野獣のめざめ

大きな病院に入院して治療が始まった


病院の1フロアには、自分と同じ境遇のヒキコモリ患者が集まっていた

男12人、女性8人 合計で20人 年齢は28歳~40歳


日に一度、薬を飲んで

あとは、各々過ごしていた


私は、病室に持ち込んだスマホでゲームをしていた

男だけの4人部屋の病室はカーテンで仕切られている

最初は落ち着かかなかった

同部屋の4人の住人同士のほとんど会話もなかった

しかし、少しずつ話始めた

『なんのゲームしているんですか?』


薬の効果が出始めているようだ

少し頭がぼーっとして、警戒心が薄れてきた


日に日に体の変化は訪れた

当たり前になっていた頭痛やイライラがなくなっていた

次に、よく眠れるようになった

久しぶり目覚めの良さを感じた

体の隅々に心地のよい脱力感


何をしている訳でもないのに、どこか心地よさがあった

たしかに昔は当たり前だった普通の感覚

いつの間にか、イライラ感が普通になっていた事を知った


この自分なら、普通の人と同じ事ができるような気がする


少しずつ積極的になっていった



前は、病室で過ごしていたが、

最近は誰でも集まれる談話室で過ごすようになっていった



談話室で話しかけられた

『モンスタースマッシュ私もやってますよ』

いまやっているスマホのゲームの話

優しい顔の女性に話しかけられた

『今やっている獣神イベントでウルトラレアがでたんですよ』

私が答えると

『すごい、どんなやつですか?』

女性は私の隣の席に座り身を寄せてきた

名前をクミといった

肌が白く肉付きがよかった


私の心の奥の方が、心地よくしびれた

いつもより、私を積極的にさせた

『よかったら、フレンド登録しませんか?

 マルチプレイ好き?』



クミは『やりましょう』と優しく答えた

2人でマルチプレイををやっていると

たまに、肩と肩がもたれかかった

『わーーやられたー-、惜しかったのに』

顔を見合わせたときに目が合った


もっと一緒にいたいと感じた

相手も同じ感情でいてほしい



クミは『よかったモンスター狩人しませんか?私の部屋で』といった

私は『うん』とうなずいた


クミの女性用の病室は個室だった

私とクミはベットで何度も獣のようにキスをした

2人とも初めてだった

何度も全身に刺激がはしった




それから、毎日クミの部屋に遊びに行くようになった

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