第22話 王都
お嬢様が駄々を捏ねて五日目らしい、今日も今日とて紅蓮隊と一緒に行動している。
「今日はなにしようかな?」
「ウチはまたドーナッツ食べたい!」
「それはやめといたほうがいいぞ?」
「なんで?」
「あーしも飽きるから今日はいいかな?」
「うー、一個だけ」
「ほい、一個だけな」
「やったー」
チャムは子供みたいだな。
「みんな!今日出発するってさ」
シャルロッテが入ってくるなりいってきた。
「ええー!また急に!」
「いいから支度しろ!」
「はーい」
また急だなぁ。お嬢様のわがままに付き合う紅蓮隊が可哀想だな。
「というわけだ、ヒロト!先に王都に行ってるよ」
「わかったよ」
みんなはバタバタして出ていった。
「またね」
「先に行ってるから」
「また会おう」
「おう!またな!」
さて何をしようか?
一旦日本に帰るか?
日本に帰ると衣服を換装してまったりとする。
こっちでは新しいものを取り込んでいかなくちゃな。
俺は車に乗ってドライブがてら街をぐるっと回ってみる。ハンバーガーは買っとかないとなと思い、バーガーショップに立ち寄り大量のハンバーガーを頼む。待ち時間にこの辺のことを調べておく。
古物商にアンティークショップなどもあるが、こっちでの金はもういいか?
あっちで浮かないような着心地重視の服も買っておく。どうしてもあっちの服はゴワゴワするからな。
出来れば異世界で役立つものが欲しいな。
百均に行って方位磁石やアクリル製のグラス、あとは適当に欲しいものを買うと一度家に帰る。
ネットスーパーで瓶とシャンプーとコンディショナーの詰め替えを大量に買っておく。それとコンバットブーツも良さげなのがあったから買ってみる。それからもネットスーパーを見て欲しいものをガンガン買っていく。
一通り終わるとコーヒーを淹れて落ち着くと。テレビでは癌が治癒した人のインタビューをしていたがそれは俺が治しただけで、なんの根拠もないんだよ。
俺は異世界に行くことにした。
色町を見学してその後の裏町までやっていくと、
「おいおい坊ちゃん、お前みたいな奴が来るところじゃねぇぜ?」
「有り金全部置いてきなよ」
と絡まれるが、返り討ちにして案内させる。
裏闘技場や奴隷売買など、やってはいけないことだらけだな。奴隷などは戦闘奴隷に欠損奴隷などさまざまだった。非合法の奴隷はいない感じだな。
ここを牛耳っているボスにあうのもアリかと思ったがどうせ碌でもない奴だろうと思い合わずに帰る。
さてこんなもんかなと、この街ともおさらばしようと思ったが今出るとあのお嬢様とかち合う可能性があるので日本で大人しくしておくことにしよう。
宿に帰り家でコーヒーを淹れて飲むと、またネットを見ながら欲しい物を買っていく。
ネットなので注文の品が届くのを待っている間に日本でやれることをやる。といってもあっちに持っていく物を吟味してしるだけだがな。
二、三日で届くので楽しみにしていたコンバットブーツや、いろんなものが届くのでアイテムボックスにいれていく。
さて異世界に行こうか。
異世界では夕方だったのでそのまま夕食をとりシャワーを浴びて寝ることにする。
次の日は乗馬の体験だ。荷馬車屋にいって乗馬の訓練がしたいとのことを言いさせてもらう。なかなかうまく乗れているので問題はないだろう。まぁ走った方が早いけどな。
一週間ほど時間魔法の使い方を研究したり、冒険者ギルドに行って魔物を討伐したりしていたが、これでお嬢様も着いた頃だろうと思い次の街、王都に向かうことにした。
門を出てストレッチをしながら走り出す準備をする。そして出発。
走って行くとやはり王都に向かう荷馬車なんかが多いが避けて走って行く。
野営を何度か繰り返し、そうしてようやく王都が見えてきた。門で並んで冒険者証を見せて中に入る。
「賑わってるなぁ」
「さっさとどきな!」
「あぁ。悪い」
口の悪い婆さんだと思ったら。
「ルー?」
「おぉ。ヒロトじゃないかい」
「ルーも王都に来たのか?」
「そうさね、あそこじゃ商売にならなかったからね」
「あはは、まだあれやってるのかい?」
「あれが一番手っ取り早いのさ」
「まぁ、まず宿を探さなきゃな」
「んじゃついておいで」
久しぶりに会うルーに連れられて着いたのはこじんまりとした宿屋だった。
「王都でいい宿屋ってのはたくさんあるがここが一番のんびりできるさね」
「ほう、んじゃここにするか」
中も見ないで宿を決めた。
中に入ると女将がいて泊まる部屋を確保する。
「あんたはどこに行くんだい?」
「さあ?ブラブラしてくるよ」
「じゃあ、あたしゃ一儲けしてこようかね」
「気をつけてな」
「お互いに」
さて俺は魔法屋にでも行くかな?ルーとは反対の道に行ってみる。
武器屋、防具屋は素通りして魔法屋を目指すとようやくあったが怪しい雰囲気の店だった。
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