第41話 ランガとサリ
ホテルとアリィと出会い、荷馬車に乗って二人と話をしている。
「じゃあ二人ともぐるっと回ってこっちに来たのか」
「そうです」
「俺は悪魔城を潰してからそのまま南下してきたからな」
「そんなん嘘じゃん」
「こら!サリ」
まあ、うそだと思うなら別に構わないが?
「この方はAランク冒険者ですよ!そして私達の大事な人です。バカにするのは許しませんよ!」
ホテルが怒った口調でそういうと、
「はい。すいません」
サリはすぐに謝った。
「ヒロトさんすいません」
ランガも謝る。
「いいよべつに、気にしてないし」
「よかったです。でもそれにしても凄いですね、あの悪魔が住む城を壊滅させるなんて」
「悪魔はそのままだと弱いんだ。人の皮を被って力を得るみたいだからね」
だから強いやつを狙うのか。
ランガとサリはCランク冒険者らしい。
「盗賊が来るから警戒して」
「なに?ランガ、サリ!警戒体制だ」
「「はい!」」
「なんでぃ、バレてたのかよ」
「おほ。美しいお嬢さんが二人も」
「はぁ、悪魔が混ざってるな」
俺も腰を上げる。
ランガとサリの動きも見てみたいが悪魔が出て来たら俺がやる。
「俺の前に出て来たのが運の尽きだな」
「何言ってんだこいつ?」
「ランガとサリはそのまま警戒しててくれ、
「俺たちの仕事だろ?」
「悪魔が混じってるからな」
「な!」
「さて、喧嘩しようぜ」
剣を抜き放ち瞬足で悪魔だけを蹴り上げ切り倒して行く。
すると、灰になって消えていく。
「ランガ、サリあとは頼んだぞ」
「了解しました」
なかなか動きがいいな!
「けっ!さっきのやつよりよわっちいな」
「助け入るか?」
「入りません!」
ランガが耐えているうちにサリが親方の首を斬る。
あとは雑魚どもを倒していきアジトまで聞き出して、アジトに行くらしいのでついていく。
やはりアジトにも悪魔がいたみたいで悪魔は速攻で倒すと灰になる。あとはランガとサリに任せて捕まってる人を助けると、ランガとサリは物色して大金貨なんかを手に入れたみたいで嬉しそうだった。荷馬車があったのでサリが御者をしてホテル達と合流すると次の街までもう少しだ。
「本当に要らないんですか?」
「要らない、結構溜め込んでるしな」
「なら俺らがもらいますよ?」
「どうぞ」
ランガが盗賊討伐の報奨金の話をしているが今更あんなチンケな盗賊如きで主張するほどでもないだろ。
「ほんとにAランク冒険者なんですね」
「あぁ、ほんとだ」
ひらひらと冒険者証をみせる。
「ほんとだ」
サリも見て驚いている。
次の街に着くとサリがマジックバックから盗賊の頭を出して盗賊を討伐したことを言うと二日待てとの指示だったのでここでのんびりさせてもらうか。
この街は悪魔は見てないから大丈夫みたいだが捕まってたみんな奴属魔法がかけられていたので解いてやると有り難がってた。が、ランガとサリが物申してくる。
「勝手に解呪してなにしてるんですか?」
「あ?捕まって奴属魔法かけられたんだから別にいいんじゃないか?」
「それは、でも売ることだってできたのに」
「人間を売り買いすると碌なことがないぞ?」
「ちゃんと調べてからの方がいいってことですよ」
「まあな、でも十中八九違法奴隷だろ?」
「それはまあ」
「んー、じゃあ大金貨50枚やるわ」
「そんな守銭奴じゃありません!」
「じゃあ何が問題なんだよ?」
「私達に一言もなしに解呪したことです」
「あぁ。悪かったな」
「サリそこまでにしとけ、ヒロトさんも勝手はしないでください」
「了解」
なんだか喧嘩を売られてるようで嫌な感じだな。
「ヒロトさん宿が決まりましたよ」
「あぁ、わかったよ」
助けた人たちのなかにはランガとサリに大事な物を返してくれと懇願しているが一切受け付けない二人はやはり好きになれないな。
大事なものなら返してやればいいのにな。
それから宿に向かい一人部屋を借りると日本に帰る。
シャワーを浴びてスッキリした後ニュースを見ながらビールを飲む。
くだらない総理の話に暗殺者の行方がわからないだのと微妙なニュースばかり続く中で伊藤の話が出ると嬉しくなってしまう。
なんちゃら賞を受賞する予定だそうだよ。良かったな伊藤!
スッキリした所で異世界に帰ると、下に晩飯を食べにいく。
もう四人は席に着いていてこっちこっちと呼んでいる。
俺はホテルとアリィに挟まれて飯を食いエールを飲む。久しぶりだがホテルは相変わらず同じ話を何遍もするな、聞いてるこっちが疲れてくる。アリィもアリィで話したいことがあったらしいので聞いてやる。
「あれから大変だったんですから!」
「そうか、そりゃ悪かったな」
「まぁ、今は護衛を雇えてますけどヒヤヒヤしてましたよ」
「それがランガとサリか」
ガツガツと飯を食ってるランガとサリがぴたりと止まると、
「ウチらは奴隷上がりの冒険者だ、だから舐められるのが嫌いでね」
「こらサリ!喧嘩を売るな!勝てるわけないだろ」
「こんなヘラヘラしてるやつに?勝てるに決まってるじゃん」
「俺も舐められるのは好きじゃない」
「ヒロトさん」
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