第40話 落城


 女の子に短剣と防具を買ってやるまぁ、革鎧だがな。そして飯を食いに宿に戻る。

「あんた買ってもらえてよかったねぇ」

「は、はい」

「女将、スタミナ定食を二つと二人部屋に変えてくれ」

「あいよ」

 どうやら売れ残っていたらしい。

 まあ、お世辞にも綺麗と言えなかったからな。クリーンでだいぶ綺麗になったが。

「ほい、スタミナ定食だよ」

「がっつかなくても誰もとりゃしないからゆっくり食べろよ」

「はい」

 噛み締めるようにゆっくり食事を楽しんでるようで何よりだ。

 俺もゆっくり食べながらエールを飲む。


 これで衣食住はとりあえずクリアだな。

 部屋に帰ると夜伽はと言うのでやめといてもらった。

 ゆっくり寝ろといい、明日の朝から冒険者ギルドに行くぞと言う。

「ベッドに横になるとすぐに寝息に変わる、よっぽど疲れてたんだろうな。

 俺も寝ることにした。

 朝起きるともう準備万端な…名前も聞いていなかったな。

「名前は?俺はハルトだ」

「レイナです」

「よしレイナ、朝飯を食いに行くぞ」

「はい!」

 朝飯を食ったらそのまま冒険者ギルドに行く。

 また地龍なんかないかなと思うがそういるわけではない。ここらはランクの低い依頼しかないわけだ。

「まあ。最初だけ低ランクの依頼をしてもらおうかな」

「は、はい!」


 薬草取りとキラーラビットの討伐。

 教えると筋がいいのかちゃんとやっている。

「とりあえずはこんなもんだな」

「はい!」

 冒険者ギルドに持っていっても二束三文だがそれを渡すと嬉しそうにしていた。

「さてそれでバックを買ってもらうがいいか?」

「はい!」

「この街ではでかい依頼がないから次の街に移るぞ」

「はい!」

 バックは好きなのを選ばせてマジックバックにするとそこに必要なものを買って入れて行く。

「野営になるから気をつけるようにな」

「はい」

 レイナと二人旅が始まった。最初の頃は緊張してハイしか言わなかったが最近はおしゃべりが好きなんだと言うことがわかった。

「ヒロト様!あれはなんですか?」

「あれは船だな。漁港もあるのか」

「船?あれで何をするんですか?」

「あれで漁をするんだよ。魚なんかを捕まえるためにな。魚を食ってみるか」

「はい!」


 宿を取ると二人部屋に入り、まずは冒険者ギルドに向かうとそこそこ大物の依頼があったのでそれを取ると受付に渡す。

 明日から動くことを伝えて魔法屋や武器輸出などを回るついでに買い出しをしておく。

 全部レイナのバックの中だ。

 宿に帰ると晩飯に魚が出て来たので食い方を教えてやる。

「美味しいですね」

「だろ?」

 ただの塩焼きだが美味いものは美味い。


 次の日も朝から準備万端で待っているレイナと朝飯を食べてから出かける。

 今日はワイバーン狩りだ。

「空を飛んでますけど」

「あぁ、落とすからトドメをさせよ」

「はい!」

 剣で久しぶりに風の刃を飛ばして落とすと、レイナが走っていってトドメを刺す。これを五、六回繰り返したところでレベル酔いしてしまったので一休みさせる。

 ワイバーンはアイテムボックスの中に入れてある。

 トドメを刺す時に傷を負ったのか肩を抑えているのでヒールをかけてやる。

「服をダメにしてしまいました」

「そんなもん縫うか買い替えればいいだろ?」

「はい」

 

 さて旅も最後とするか、次の街では地龍がいるらしいのでそこで最後にする。

 ギルドで地龍を受けてさっさと地龍退治に行く。二頭いたが一頭だけにして倒してトドメをささせるとレベル酔いしているのでおぶって帰る。


 冒険者ギルドに地龍を卸して大金貨1500枚貰うと大金貨10枚渡して二枚を俺が取る。

そして解呪の呪文で奴隷ではなくす。

「え?え!」

「お前は借金を返したから奴隷じゃなくなった。あとは好きに生きろ」

「ま、まだついていってもいいですか?」

「俺は一人が好きなんだ、バックのものは全てお前のものだから冒険者になれるぞ」

「わ、私は、ヒロト様の奴隷で幸せでした」

「そうか、そう言ってもらえて嬉しいよ」

 この街なら大丈夫だろ。仕事はいっぱいあるし。

 最後の日に抱いて欲しいと言われて抱いた。

 初めてだったようだが頑張ったようだ。

「私頑張りますね!」

「おう、頑張って願いを叶えろよ」

「もう叶いました。次の目標はAランクです」

「そうか、願ってるよ」

「はい、お元気で」

「あぁ、達者でな!」

「はい!」


 レイナとの旅が終わり次の街を目指す。

 久しぶりに走ると快調にペースを上げる。

「ヒロトさん!」

 に馬車を追い抜いた時に声をかけられたので戻ってみるとホテルとアリィだった。

「よっ、久しぶりだな」

「お久しぶりです」

「久しぶりですねー」

 護衛が二人付いている。

 ランガとサリというらしい。

「前の街で奴隷上がりなので要請して護衛をしてもらってるのですよ」

「へぇ、奴隷上がりはどうなんだ?」

「いやここら辺は物騒なんで護衛を雇うより遥かに安いんですよ」

「物騒?特に何も見当たらないが」

「悪魔が出るんです」

「ハハッ!悪魔城のことか?なら心配ない全部潰して来たから」

「本当ですか!そりゃ凄い。乗ってください」

「いいのか?」

「積もる話もあることですし」

「なら乗せてもらうよ」

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