら仲良く一緒に通勤してきたことを羨ましいと思っているだろう。
なぜなら俺が逆の立場なら羨ましいと思うに決まっているからだ。
俺レッド、俺ブラック、俺イエローも可愛い巨乳ちゃんの俺ピンクをバリバリに意識しているに違いない。
俺ピンクと毎日会っているのは俺だけではないし、俺だけがフリスクを貰ったわけではないので当然だろう。
俺ピンクをめぐる争い。
俺の恋のライバルは全員、俺ということだ。
相手にとって不足はない。
勝負の行方は、完全に五分五分だ。
俺ピンクについては、黒髪ショートが似合う巨乳ちゃん、特にこれまで巨乳ちゃんということばかりに注目していた。
俺は巨乳ちゃんが好きなので仕方がないところだが、俺ピンクについて気になるところは、それだけではない。
俺ピンクは女性という性別の違いだけではなく、俺よりも強い慈愛の心を持っていると感じている。俺に比べて慈愛の力100パーセント増しといったところだろうか。
これはフリスク一粒くれたから、そう思っているわけではない。
先日のことだった。
初戦に続き二戦目の怪人にも快勝した
そんな
最初のうちは俺も嬉しかったのだが、百人以上から個々に同じような挨拶をされ、中には生意気なクソガキもいるので、だんだん面倒臭くなってきていた。
隣の俺イエローを見ても、うんざりした応対になっている。
しかし、俺ピンクは違った。
一人ひとりの目を見て、丁寧に小学生と向き合っている。
優しく微笑み『みんなのために頑張るから応援してね』と伝えている。
クソガキにも優しい。
俺はその姿を見て『同じ俺なのに、何という違いだ。俺ももっと優しくなろう』そう思った。
そして、そんなちょっとした出来事が重なっていくうちに、俺は俺ピンクに慈愛の力を感じ、尊敬するようになっていた。
俺レッド、俺ブラック、俺イエローも同じように思っているだろう。
そう、俺ピンクは性格、容姿ともに素晴らしい、恋人にしたくなるような女性なのだ。
だが、少し考えるべきことがある。
俺ピンクはもともと俺だ。
俺と俺の恋。
近親レベルが段違いな気がしてしまう。
禁断の恋に俺は悩んだ。
◇◇◇
次回のオレンジャーズは、俺ピンクに彼氏ができる?
俺の彼氏はどの俺だ?
分身戦隊オレンジャーズ!
地球から悪が滅びるその日まで、オレンジャーズの五人は力を合わせて戦い続ける!
力を合わせると言っても、もともと全員、俺なんだが。
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