たぶんためになるコメントの書き方
「そうは言ってもコメントつけるだけでしょ、適当に読んで面白かったー、じゃダメなの?」
いや、別にダメじゃないけどそれだと頭の筋トレにはならないのーだよ。
「でもみんなそんなんだよ?」
よそはよそ、うちはうちです。そういうわけで、今回は実践的なコメントのつけ方です。ちなみにこれは短編小説に特化したコメントです。参考にしてね。
まず、作品を読みます。ざっとで構いません。最初に読み取る情報は、「この作品のテーマは何か」です。揺れ動く恋心を書きたい、殺人事件のトリックを華麗に暴きたい、最強の俺がマフィアの親玉を華麗にぶっ倒して、東欧風の金髪ねーちゃんがポールダンスして、あわよくば俺とムフフな関係になりたいとか、そういうのでいいのです。作者のメッセージ、願望、そういったものを確認します。
よくコメントのつけ方として「キャラがかわいかった」などというものが多いのですが、もちろん作者がキャラをかわいく書き上げたい方であれば文句ないと思うのですが、小説書いている人なら「そのキャラだけかわいいわけじゃないし」「どっちかというとこっちを読んでほしい」みたいに思うことは多いでしょう。そういうわけで、まずは全体像をつかみましょう。ポイントは作者がこの作品で何がしたいのか、です。その点官能小説は優れています。何がやりたいのか一目瞭然です。正直一番読んでいて安心するジャンルでもあります。
作品の全体像がつかめたら、次にできれば作者の情報を確認しましょう。男か女か、若者かベテランか。「なんだこのガキみてーな奴は」と思って作者ページを見たら割と年配の方だった、みたいなこともなくはない世界なので、できればここはやっておきましょう。ちなみに私は必要そうであればプロフィールと近況ノートなどから大体の作者像をつかんでコメントしました。この辺の話はあとでもう一回します。
作者像を確認することで、目の前に小説を書いた「作者」が現れました。あとは目の前にその人がいるつもりでその小説のよかったところを一言で書きます。特段褒めるところがない場合も、「こういう話ですよね?」と書くだけで作者としては大成功です。
なぜ作者像を目の前に出すのかというと、こちらのナマの声をシャットダウンするためです。人間ですから、みんな本音と建前があります。本音悪魔が「てめえよくもこんなつまんない話読ませやがったな俺の時間を返せこの野郎」と思っても建前天使が「大変意欲的な作品でした。難題に挑戦していることが伺えます」と翻訳して返さないといけません。この本音と建前の調整も文章力の向上になります。この文章を読んできて「けっ偉そうなことほざきやがってボケが」と思っても「大変参考になりました」と書き込むことですね。本当にこれは実践的な文章作成の練習になるのでやって損はありませんよ。
ポイントとしては、自分の興味のないジャンルを一生懸命読むことです。そして本音悪魔の声に耳を傾けながらも頭と体は建前天使に譲りましょう。これが頭の筋トレになります。作品を理解する、正しく読解する、良い点を挙げる、問題点をピックアップする、良い点を端的に書き出す、改善点を提案する。これを続けるとおそらく自分の文章もよくなると思います。
次はコメントを書きやすい作品、書きにくい作品を見ていくよ!
そうそう、この作品内では全体的に褒めるし全体的にdisるので「あ、これは自分のことかも……」と不安になっても、それはおそらくあなただけの話ではないのでこっそり改善してね。わざわざ「これは私のことですね」とか言わなくていいからね。ここで言ったからね。そういうことはこう言う場じゃないところで言おうか。じゃあ次行くよ。
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