第10話 食事
紅蓮隊と護衛対象、と共に行動するようになって丸2日。さすがに干し肉に飽きてきた。だが一人だけ食べるには気が引けるのでみんなにもハンバーガーをわたすことにした。
「これはなんだ?」
「俺のお手製ご飯なんだけど」
こうやって食うんだと包み紙を開けて齧って見せる。
久しぶりのハンバーガーが美味い!
「何だこれは!美味い美味いぞ!」
「ウチこれめっちゃ好き」
「あーしも!」
「美味いな!」
「どうする?一応お嬢様にもあげるか?」
「いや、普通の食事のはずだから渡さなくても」
「ご、ごほん」
馬車の中から声がした、
「妾にもそのハンバッガとやらを渡しなさい」
「承知しました」
「一応中にいる人たちに行き渡るように四つ出して渡す」
「うまっ!」
「はしたないですよ」
「うまっ!」
「こら!」
御者にも渡す。
「俺もいいんですか?」
「一応旅仲間だからね」
「ありがとうございます」
包み紙を開いて食べる。
「うまっ!」
「それは良かった」
「あー、もう一個所望する」
「はいはい」
俺は人数分のハンバーガーを取り出して渡すとみんなうまそうに食っている。
まぁ旅の食事も質素でいいが、2日も続けば飽きるよな。
それからは毎食俺が出すようになった。
「きょうはなっにかなー」
「こらチャム」
「だってー」
「あーしももうそれしか頭にないよ」
「私も」
「そろそろ金とるぞ?」
とそのときファングベアが現れた。
「全員戦闘隊せ…」
「あ、倒したらまずかったか?」
俺は一閃で倒してしまった。
「いや、ありがとう」
「ちょっと待っててね」
俺はテキパキと解体すると、
「今日の昼はファングベアのステーキだね」
「ま、魔物の肉を食うのか?」
「食べるでしょ?みんなが宿で食ってるのも魔物の肉だろ?」
「そ、そうかも」
「あーしは知ってた」
「ウチも!ファングベアか、どんな味だろ?」
「私も腹が減ってきたな」
もう少し先に行ってから食べることにする。
肉を焼いて、かけるだけで美味しい調味料をかけて取り分ける。
「ほい、出来立てをどうぞ」
「うまっ!アチィけど」
どんどん消費して行く御者まで食っている。
中のお嬢様も食べているようでうまうま聞こえる。
血抜きをした熊肉は癖があるが万能調味料をかけるだけで野性味あふれるステーキとなっている。結局一頭丸々食べ尽くした。
うん!大成功だ。
「あーしもうくえねえっす」
「ウチも腹が」
「ちょっと食べ過ぎたわね」
「みんな気に入ってくれて良かったよ」
「解体も前の街で覚えたのか?」
「そうだよ、おっちゃんに教わってさ」
「ふむ、私にも教えてくれないか?」
「ウチも」
「あーしも」
「私も解体には興味がある」
んじゃひとまず食休みをとってから出発して魔物に出会ったらね。
「「「「おう」」」」
ここらで出てくるのはファングベア、フォレストウルフあたりだ、まあ、早々人を襲わないままのばかりだからな。
と思ったらヤジリがファングバードを射抜いたのでまず首を斬って血抜きして内臓を取って羽をむしってと。捌いて行く。
下味をつけて片栗粉をまぶして揚げていく。
今日は唐揚げにしてみた。
「うまっ!」
「あチッふわっ」
「うまうまっ!」
大好評だ。
「美味いのじゃ、褒美を取らす」
金貨10枚が渡された。中の人も満足そうだ。
良かった。でもこうみると魔物が多いのは良いことなのか?倒せればの話か。
ようやく次の街に着いてガンゾ盗賊団の討伐を告げるとまた報奨金などが出るらしく三日は待つように言われた。
宿は紅蓮隊と一緒の宿だ。
「お嬢様は何処に?」
「この街のお偉いさんのとこだよ」
「ウチらも入れてくれればいいのにさ」
「でもあーしはこっちの方が気が楽」
「それは言えてるな」
紅蓮隊も宿暮らしは楽に感じるのだろう。
まぁ、下に降りれば飯は出てくるし後は寝るだけだからなぁ。
部屋に入ると久しぶりに日本に帰って来た。
こちらでは夜中だ、シャンプーとコンディショナーの詰め替えをして、今日はこっちで寝る。あっちのベットは硬いんだよな。
朝起きてニュースを見るとやはり不景気などがやたら目につく。あちらの世界では景気など関係ないだろう。
一日こっちにいようと思いホームセンターなど色々いってみると、サバイバルSHOPが目に入って入ってみた。こちらの刀剣も鑑定してみると空きがあるのが何本かあったのでサバイバルナイフを買ってみた。かっこいいな!
一応チャムの分も買っておくというかサバイバルナイフ何で邪魔にならないだろうと四人分買っとくか。
いい買い物ができた後は100均に寄ってみる。そう言えばグラスもおろさないとな、と思いながら爪切りを買って行ったら面白いかもと買ってみるあと爪やすりを買った。つかったことはないけど、綺麗になるらしい。
またセルフレジでめんどくさかったがしょうがないな。
あとハンバーガーなどのテイクアウトの食品を買っていく焼くだけのものなんかも買ってみた。バーベキュー用の串も買って家に戻る。
シャンプーとコンディショナーの詰め替えをしながらコーヒーを飲んだり、食事をしたりして過ごす。のんびりと流れる時間がなんと贅沢かと若いのに思ってしまうのは何故だろう?やはり命の軽い世界で生きているからではないだろうか?
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