第13話 剣



「あ、コレみんなにあげようと思って買っといたんだ」

 俺はサバイバルナイフを出して選んでもらう。

「いいの!さすが!」

「えー、どれにしようかな!」

「ちょうど接近専用に欲しかったんだ」

「ありがとうね」

 みんな決まったみたいだから、全てに雷属性がついてることを説明しておく。

「綺麗なナイフね!」

「これカッコいい」

 よかった、気に入ってくれて。

「あ、ちゃんと研いでもらってくれよ?切れるかどうかわからないから」

「わかった!じゃぁ、今から鍛冶屋に行こう!」

 俺たちは鍛冶屋に向けて出発する。

 街の鍛冶屋は結構入り組んでるところにあった。

“カーンカーン”

 といい音が響いている。

「すいませーん」

「ちょっと待っとれ」

 少し待つと背の低いドワーフの爺さんが出て来た。

「ナイフの研ぎをお願いしたくて」

「あ、俺の剣もお願いします」

「なんじゃ研ぎだけか…属性剣か、誰が付与した?」

「俺ですけど」

「なるほどな、研ぎは任せろ。後お前はこっちにこい」

 俺は呼ばれて鍛冶場に行くと剣がずらりと並んでいるが鑑定するとまちまちだ。

「この中から一番いい剣を選んでみてくれ」

「これですね」

「それは空きがあるのか?」

「あぁ、鋼鉄の剣++で空きがあるよ」

「そうか!じゃあ、研ぎ代はいいから風属性の付与をしてくれ」

「分かったけどいいの?」

「あぁ、いいぞ」

「ウイングソード++になったよ」

「よし!コレで借金が返せるな!後のやつにも空きがあったら付与してもええぞ」

「あぁ。わかったよ」

 火属性のフレイムソード、雷属性のライトニングソードを作ってあげた。

「ヒャッホイ!コレで大酒が飲めるぞい!」

「研ぎが終わってからね」

「分かっとるワイ!仕事はする」

 仕事が丁寧でなんでまちまちの剣が出来上がるんだろう?

「おっちゃん?なんでこんなまちまちの剣ができるんだ?」

「そりゃ材料のせいじゃろうな」

「あぁ、鉄と炭素の割合の問題かな?」

「なんじゃその割合っちゅーのは?」

「材料見せてくれる?」

「コレじゃが」

「んーと、これとこれとこれかな」

「ん?コレで剣を作れと?」

「多分いいのができるよ?」

「分かった!研ぎにも時間がかかるからまた明日来てくれよ」

「わかったよ」

 俺たちは鍛冶屋を後にするとついでに色々みて回る。

 服やら靴やら見て回ってヘトヘトになって宿に戻るとお嬢様から手紙が来ていた。

「ヒロトだけ領主の館に来いとのことだ」

「わかったよ。いってくる」


 俺だけと言うのは多分またあれだろうな。

「領主に呼ばれて来たヒロトだ」

「よし中へ入れ」

 中に入ると短剣を渡して中に呼ばれる。

「初めましてヒロトと言います」

「まぁ、座りたまえ」

 ソファーに座ると、

「さてなんで呼ばれたのか察しはついてるな?」

「はい、シャンプーとコンディショナーでしょうか?」

「そうだ、あれを我が街の特産にしたいのだが作り方がわからぬ」

「私もおろしてもらっているので作り方までは…」

「そうか、それでは前の街のように爪切りのようなものはないか?」

「少しトイレを貸していただいてもいいですか?」

「いいだろう、爺」

「はい!こちらでございます」

 トイレに入って扉を出すと日本に戻る。

「はぁ、こう特産品だのなんだの言われてもないっつーの!」

 俺は100均がまだ空いてる時間なので行ってみることにした。

 爪切りと爪やすりは買っといてあとは折り畳み傘が目についたのでそれを買う事にした。

家に戻るとタグを取って異世界に戻ると、トイレから出ていく。爺が待ってくれていたので部屋の中に入る。

「それで何かいいのはないか?」

「傘はありますよね?」

「あるな」

「あれの携帯できるようにしたのがこれです」

 と渡すとどうやって使うのかがわからないみたいだから使ってみせると。

「おぉ!コレはいいではないか!これをもらおう!」

 とりあえずいろんな折りたたみ傘を買って来たのでそれを渡すと。

「こんなにも色とりどりの傘があるのか!」

「それは染料を変えれば良いですよね」

「よし、これをこの領地で作るぞ!」

「それはいいですね」

 もう勘弁して欲しい。

「コレは代金だ」

 爺やが運んできてくれたのは袋。

「大金貨100枚だ、受け取ってくれ」

「喜んで」

「よし、もういいぞ」

「はい、失礼します」

 領主の館から出るととりあえずホッとした。が、これはお嬢様に言っとかないといけないな。


 そう決めて宿に帰るとシャルロッテ達が帰りを待っててくれた。

「大丈夫だったか?」

「なんとかね、でもお嬢様に言っておかないと街によるたびに俺が呼ばれることになるよ」

「それはきついだろ」

「流石に俺から言うよ、アイデアなんかそう簡単にでてこないんだからな」

 それから俺たちは飯を食って別れる。

 部屋に入ると日本に戻ると今はもうよるになっている。

 一日こっちにいるか。

 シャワーを浴びて寝てしまう。


 次の日はまた古物商を周りお宝をゲットしてちゃんとしたところに鑑定に出すと700万円になった。

 古物商最高だな!

 まぁ鑑定があるからわかるんだけどな。

 あとはまた100均に行って何が売れるかわからないけどガラス製のものを買っておいた。

 ガラスなら儲かることはわかってるからな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る