第17話 罪悪感
その話は話題になった。そして俺は金持ちの夫妻を見つけた。鑑定で簡単に見つけられた。
「少しお話いいですか?」
「なんだ!おまえは!」
「癌が治せるとしたらいくら払いますか?」
「は?そんなことができるなら一億払ってやるよ」
「じゃあここにサインを」
「ほ、本当にか?」
「はい!」
「治ってからの支払いでいいんだな?」
「それはもちろん」
「…こっちだ」
連れて行かれたのは管をたくさん通された末期癌の患者さんだった。
「それじゃ、行きます『ヒール』」
「……お父さん?」
「う、ぐふぅ」
社長さんは泣いていた。
「ここはどこ?」
「よかった!良かったなぁ!」
「ナースコールで精密検査をしてもらいましょう」
「わ、わかった」
ナースコールを押すと、
「どうされました」
「娘の意識が戻った!すぐに精密検査をお願いしたい!」
「わ、わかりました」
「それでは現金で一億よろしくお願いしますね」
「わかった!ありがとう」
こんなこと本当はしたくなかったがあの部屋を買い取るためだ。
後日現金で一億を渡してくれた社長さんはちゃんと約束を守って誰にも言ってないそうだ。
そして不動産屋に連絡をしてあの部屋を買い取りたいとの話を持って行く。アパートのワンルームなんて誰が買うんだと思われるかもしれないがあの部屋が欲しいのだ。
あのアパートごと買うのに一億五千万をふっかけて来たがそれでいいと言うとすぐに大家との話し合い。その結果古いアパートで利便性もあまり良くないため一億で買うことができた。これからの大家は俺だ。
もう一度社長から連絡があり、繋がりのある患者がいて治してほしいと言う。今度も一億円でいいと言う社長にわかりましたと言い、その病院に行って治療を施す。
計2億を支払った社長はほんとに大事な人だったのだろう、泣いて喜んでいた。
俺は自分の部屋に帰り異世界へといった。
なぜか罪悪感が拭えないが悪いことをしたわけじゃないし、誰でも彼でも治すわけには行かない。でも罪悪感が湧いてくるので少し一人になりたかった。
部屋で一人コーヒーを飲んで落ち着く。
次の日はギルドに向かい、依頼の中からグリーンドラゴンを選ぶとそこまで走って行く。グリーンドラゴンは地龍とも呼ばれ恐れられているが今の俺にはちょうど良かった。
思いっきり暴れられる相手が欲しかったところだ!
地龍と真っ向からぶつかり合うと剣が折れる。魔法を繰り出し蹴りやパンチを与える。こちらも頭突きや尻尾での攻撃のたびにヒールをかけないとやられてしまう。そんな戦いをやってやっと勝った。
「ウォオオオオオオオ」
と雄叫びを上げていた俺がいた。
地龍はアイテムボックス に入れて宿に帰るとビックリされた。まあ、鎧も壊れて無くなっているし剣も折れて鞘に入っているだけだ。服は破れボロボロだけど、妙にスッキリした。
次の日には着替えて筋肉痛の体に鞭打って鎧と剣を作ってもらいに行った。
剣はドラゴンからもらった鱗を使ってもらい。鎧は前と似たようなのを調整してもらう。ブーツも似たようなのを買い直す。
剣は三日は欲しいと言われたのでそのようにして平原に行き地龍を解体する。
ドラゴンは血の一滴も薬になると言われているがほんとうにそうなのか?とりあえず地はゴミ袋に入れてアイテムボックスに、肉と骨、鱗に皮まで綺麗に全部解体が終わりアイテムボックス に入れておく。
錬金術師の元を訪ねて地龍の血はなんなるか聞いたら万能薬になるらしいのでそれを作ってもらう。他にも材料が必要らしいが金をだすのでどうにか作ってもらうことにした。
こちらも三日ほどかかるそうだ。
それまで俺は自分のためにme Tubeを見ながら鍛錬をする。もちろん日本で勉強してから異世界で鍛錬だ。筋肉痛になりながらも体術と短剣術がスキルに増えていた。
三日後に剣を取りに行ったらいい剣ができていたドラゴンソード+++に空きが一つある。ここには俺が風魔法を付与するとドラゴンウイングソード+++となった。
鞘を作りに行くとすぐに作ってくれると言って作ってもらった。まぁ基本的な長剣だからな。
剣を腰に刺して部屋に戻る。罪悪感はまだ残っているがそのうち消えるだろう。
そして次の日には錬金術師の元を訪ねると万能薬はできていた。小さな小瓶に入った百粒の万能薬だ。
後の血は使っていいと言うと大喜びだったが小瓶に一杯分くらいしかないそうだ。
ようやく落ち着いた俺は日本に戻り、クローゼットをアイテムボックスに入れられないか試したが入らなかった。これは買う前に試してみたがもう一度試してみたかったからだ。
バカなことをしているのはわかっているがやってみたい気持ちになる。向こうの扉が入るんだからと思うがここにつながってしまっているのでしょうがない。
取り合えず後一億と一千万はあるのだから、ここのクローゼットを残して建て替えるのもありか。
そうだそうしようここが火事になったらやばいからな!
ワンルームのクローゼットを残して家を建てる計画。絶対成功させるぞ。
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