第58話 ドワーフ国
さて、エルフ国を出た俺たちをドワーフ国はすぐにいれてくれた。多分甘いものより酒だろうということで酒を用意しておく。
ドワーフは繊細なものを作るのも得意にしているから街一番の細工師にジルコニアを見せるとやはり固まったが、直ぐにピアスと指輪を作ってくれたのでアクアとウェンは大喜びだ。後家具屋に行って折りたたみテーブルを見せるとじっくり観察しているのであげるといい、作ってねと言って宿に帰る。
これで二つは仕事が終わったな。
さて、とりあえずこっちでは、え?やるの?
「さぁいらっしゃい、いらっしゃい」
「俺はその焼酎とやらを5本くれ」
「はい毎度!」
「私はシャンプーとコンディショナーね」
「はい毎度!」
結局こうなるのかよ。
疲れるぜ。
「はー、商人はつかれるよー」
「オラもクタクタ」
「私は慣れてきたわよ」
「ニャー」
お前は何もしてないだろ?
やっぱりドワーフと言ったら酒だと思ったら甘いものもいけるんだな。
あと数量限定で姿見を出したらすぐ売れてしまった。高いのに買うモンだな。
宿に押しかけてくるのはやめて欲しいがな。
ジルコニアのアクセサリーは色んなところで販売が開始されて売れてるらしい。エルフの姫様にも渡って喜んでるらしいし友好的な関係なんだろう。
「さて商売だけやってもしょうがないから買い物にでも出ようか」
「賛成ー」
「オラも」
「もちろん」
「ニャー」
街ブラをするとやはり鍛治職人が多いみたいだが昼間っから酒飲んでるぞ?どうなってんだ?
「あんた達!仕事はどうしたんだい!」
「あー?これが美味くて今はそれどころじゃないだろ?」
「あー。あの人間が売ってる酒かい?どれ?」
「かー!美味えなぁ」
「あらほんとね!」
「この瓶に書いてある文字もかっこいいぞ」
「創作意欲が湧いてきたな」
酒で創作意欲が湧くんだな。
「よし!もう一杯」
ただの酒好きの親父じゃねーかよ!
ウェンが短剣を新調したくらいで後はこれと言ってなかったな。
あ、そうだったチャックが作れるか訊かないとな。
「おいちゃん。これって作れるかい?」
「な、なんじゃこれは?」
「チャックって言うんだけど開け閉めが楽だろ?」
「ちょっと貸してみろ。ふむふむなるほど」
「難しいかな?」
「なーに、やって見てダメだったらしょーがねえな」
「わかった、それは渡しとくよ」
「あいよ!」
それからも何件か周りチャックを渡してみる。これでチャックができたら凄いな。
自転車なんかもできるんじゃないかな?
ちょっと日本に行って自転車を買って戻ってくると、
「なにそれ、なにそれ?」
「オラも気になるだ」
「これは乗り物だよっと」
久しぶりに自転車に乗るな。
「おおー!すごい」
「乗りたーい!」
「オラも」
「コツがいるし、アースは体重的に無理があるな。まぁ、この街で作れるか聞いて見ようか?」
と言う前にもう集まってきていた。
「こりゃすげえな」
「ここがこうなって」
「これ作っていいか?」
おっさんの一人がそう言う。
「おう作ってくれ!コレ一台しかないからな」
「おう!みんなやるぞー」
こう言うところはいいと思う!みんなやる気を出して解体し始めた?
「おれのとこでこれとこれつくるぜ」
「俺んとこはこれだな」
「じゃーこれ作るか」
…出来るんだろうか?
2日後にはドワーフの子供が自転車に乗って遊んでいた。
「よくできたモンだな」
「ドワーフだしね」
「オラようの自転車」
「いらないだろ?」
アースは口をあんぐり開けていた。が、いらないものはいらないのだ。
三日間いてドワーフ族と言うものが知れて良かったと思う。
王都に呼ばれているので王都までは行かなければいけない。
「ほれ、がんばれよ」
「ぬおおぉぉぉぉぉぉぉ」
自分用の自転車を作ってもらって乗り方を覚えたアースはいま頑張って馬車についてきてる。
「あ、こけた」
「ひどいだよー、壊れてしまっただよ」
「お前がついてくるっていうからだろ?」
「二馬力には勝てなかったか」
「グスン」
「ニャー」
猫に慰められる大男。
「ほら、王都はもうすぐそこだよ」
御者をやってるウェンが言う。
そこはスチームパンクの世界のようだった。
「へぇ、これだけの機械仕掛けは見たことないね」
「服装も変わってて可愛いね!」
「早速買い物しようか」
と言うことでみんなスチームパンク風の服を着て街を歩く。
武器屋も見たがチェーンソーのような武器や鋏のような剣があったり目立つ武器だなぁ。
買い物が終わった俺たちはアースの自転車の修理を頼んで王城に行く。
「そこで跪き待っていろ」
言うことを聞いたほうがいいのはわかる。
「ご苦労ご苦労!楽にしていいぞ」
「はい」
「流行の服を着てるところを見ると先に買い物をしたりして街は見たみたいだな」
「はい、凄かったです」
「じゃろ?凄いんじゃよここは…」
閑話休題
「それではここで商売をすればいいんですね」
「そうじゃ、何やら面白い乗り物とやらもあるみたいだし」
「自転車ですね」
と2台目の自転車を出す。
「おお、それじゃそれじゃ!」
「これはもう前の街で生産がされています」
「そうかそうか!また何かあれば生産の手助けをしてくれ」
そう言う王様の指にはジルコニアの指輪が豪華になったものがつけてあった。
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