第32話 雨季
そんなこんなでニュースでも取り上げられてるし、もう俺を殺してもメリットが無いからな。
あとはなるようになるだろう。
俺はぐっすり寝て次の日はシャワーを浴びてからニュースを見ながらコーヒーを飲む。
さてと、こっちの悪魔も退治したしあとはあの街がどう変わってるかだな。
異世界に行く準備をしているとチャイムがなる。
「はいはい」と出ると警察官。
とりあえず上がってもらい話をする。
「これは監視カメラに映った映像だがこれは君かね?」
「さあ?とりあえずこれはなんですか?」
そこに写っていたのは物体だと思われるくらいの顔も何もわからない写真だ。
「そうだよね、これじゃ何もわからないよな、協力感謝する」
「はぁ?それでは」
あんなものを証拠に俺を捕まえれるわけがないだろ。
これで警察も動けないと。
余裕だな。伊藤、仇はとったぞ
「さて、異世界はどうかな?」
俺は異世界に飛んだ。相変わらず人が泣く声がする。そりゃそうだな。友人や家族だと思ってたのが悪魔だったなんてな。
「やり過ぎたかな?」
外に出てみると俺を敵視している。残念だ。しょうがないから街から出ようと思ったらあの時の受付嬢が来て、
「あ、ありがとうございます。これで悪魔のいない街になりました」
わけもわからず悪魔どもに占領されそうになってたのに強い子だな。
「いいや、こっちこそ混乱させて悪かったな」
「いいえ!親達も天国で良かったと思ってるはずです」
「…そうか」
「はい!」
「じゃあな」
「はい」
俺は走った。次の街を目指して、走って野営して、また走って。
この道はどこに続くのかは知らないけどとにかく走って次の街に着いた。
ここは普通の街のようだな。
鑑定しながらそう思う。
「やっとゆっくりできるか」
宿に入ると普通の宿だ。
ようやくゆったりできると思い、ベッドに横になると眠っていたようだ。
夕飯の時間には間に合ったようでスタミナ定食を食べると久しぶりで美味かった。
エールを頼み温かったので氷魔法で冷やして飲んだ。
さて、日本に帰ってみる。
ニュースでは連日の報道で飽きてきたのか芸能ニュースをやっていた。
誰が誰と浮気したとかどうでもいいだろ?
シャワーを浴びてスッキリしてからまたビールを飲む。
伊藤もこれくらいやればよかったのにな。
まぁ、俺くらいか、どうでもいいのは。
世界に広まればいいけどな。
さてすっきりしたし、また異世界だな。
異世界に戻り宿で眠る。
朝起きたら雨だった。
こんな日もあるさと部屋で過ごす。長雨にならないことを願うがそうはならない。もう一週間も、雨が続いている。
女将に聞いたらあと一週間は雨だろうとのこと、雨季だそうだ。
「そうか、いつも晴れてるからそんなものなあと思ってたのにな」
「雨季は大事な季節だからね」
「まぁそうだな」
宿を一週間延長して部屋で過ごすのも嫌になってきたので日本に一度帰る。
また警察が来てこれはと見せるのは全くわからない写真。
「何なんですか?私がこんなのだと言いたいのですか?」
「いえ、ご協力感謝します」
「はぁ、もっと現実的に考えてくださいよ」
「はい!」
返事だけはいいな。
外に出てぶらつく。やっぱりついてきているが本屋に寄ったりカフェで買った本を読んだりしていた。
この暑い中大変だなぁと思うが俺には関係ないか、とりあえず涼んでいる。我慢できずに入ってきたところで外に出る。
我ながら鬼のようだな。
まぁついて来てるのはあっちだからな。暇つぶしの本も手に入れたし異世界に帰ろう。
異世界へ帰ると、やはり雨だからジメジメしているが、それでも、窓を開けて空気の入れ替えをしてやるとだいぶ違うな。吹き込む前に閉めるが。ライトで明るくして本を読む。
これは伊藤の執筆した本で薬学の本だ。伊藤らしさが出ていて面白い。
最初は気難しい男だと思ってたがただ真面目で正義感の強い男だったな。
これで俺の親友とも呼べる男まで亡くなった。俺に呪いでもついてるのか?
いや、どちらにしても先に行くのはあいつだったからしょうがないか。
俺には無限では無いが時間がありすぎるんだ。だからこそやらなければいけないことを見つけなくちゃな。
悪魔狩りに万能薬擬きの公表もそうだ。
やることを見つけるのは楽しい。
一人が気楽なんだけどな。
雨季も終わり次の街に行く前にこの街を見て回る。何の変哲もない街だった。こういう街で暮らしたかったな。
魔法屋に寄ったがこれといっていいのはなかった。
次の街へと走る準備をして走り始める。
北東と南東へ向かう分かれ道に来た南東へ向かうと帝国があるらしいので、帝国の方へ向かう。
何故かって?気分転換だ。
王国はもういいだろう。
気分転換ついでに魔物に襲われていた荷馬車を救う。魔物はウルフ系でボスを倒すと逃げていった。
「あ、ありがとうございます」
「どういたしまして」
「あ、あのお代はいくらほど」
「別に金に困ってるわけじゃないからいいよ」
「そ、それじゃあ申し訳ないです。そうだ、護衛がてら乗って行きませんか?帝国までいくんですけど」
「んー。ならそれでいっか」
「じゃあ護衛代もふくめて金貨50枚で」
「それでいいよ」
「私はホテルといいます」
「ヒロトだ」
「よろしくお願いしますね」
「あぁ。よろしくな」
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