第14話 お嬢様の無茶振り


 ワンルームに帰って来てまったりとすると眠くなったので異世界に帰り寝ることにする。

 朝になる前に目が覚めた。

 ぼーっとしているのもなんなので、シャンプーとコンディショナーの詰め替えをしていたら朝になった。

 少し寝不足気味だから頭がぼーっとしているが、顔を洗って目が覚めたので身体を動かす。五人で朝飯を食い今日は研ぎに出したものを取りに行く日なので鍛冶屋に入ると、研ぎはもう終わっているそうで、中に入れと言われた。

「どうだ?この剣は?」

「鋼鉄の剣+++に空きがありますね」

「最高傑作だな!これに風の魔法を付与してくれ」

「はいはい!」

「ほれ、お前の剣だ」

「え?」

「お前の剣は結構使い込んだんだろ?あれを俺がもらう代わりに新しい剣をお前にやるよ!」

「本当にもらっていいんですか?」

「ああ!男に二言はねえ!」

「ありがとうございます」

「いや、こっちも儲けさせてもらったからな」

「「あははは」」

「それでバンバンモンスターを狩ってくれ」

「はい!」

 これは鞘も新調しなきゃな。


 サバイバルナイフも全部ピカピカに研いでありすごくキレそうだ。

「慣れる必要があるから少し身体を動かしてくるよ」

「あ、ウチもいく!」

「あーし達も行こう」

「俺は鞘を新調してくるよ」

「じゃあまたあとでな!」

 俺は防具屋に来て剣の鞘を作ってもらいに来た。ちょうどいい長さの鞘があれば良かったが作らないとダメだそうだから作ってもらう。剣を預けて明日取りに来ると言ったらすぐ作るから待ってろと言われた。


 防具も新調したいなあと見ていると革鎧でカッコいいのがあったのでそれを試着させてもらう。動きやすさも別に気にならないし、これを買うことにしてそれの調節も頼んだ。

 鞘と鎧が出来上がったので元の鎧はアイテムボックス行きだ。


 あとはブーツも新調するかと靴屋に来て普通のブーツだけど色が似ているのでそれを買う、つま先には鉄板が入っているそうで蹴りにも期待ができるな。


 結局は全部新しくしてしまったが悔いはないからいいか。昼時には汗をかいた四人が宿に帰って来た。

「このナイフすごいよ」

「うちのナイフよりいい!」

「あーしもサブで持ってるのが勿体無いよ」

「近接でも充分」

「それは良かったよ。俺も全部新調したしね」

 そういうと四人はシャワーを浴びにいった。

 俺は四人を待ってランチにした。

 いよいよ明日でこの街ともおさらばなので商業ギルドに行くと言うとついてくる四人。

 商談室でシャンプーとコンディショナーを卸すとまた大金が入ってくる。

「金持ちだ」

「チャムも相当金持ってるだろ?」

「えへへ」

 盗賊の報奨金なんかでへたな貴族より持ってるんじゃないか?


 つぎの日もまたロンゾの報奨金なんかを受け取ると大金貨2000枚らしいそして半々になった。俺がほとんどやっつけたようなもんだからな。そしてようやく旅が再開したが少し一悶着あった。

「お嬢様にお伝えください、俺を出汁につかうのをやめてもらえませんか?」

「なぜじゃ?、お前も金が入って嬉しいじゃろ?」

「そんなにポンポンアイデアなんか浮かばないですよ」

「なら次の町までに考えれば良いではないか?」

「そんなこと言うなら俺はここで降ります」

「な、なぜじゃ!いいことをしておるじゃろ?」

「それが嫌だから言ってるんですよ」

「わかったのじゃ」

「本当にお願いしますよ」

「うるさい!わかったと言っておろう」

“バタン”とドアを閉められてしまった。

 はぁ、ありがた迷惑極まれりだな。


 北東に進んでいく馬車の周りを五人で歩いている。スピードアップできないもんかね?

次の町までもまた五日かかる。王都まで何日かかるんだ?

「なぁ王都まで何日くらいかかるんだ?」

「まだ一ヶ月近いと思うよ」

「まじかぁ」

「何か用事でも?」

「いや、もう盗賊はコリゴリだと思ってね」

「大丈夫だろ、ロンゾ三兄弟が討伐されたんだ」

「そうそう、あーしらは後はモンスターを退治するだけさ」  


 それならいいけどな。日本とこっちで行き来している俺にしてみればひと月が長く感じるからな。なんならいっそ一月こっちで過ごすか!

「なんか考え事か?」

「いや、なんでもない」

 野営も慣れたもんだお嬢様はぐっすりお休みだけど結局誰かわからないしな。

 あれからも街に着く度に呼び出されてはなんとか捻り出したがもう限界だ。

「もう降りるぞ俺は!」

「だから何故じゃ!金はもらっておろうが!」

「もうない!アイデアはそんなに簡単にでてくるもんじゃないんだよ!」

「本当にもうないんじゃな?」

「あぁ。ないね」

「それならいい、爺や金を渡してやれ」

「お嬢様!本当によろしいのですか?紅蓮隊よりも強いお方ですよ?」

「良いと言ったであろう!」

「わかりました」

 大金貨100枚を渡された。


「シャルロッテ。チャム。クオン。ヤジリ、またどこかで会おうな!」

「ヒロト!」

「またね!」

「またあえたらいいね」

「また会おう」

「じゃーな!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る