おっさんのうんこが世界一やで
@Propatria
おっさんの生涯
おっさんが生まれた日、世界は爆発した
世界中の原発が爆発し、火山は噴火しまくり、海は急に無くなった。
おっさんのおかあちゃんは、小さいおっさんを守るためにすごく頑張った。
ぎゃんぎゃん泣きまくる小さなおっさんを、おかあちゃんは抱きしめた。
おっさんは、世界で最後の赤ちゃんだった。
世界の最後の希望の種だった。
おっさんのお父さんは優しい人だった。
生まれたての小さいおっさんをかばうために子守唄を謡いながら瓦礫に飲まれて死んだ。
だからおっさんはお父さんを知らない。
しかし、おっさんの体と魂にはお父さんの子守唄の振動がまだゆらゆらと揺れている。
なぜならおっさんもまた、俺をかばうために死んだからだ。
見ず知らずの俺を拾って育ててくれたおっさん
親子じゃないのに息子と呼んでくれたおっさん
自分のうんこを肥料にして農業してたおっさん
子守唄を謡ってくれたおっさん
お父さんと呼べなかった、おっさん。
おっさんの畑のおかげで、俺たちはまだ生きている。
ゴミのような暮らしだが、また人が人と共に生きていけるのだ。
おっさん
いや、お父さん
ありがとう
おっさんのうんこが世界一やで @Propatria
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