第47話 奴隷市場


 ガルーダコンドルは岩山にいた。風の刃で落としてアクアたちが戦って倒している。

「ふぅ、結構強かったよ」

「オラもあんなに強いと思ってなかった」

「ニャーニャー」

 2人とも無傷でなに言ってんだか。モニカに至っては風魔法を使ってただけだろ。


 ガルーダコンドルの死体をアイテムボックス に入れてギルドに戻ると、またあいつが出てきた。

「お、お前ら誰になにやったか思い知らせてやる!」

「おー、やれるもんならやってみろ!」

 奴隷の後ろに隠れながら言ってるがな。

「お、おれはBランク冒険者だぞ!」

「俺はAだが?」

「へ?…ぉ、おぼえてやがれ!」

「もう忘れたよ」

 受付に行きガルーダコンドル討伐したことを伝え、解体場へ向かう。

「へぇガルーダコンドルとは珍しいもん取ってきたな」

「そうか?」

「あいつら空も飛ぶし地上でも強いからな」

「楽勝だったぞ?」

「へぇ、強い冒険者が来た訳だ」

 木札をもらいまた受付に行くと大金貨10枚をもらいみんなで分ける。一枚あまりは俺が持っておく。


「あ、あいつです!」

「おまえか?勝手に人のシマで暴れたのは?」

 モヒカン頭の悪そうな奴が入ってきた。

「気に食わなかっただけだがなにか?」

「ほう、相当強いな。俺じゃ勝てねえ」

「へぇ、わかる奴がいるじゃねーか」

「こいつが気に食わないのは奴隷の扱いだろ?いつも言ってんだけどよ」

「あぁ、ここいらのやつはそう言う使い方ばかりするのか?」

「いや、こいつらみたいなしょうもないやつだけだ」

「そうか」

「あぁ、だが一応後輩なんでな、けりはつけさせてもらう」

「いいぜ、こいよ」

「ウオオォ」

“バチィ”

「嘘だろ?雷魔法か?」

「お前もただのパンチじゃなかったろ?」

「あぁ、ダメだ、こりゃ完敗だ。ランクは」

「Aだが?」

「お前さんならSに近いな、悪かったな手間取らせちまって」

「いいさ、自分で蒔いた種だ」

「こいつにはきっちり教え込んどくからよ」

「あぁ、頼むよ」

 人は見た目によらないもんだな。


 連れてかれた奴の目は助けを求めていたが知らん。


 ギルドでの一悶着も終わり、俺たちは宿に戻る。まだ昼間だがのんびりしようとのことで買い物に行きたいとアクアがいうのでさっきの事もあるしアースの服も変えがいるしな。と言うわけで買い物に出かける。


「わーい!買い物だぁ」

「オラの替の服売ってるかな」

「また特注だろ?」

「ニャーニャー」

「モニカのおやつはまた後でだ」

 モニカはレベルが上がって知能がついたのかだいたい言うことがわかる。だいたい食い物のことだけどな。

 アクアの服を買い、特注でアースの服を注文する三着もあればいいだろ。

 モニカも服を欲しがったので日本で買ってやることにした。

 魔法屋にいってもいいものがなかったので今回は無しだな。

 奴隷市場の手前で方向転換して本屋なんかを見てみるとアクアが言っていた絵本が売っていたので買ってみる。

 あとは適当にぶらぶらしながら夕方になると宿屋に戻り飯を食って、部屋に戻る。日本に帰ってくるといい、アースを残してモニカと一緒に帰る。

 ペットショップに行きモニカが服を選ぶ。

 なんとか自分に合う服を探し出すとこれでいいと鳴くのでそれを買ってやる。

 あとはおやつのチェールを買い込んで帰る。

 途中に和菓子屋があったので和菓子も大量に買って帰る。

 シャワーを浴びてテレビをつけると伊藤の話題がまだ残っていたみたいだ。暗殺された天才薬学者。大笑いしてモニカがびっくりしてる。あの努力が天才の一言で終わるのは知らない奴だからだな。

 こんなんだからテレビは胡散臭いし見なくなるんだよな。


 モニカに服を着せてやり、異世界に帰るとアースがメロメロになっていた。

「可愛いでちゅねー」

「ニャーニャー」

 迷彩柄の軍服姿の勇ましい姿の仔猫。

 まぁ似合わなくはないがな。


 次の日はやっぱり見ていこうと言うことになった奴隷市場だ。

 入るとそこら中オリだらけで中が良く見えない。

「どうしましたかな?」

「いや物珍しさで入ったがどうしたもんかと」

「それでは案内して差し上げよう」

 好々爺というような紳士が来て中を案内してくれる。

「ここはたくさんの奴隷達が居るのですが、なかには凶暴なやつや不憫なもの達、ギャンブルで負けて落ちた奴隷もいますが違法奴隷はいませんから安心して買い上げることができます」

「違法奴隷はどうやって見分ける?」

「真偽の涙と言う魔道具ですね」

「へぇ、そんなのがあるんだね」

「まぁそんな大したものじゃありませんけどね」


 好々爺としているが全然隙が見当たらないなこの爺さん。

「私があなたにお勧めするのはこの方などいかがでしょうか?」

 それは檻の中で静かにしていたが、

「なんだい?私を買うのかい?」

「言葉遣いはなっていませんがね」

「あはは、それは買って欲しいからの言葉じゃなくて?」

「あなたに必要だからだと思います」

「なら信じよう。買うよ」

 大金貨200枚+奴隷の金額は金貨一枚だった。

「借金奴隷としては多額の借金を抱えていますので」

「また凄い借金の量だな」

「ケッ!私を買ったんだ好きに使いな!」

 また凄いのが仲間に入ったな。

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