第25話 熱い夜


「はっ!とう!」

「せや!」

「あたれー!」

「シッ」

 当たれと言ってあたる奴がいるかと言いたい。稽古をつけてくれと言われたので軽い組み手ならと言ってやっているがあっちは本気で来ている。

 4対1は卑怯じゃないか?

「おう、シャルロッテはもっと剣を水平にしたほうがいいぞ?」

「こうか?」

「そうそう、芯がぶれないから速くなるよ」

「分かった」

「チャムは…」

 みんなにアドバイスするとそれを練習してまた俺にかかってくる。これでレベルが上がるのかな?

「魔物倒した方がいいんじゃないか?」

「ふぅ。そうするか!」

「ウチもそうした方がいい気がする」

「あーしらに手も足も出させないんだもん」

「無理だ」

 良かった、これ以上はこっちが暇だ。


 冒険者ギルドに来た俺たちはレッサードラゴンの群れの討伐を受けて、草原まで走って行くと群れだが多いな。

「よし、誰が一番倒すかで最下位は今日の晩飯ね」

「「「「了解」」」」

「ゴー!」

 とりあえず半分は俺が倒した。


 最下位はチャムだった。まぁ、しょうがないな。

「きぃー!ウチ悔しぃー!」

「でも接戦だった」

 最下位争いで勝ったのはヤジリだった。

 やはり武器で変わってしまうな。


 解体をしてみたいと言うので教えて行く。

 これはチャムが上手かった。

 相当数がいたからそれをアイテムボックス に入れて持ち帰りギルドで下ろす。解体作業分の引かれた料金と討伐報酬が手に入った。

 全員で割ったので少なかったがな。


「今日はチャムの奢りだ!」

「ごち」

「ふん!次は負けないんだからね」

「ワシにも奢りじゃろ?高い酒じゃんじゃん飲もうかね」

「師匠は入ってないでしょー!」

「あはは、まぁいいじゃないか」

「しょーがないけど飲み過ぎはダメですよ」

「はーい」

 ルーもこれに乗じてタダ酒を飲んでいる。

「俺も果実酒」

「えっ!ヒロトも飲むの?」

「あぁ、飲めるようになった」

「じゃああーしも飲もっと」

「私も飲むわよ」

「私も」

「うー、うちの奢りだからって!ウチも飲む」

「そういえばみんな歳はいくつなんだ?」

「えーそれを女に聞く?」

「ウチ二十歳」

「同い年かよ」

「えっ!ヒロトは二十歳なの?」

「おう!」

「私達みんな二十歳だよ」

「なんだ同い年かよ」

「ずっと年下だと思ってたよ」

 俺はどっちかと言えば童顔だけど、

「はぁ、二十歳ならオッケーじゃん」

「何が?」

「セックス」

「ブッ!」

「きゃー、ヒロトどうしたのよ」

「い、いや急にセックスなんて言うからさ」

「普通でしょ?あーしとしようよ」

「そういうのは付き合ってからでしょ?」

 シャルロッテが止めてくれるが。

「そう言うシャルロッテが付き合いたいんじゃないの?」

「ち、ちが、くないけど」

「ほーらね」

「私としよう」

 ヤジリがにじり寄ってくる。

「あー!うちが一番先!」

「モテモテだね!ヒロトは」

「四人一緒でもいいよね!」

 クオンがすごいことを言ってくる。

「いや俺はまだ」

 多分顔が赤くなっているだろう。

「おや、流石のヒロトは童貞かい」

「ならぜったいあーしがいいよ!」

「ダメですって!もー!」

「ヒロトなら四人くらい養えるから大丈夫!」

 ヤジリは何をいってるんだよ。

「あはは、またみんな冗談ばっかり」

「本気だよ?」

「うちと寝ようね?」

「ちがうよ、あーしとだよ」

「だ、だめですってば!」

 みんな本気みたいだ。どうしようかな?

「みんな可愛くて選べないよ」

 するとみんな顔を赤くする。

「あははは、みんなウブだねぇ」

「師匠に言われたくないね」

「あははは」

 結局はうやむやで終わったと思ったら、夜に“コンコン”と扉がなる。

「ん?はい?」

「シャルロッテだけどいいかな?」

「あぁ、どうぞ」

 シャルロッテはネグリジェ姿だった。

「初めてみた時から好き」

「お、おれもっ」

 唇を塞がれて貪るようなキスだ。

「はぁ、はぁ、私もう我慢できないから」

「俺もだよ」

 

 朝チュンというやつを初めて経験した俺は、初めてだったシャルロッテとのことを思い出していた。

 今シャワーを浴びているシャルロッテは恥ずかしそうにシャワーから出てくると、

「もう一回やる?」

「ちゅっ」

 とまた朝からやってしまうのだった。


 腹が減ったと二人で降りて行くとブスくれた三人と大笑いしているルーがいた。

「お熱いことでなによりだよ」

 顔が赤くなってしまう。

「次はあーしだからね」

「なっ!私のヒロトだ!」

「昨日決めたじゃん」

「ウチなんか最後だよ!」

「三番目」

「え、えぇ!」

「あーははははは、面白いねぇアンタらは」

「笑い事じゃないですよ!私のヒロトなんですから」

「決まってないだろ!私達のヒロトだよ!」

「そーだそーだ!」

「朝も愛し合ってきたんだからね!」

「そんなん関係ないね!あーしだって」

「うちも!」

「三番目だからね」

 俺に決定権は無いというか性に寛大な世界だなぁ。

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