第19話 再会


 三日後にまた錬金術師のところに取りに行く。万能薬は出来上がっているが竜の血がほんの少ししか残らなかったのが悲しいらしいので一袋あげた。その分値段から引いてもらったがな。

 これでようやく次の街に行けるな!

 次の街まで五日かかるので朝早くに出たが夜になったので野宿する。ハンバーガーを食べ、コーヒーを淹れながら星を眺める。いい夜空だが、ウルフ系のモンスターが寄ってきたので斬り伏せる。

 アイテムボックスにいれて解体は明日だな。


 とりあえず朝まで一睡もせずにまた走って次の街に到着すると宿に入って、日本に帰って寝る。と着信が入っていたので見ると伊藤だった。

「もしもし」

「あぁ。あの血の成分は日本にはないと思うぞ?近いのはトカゲだな」

「そうなのか、トカゲの血で試してみれば?」

「そう簡単なものじゃないんだぞ!」

「でも似てる成分なんだろ?」

「あぁ、あとはまだわからない。それだけだ」

「了解です」

 と寝起きで喋る相手じゃないな。

 外はもう夜になっていた。

 んじゃ異世界に行こうかな。


 異世界では昼頃だったので昼飯を食べに行く。ここは当たりだなと思いながら飯を食ってると見覚えのある顔が!

「チャム!」

「あ!ヒロト!」

「あー、ヒロトだ!」

「また会えたな」

「無事で何より」

 紅蓮隊のみんなも無事でよかった!

「みんな何をしてるの?」

「お嬢様の護衛だよ」

「は?まだ着いてないの?王都ってそんなに遠いの?」

「いや、次の街が王都だよ、行きたくないと駄々を捏ねてるだけだ」

「へぇー、ただのガキじゃん」

「しぃー!そんなこと言うもんじゃない」

「俺はクビになったからな」

「それはそうと少し大きくなってないか?」

「おぉ!気付いてくれた?少し筋肉がついたんだよ」

「おぉ!マッチョ!」

「ふふん!」

 俺は筋肉自慢をする。

「それよりあーしは何でこの街にいるのかが不思議だけど?」

「いや。街道沿いに来ただけだよ。途中でお前らの師匠にもあったぞ、ルーっていう」

「なっ!途中にいたのか?どこの街だ?」

「この街の前の前だったかな?」

「まじかよ、名前変えるチャンスだったのに」

「なんか昔のルーのチーム名だって言ってたぞ」

「そうなんだよ!そりゃものすごいチームだから恥ずかしくってな」

「なら恥ずかしくないようにしないとな!」

「やれるならやってるよ!」

「まあまあ、まずはご飯食べましょうよ」

「だな!ここ飯うまいし」

「そうなのよ!ここ美味しいから毎回ここなのよね」

 飯を食いながら楽しく喋る。久しぶりだな。

「まぁ。ここを過ぎて王都に帰れば私達の依頼も達成だからようやく離れられるんだけどね」

「そしたらヒロトと一緒に旅するのも悪くないかな?」

「そうね!ヒロトさえよければだけどね」

「あーしも賛成」

「まぁ、そう言うことだな」

「ならさっさと連れてかないとな!」

 あのお嬢様が駄々こねるって相当嫌なんだろうな。

「ヒロトはこの街に着いたばっかりなの?」

「そうだぞ?今さっき着いたばっかし」

「この街は王都の次にでかいからな」

「そうなんだ!なら色々あるかな?」

「色町には言ったらダメだからね」

「へぇ、そんなとこもあんだな」

「これまでにもあったでしょ?」

「ん?いや気づかなかったが?」

「あはは、気にしすぎだってシャルロッテは」

「そ、そんなことないぞ!」

「あーしは別にいいけどねー」

「まぁ、男だしな」

「行かないっつーの!こんだけ美女に囲まれてんだから」

 みんな顔が赤くなる。

「そう言うこと言うから」

「ウチはうれしー」

「たらしだな」

「同感」

「なんだよ、ほんとのことだろ?」

「無自覚タラシだな」

「だな」

「それより今日は休みなのか?」

「もう三日も休みだよ」

 俺らは飯を食い終わりお会計を済ませて外に出る。


「ヒロトはこの街にいつまでいるの?」

「そうだな、まだしばらくはいるぞ」

 まだきたばっかりじゃしな!

「なら明日街を案内してあげるよ」

「また買い物じゃないのか?」

「いつも買い物してるわけじゃないさ」

「なら頼もうかな」

「よーし!案内しちゃうぞ!」

「行かない方がいい場所もあるからね」

 行かない方がいい場所?裏町とかかな。

「んじゃまた明日ここでいいよね?」

「了解だ」

「んじゃねー!」

「またね」

「バイバーイ」

「おう!頑張れよ」

 まさかシャルロッテ達に会えるとは思わなかったな。

 

 さて魔法屋にでも行ってみるか。

「何かいいものはあるかい?」

「うーん。時間魔法くらいかな?」

「おっ、じゃあそれくれよ」

「大金貨30するよ」

「はい、30ね」

「おお、売れるもんだな!」

「売れなかったんかい」

「こんな高いの誰が買うか!」

「俺が買ったからいいだろ」

「そうだな」


 それから蚤の市みたいな場所を教えてもらう。

 へぇ、賑わってるなぁ。

 お、あれなんだ?スキルオーブ?

「これいくらだ」

「ん?これは銀貨50でいいよ」

「なら金貨一枚で釣りはとっといてくれ」

「おお!まいど!」

 その玉を手に取る鑑定してもスキルオーブとしか書いていない?

 アイテムボックス に入れておく。


 そのほかにも色々物色する。

 

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