第48話 ホビット


 まずは服と靴だな。

「着いてこい」

「ケッ」

 「クリーン」をかけて服屋に着くと動きやすい服を選んでいる。

 靴屋でも動きやすいブーツだ。

「戦えるか?」

「戦えないように見えるのかい?」

「じゃあ武器と防具だな」

 武器屋に行くと短剣を2本空きのついてる奴だな。防具屋では後ろに交差するように鞘がある軽鎧を選んでいた。

「お前名前は?」

「…ゥェンディ」

「は?」

「ウェンディだよ!ウェンって呼びなよ!」

「いい名前じゃないか?」

「いいんだよ!であんた様は?」

「俺ヒロト、でアクアにアースでモニカだ」

「ニャー」

「な、なんだその動物は?仲間なのか?」

「猫っていう動物で、これでも仲間だぞ」

「そ、そうか」

「腹減ってるだろ?飯食いに行かないか?」

「ならこっちにいい店があるよ」

「ウェンはここ出身なのか?」

「そうさ。生まれも育ちもここだよ」


 ウェンについていくと寂れた小料理屋があった。

「まだあったね」

「ここか?」

「あぁ、ここだよ」

 入ると賑わっているがウェンが入ると静かになる。

「ウェンさん!」

「ウェンさーん!」

「うるさいなお前達は!元気にやってたようだな!」

「ようやくウェンさんを買い戻せそうな金額になりそうだったのに!」

「私のことは私でやるさ」

「さあ上がってくれ!ウェンさんの退所祝いだ!」

「あんたが主人か?ウェンさんを泣かすことはしちゃいけないぜ」

「あ、あぁ」

「それ歌えや騒げ!」

 少し人間にしては小さいな。ホビット族か?

「こいつらは人に騙されて借金して連れてかれそうになってたんだよ」

「それをウェンさんが助けてくれた」

「偶然居合わせただけさ」

 へぇ、いいところもあるんだな。

「さあ、旦那の奢りだ!歌えや騒げ!」

「なっ!勝手に…まぁいいけどな」

「そうこなくっちゃな!」

 アクアもアースもモニカももちろん俺も楽しいひと時を過ごした。


「ウェン、本当にいいのか?俺たちは旅人だぞ?」

「いいよ!それでどこに行くんだい?」

「当てはない!いろんなところを見てみたいだけだ」

「あははは、そりゃ大層な夢だね。いいよ付き合ってあげるさ」

「そうか、よろしくなウェン」

「こちらこそ旦那!」


 ウェンディが加わって御者もできるらしいので任せる。

 モニカと一緒で風の魔法が使えるらしい。

 魔法屋に行って回復魔法を試したら覚えられたのは良かったことの一つだ。


「ウェンはアクアと一緒な」

「旦那の夜の相手はいいのかい?」

「あぁ。俺には嫁が4人もいてな、ヤキモチ妬かれちゃたまらん」

「そうかい、あんたも大変だね」

「あぁ。というわけだからそっちの方はいいからアクアと仲良くやってくれ」

「わかったよ!よろしくなアクア」

「よろしくウェン!」


 さて仲間が1人増えたが、まだ旅は続く。

次の街までウェンが御者をしてくれる。

 アクアは横で教えてもらってるみたいだ。アースは寝転がってモニカと遊んでいるし、まぁ、のんびり行こうかというところでのまた?

「ウェン!盗賊だ」

「あいよ」

 馬車を止め挟み撃ちされる前に前に出る。

「なんでわかった?くそっ!」

「旦那はそっち系の能力もあんのかい」

「あるぞ」

「へぇ、そりゃいいね!」

 とウェンが特攻していくので俺たちも続く。

 なんてことなく終わって頭をアイテムボックス に入れていると。アジトに行ってたアクアとウェンが荷馬車で戻ってきた。

「ヒロト!クリーンかけて」

「クリーン」

「どうしたんだ?」

「汚ったないアジトだったんだよ。捕まってた連中も連れてきた」

「クリーン」

「解呪は旦那できるかい?」

「あぁ。できるぞ」

「ならまだやらない方がいい」

「どうした?」

「違法奴隷の売人らしきやつもいたからさ」

「へぇ、俺にゃわかんないな」

1人だけキョロキョロしてるやつがいるだろ?」

「あー。あいつか」

「あいつは他の奴に言われないか恐れてんだよ」

「なるほどね」

 んじゃ次の街に行くから乗り込んでくれ、と言うとここで見逃してくれという男。そうも行かないんでアースに見張りをしてもらい、御者もを俺が務める。

 2台の荷馬車で次の街を目指す。

 アースににらまれておとこは観念していた。

 つぎの街には5日かかったがここもそれなりの街のようだ。

 盗賊の首と違法奴隷と売人を引き渡す。

 売人はそのまま処刑にされる。

「違法奴隷はどうなるんだ?」

「解呪されて野放しさ」

「厳しいね」

「まぁ、そんなもんさ」

 また二日間待ち時間ができたので荷馬車を売り、宿屋に泊まる。


 久しぶりに日本に帰る。モニカと一緒だがな。

 モニカはまた知能が上がったのか器用にチェールを切り1人で食べている。

 俺はシャワーを浴びてビールを開けてテレビを見る。横にモニカが来ると来るんと丸まって一緒にテレビを見ている。


 分かるのか?


 チャンネルを変えてみるとチャンネルを戻してアニメを見ている。

「あははは、お前もう1人で生きてけるな!」

「ナーウ」

 凄く嫌そうな声を出す

「やだってか?あははは」


 それからモニカがアニメを見終わるまでビールを飲んで見終わったら異世界に帰る。寝ているアースを起こさずにベッドに入ると頭の上で欠伸の音がした。今日の寝床は俺の頭の横らしい。

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