第31話 暗殺


 伊藤が死んだ?は?アイツが死ぬわけないだろ?俺は伊藤のスマホに連絡するが繋がらない。

 その時外に敵意を感じ取ったので、剣を取り出してこっちから行くことにした。

「よう!こっち向いたら殺すぞ」

 俺は後ろに回り込んでサバイバルナイフを首に当てている。

「お前が伊藤を殺したのか?」

「俺じゃないが誰かだ」

「ほう、お前の雇い主はこの国かよ」

 鑑定したら本当は警護担当の奴らしい。

「な、何故それを?」

「お前を逃してやる、総理大臣にでも言ってやれ。お前の首が飛ぶぞ?ってな」

「お前たちが作った薬は世界を揺るがすんだよ」

「そのために作ったんだ。万能薬擬きで効き目も弱いがな」

「な、あれで完成じゃないのか?」

「そうだ、あれを作れるのは俺だけだな!なんなら俺を捕まえてみるか?何の証拠もないからマスコミが騒ぎ出すだろうがな?」

「そんなもの力でねじ伏せられるだけでお前は豚箱行きだ」

「へぇ、こっちも悪魔退治が必要みたいだな」

「は?何を言ってアガッ!」

「さてと、スマホはこれか?顔認証っと、へえ、いっぱい電話番号が載ってるな!」

 俺は一番電話しているやつに電話をかける。

「あーもしもし?俺を暗殺するなら死にに来いよ?は?俺か?伊藤のマブダチだ」


 さぁ、こっちの悪魔も退治しに行くか。



「よっ!総理大臣さん」

「だれじゃ!こいつを中に入れたやつは?」

「俺が勝手に入ってきた!あと呼んでも来ないよ?眠ってもらってるから」

 俺は総理官邸に来ていた。

「すぐにお前なぞ」

「動くなよ?切れちまうから」

「な、何が目的だ」

「俺のマブダチを殺しやがったな」

「伊藤のことか!それは仕方がなかった」

「そして俺も殺しに来てた」

「ま、まさか」

「そうだよ、せっかくの酔いも覚めちまったぜ」

「総理大臣さん指動かしてみろよ?殺してやるから」

 指が机の下に入っているが動かしていない。

「くっ!お前らの作った薬が悪い!」

「自分が癌にでもなったら直ぐに手に入れるはずだろ?」

「そ、それは」

「俺は作らないが、あいつは作って公表までしたんだ。それを讃えずに殺すとはどういうことだ?」

「仕方ないじゃろ!あんな薬作ったお前たちが悪い」

「お前たちが悪いしか言ってないがもう作れるのは俺だけになった」

「だからお前も死ね」

「はい、終わりー」

 俺は総理の首を斬っていた。

 まぁ、俺だって死にたくないからな。

 さてこれからどうしようか?

 まぁ、逃げる一択だな。


 俺はとりあえず自分の家に帰る。

 ビールを飲んでニュースを見てると総理大臣暗殺がテロップでている。すぐに緊急事態に陥った官邸は犯人探しよりまずは代わりを探すのに必死のようだ。

 時間はありそうだな。

 このまま寝てみよう。


 俺はぐっすり寝て起きるとニュースをつける。総理大臣暗殺者は誰かという問題と次の総理大臣を決めるのが同時進行してるのかな?

 まあ、昨日喋ったやつは殺しといたし、あとは電話でしゃべったやつだな。


 伊藤の葬式に行くと久しぶりに伊藤の顔を見た気がした。たしか最後は飲み屋だったよな。社長も久しぶりに見たよ。号泣してたがな。

 さてと俺に敵意を持つ奴が何人かいるからそいつらの中に伊藤を殺した奴がいるかもな。

 普通に出て行くと俺の背中に近づく奴がいるのでそいつの背後に回ってやった。

「お前が伊藤を殺した奴か?」

「お、ち、違うそいつは」

 いいや、多分こいつだな。殺してアイテムボックス に入れるとあと何人か敵意剥き出しのやつを捕まえて来る。

 

 何人いんだよ!鬱陶しいな。

 何人かは殺してアイテムボックス に入れてある。

 俺の家に車で向かうと起こしてやる。

「あー、めんどくさいから伊藤を殺したのはこいつ?」

「あ、あぁ」

「ふーん、で?あと死にたいやつは?」

 敵意がなくなっている。

「とりあえず俺はお前らより強いから逃してやるけど近づけば分かるからさ」

「わ、わかった」

「んじゃ!」“バチィ”

 サバイバルナイフに付与した雷魔法使えるよな。

 これで来なくなればいいけどね。


 あと一日こっちにいることにした。

 狙撃手がいたからこっちから言ってやったらびっくりしてたなぁ。

 索敵はいい感じでどこにいるか分かるし、ここら辺は高い建物がないもんな。


 あとは耐火住宅だから燃やされても食い止められるし、爆破は流石にしないだろ?


 あとは誰が殺したかで警察が来ることだけどまぁ、俺の痕跡なんてないだろうしなぁ。どうすんだろマジで?


 ニュースを見ると総理大臣にはとりあえず代理が入るらしい。そして暗殺者は不明のままだし、伊藤の事はもう出ていないなぁ。


 伊藤も出さなきゃよかったのに。でもあいつの正義が強かったんだろうな。


 何とかしたいけど他の国に製法を売るとかしようかな?買いたい国はたくさんあるだろう。

 あ、そうだ、ネットに製法を流しちまおう。そうすればもう誰も止められない。

 早速製法をパソコンで打ち込むとネットに流す。

 最初は半信半疑のコメントが多かったがだいぶ広まったな。


 総理代理はそれだけでてんてこ舞いだ。

 胃に穴が空いたら飲めば大丈夫だよ。

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