第18話 家を建てる



 万能薬がどれだけ効くかだな。一粒調べてもらうか?薬学研究所に持って行くのもいいだろうな。早速と言いたいが百粒しかないので効能も調べたいところだがな。

 

 あの社長に連絡を取ると、折り返し電話がかかってくる。薬のことを話すと喜んで手を貸してくれるそうだ。薬学研究者に知り合いがいるらしいので取り合ってもらうことにした。


 次の日の午後に落ち合うことにしていたのでその場に行くと社長は嬉しそうに手を振ってくれている。その隣の人が薬学研究者の人かな?

「初めましてあえて名前は明かさないでおきます」

「私は薬学研究者の伊藤だ。君の持っている薬が万能薬だと聞いたが本当かね?」

「まだ試していませんが本当です」

「まだ試していない?は、馬鹿にしてるのか?」

 伊藤は馬鹿にして、ため息を吐く。

「じゃあ、誰かご病気の方にこれを一粒飲ませてください」

 一応は試してみたいからな。

「分かった。癌患者のステージ4の友達がいる!嘘だったら張り倒すからな!」

 と一粒の丸薬をもって帰って行った。

「悪いね」

「いいえ、これで効能がわかりますから大丈夫です」

「あれから娘とね」

 と少し話をして別れるとすぐに電話が鳴った。

「伊藤だ!あれは何なんだ!ステージ4の患者が完全に回復したぞ!」

「だからあれは万能薬で研究して欲しいと思っ「今からさっきの場所に行くから待ってろ」」

 しょうがないから待つことにした。

 乱暴に店の扉が開いて俺のところに座ると、コーヒーを頼む伊藤。

「あれは何粒あるんだ?」

「百粒だったので99粒になりましたね」

「あれはこの世にない物質でも入っているのか?」

「それを研究して欲しいんです。これが完成すれば病気の人がいなくなる」

「そうだな、だがもしできたとしても世には出せないかもしれない」

「それでもいいです。これは俺の気持ちなんですから」

「わかった、極秘に研究してみる取り合えず五粒は欲しいな」

「じゃあ倍の十粒で。信用しますからね」

「あぁ、これでも薬学研究者だからな、研究して何が使われてるのか探し当ててみせるさ!」

「お願いします」

 十粒渡すと袋に詰めて鞄にしまう伊藤。

 頼んだコーヒーを飲み干すとすぐに行ってしまった。

 コーヒー代俺持ちかよ。


 そのあとは不動産屋に電話して他の人の退去手続きをしてもらう。とりあえずは敷地は広いから一軒家とあとは賃貸物件を作ると言う話にした。ハウスメーカーを紹介してもらい、なんとかクローゼットを壊さないように解体してもらうことを条件にした。賃貸の方はまあ、お任せだな。


 日本は忙しいなぁ。とりあえず注文住宅でクローゼットを絶対に壊さないを条件にしてハウスメーカーの人に任せてみる。

 まぁ、まだ住んでる人がいるから出て行ってもらってからの仕事になるので時間はあるだろう。

 

 異世界に行き、万能薬の作り方を教えてもらえないかきいたが、錬金術師じゃないと造れないとの事だったのでまた竜の血を渡して材料が揃い次第作ってもらうことにした。材料を聞いたがどこにあるのかすらわからないので諦めた。それ専用のハンターがいるそうだ。


 竜の血はまだ五袋もあるからだいじょうぶだろう。


 万能薬ができるまでこの街から出れないので日本に帰ることにした。どっちも俺がいない時に時間が止まってるから厄介だなぁ。

とりあえずこっちにいないといけないからme Tubeを見ながら体を鍛えることにした。

 あとは社長や伊藤と連絡を取り合いながら薬の研究、竜の血も少し渡した。

 全ての入居者が出て行くのに半年かかった。それまでに決めていたことにようやく取り掛かれる。

 まずはクローゼットをコンクリで囲んでしまい絶対に壊さないようにしてもらってから工事に入ってもらった。

 それだけ俺が本気なのが伝わってるのか慎重に二階部分の撤去をしてもらう。俺は立ち会っている。あとは任せてもいいだろう。

 こちらで過ごしていると体が鈍ってくるからジムに通うようになった。まぁ驚かれるけどな、こんな細い体だから、でもしっかり筋肉はあるんだぜ?

 家の工事も順調でクローゼットをいい感じに繋げてくれていた。

 他の人には開くなと言ってあったので大丈夫だと思うけど。

 となりにはいいかんじのアパートが建ってきている。俺の家の方を先にして欲しいのだが?


 とそんな感じで約一年たった。俺の誕生日に歳が変わったので異世界いる間は俺の時間も止まっているのかもしれない。

 家の方も出来上がり、小さくても立派な家が建ったな!早速家の中に入り一階はリビングと水回りで二階に二部屋ある。

 まぁ、寝室と書斎にでもするかな。


 お金はもう支払ってある。税金が怖いけど一括で払った。社長からの依頼が何件かあったからな。いまじゃ億万長者だ。

 まぁそれはいいとしてとりあえず異世界に行ってみる。ちゃんといけたのが嬉しい。

 久しぶりの異世界に感動しながらも誰か入ってないか調べる。誰も入ってないようで良かった。もしかして見えるのは俺だけなのかな?

 宿の女将に挨拶して、外に出る。

何も変わっていないようで一安心だな。

これで一度日本に戻る。家具や家電を揃えないといけないからな。電気や水道、Wi-Fiなどはもう工事は済んでるので問題ない。


 家具家電も買って車に乗せると言ってアイテムボックスにいれている。あとは設置をしていき粗方片付けてゴミもまとめたらコーヒーを飲んでまったりする。これからここがマイホームだからなぁ。


 と感慨深くしてる場合じゃなかった。異世界で過ごさないと万能薬が作れないじゃないか。

 異世界に戻って部屋から外に出ると錬金術師のとこに顔を出す。どれくらいかかるかを聞いてみると材料が揃ったらしいのでまた三日欲しいと言われた。


 さて三日間何をしようかと思ったが先ずは鎧の調整をしてもらう。ジムに通ってたから少しがっしりしてしまったので鎧が窮屈になっていた。防具屋に行って調整してもらうとピッタリになってよかった。ブーツは問題ないし、剣も問題ない。あとは魔法屋に寄ってみるがいいのがなかった。

あとは自主トレでもして過ごすか。

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