第9話 ピンチにヒーロー
一日早いが皆んなが出発するという事でお見送りだ。
「またどこかで会おう!」
「ウチのこと忘れないでね」
「あーしらのことも」
「またどこかで!」
「あぁ!またな!」
さて、また気ままな一人旅だ。
魔法屋によるが認識魔法と言うのがあったので買ってみる。何かの時に使うのだろうがなんの時だろう?
アイテムボックスに全部マジックバックのものを収納したから今は手ぶらでいいんだが、バックがないとしっくりこないからやはりマジックバックは取っておく。
明日で五日だから俺も旅の準備でもしてようかな?と思ったら門の方が騒がしいので行ってみるとチャムが怪我をしている。
「ヒール」
「ヒロト!シャルロッテ達が!」
「わかった!行こう」
俺が身体強化した方が速いからチャムをおぶって走り出す。
「あっちだ!」
「わかった!」
数時間前、紅蓮隊はまたも盗賊に襲われていた。ゴンゾの弟ガンゾ盗賊団にだ!
「兄ちゃんの仇を討たせてもらう」
「そんなことできるもんか!」
ヒロトが付与してくれた雷で動けなくなったところを倒して行くシャルロッテに風の付与がされた弓で射抜いて行くヤジリ、ガンゾも大男だがなんとかガードするチャムにクオンも槍で応戦していたが。何かを守りながらだとやはり隙ができてしまう上、ガンゾ盗賊団の方が待ち伏せしてた分余裕があった。シャルロッテはチャムにヒロトを呼んできてと頼み、大楯を捨ててチャムは走った。
それを聞いたヒロトは怒っていた!何が盗賊だ!兄弟揃って馬鹿なことをしているのか!シャルロッテ達は大丈夫なのかと、そうすると見えてくる馬車は横転していてシャルロッテ達は捕まっているところだった。
「まてぇえぇぇぇ!!!!」
「ん?」
チャムを下ろすと、
「俺がお前の兄貴をやった男だ」
「お前がやったのか!コイツも殺せ!」
「まずは「エリアヒール」」
敵を斬りながらエリアヒールでシャルロッテ達を回復させるが縄で縛られていて動きが取れないようだ。
「チャム!」
「ウチがいることを忘れるな」
素早い動きでみんなの縄を切って行く。
「ガンゾは俺が相手する!」
「すまないヒロト」
「あーしの槍を返せ!」
「私の弓もだ!」
徒手空拳で相手を圧倒する紅蓮隊。
ガンゾと二人睨み合って、
「お前が兄ちゃんを!」
「あぁ、そうだ!お前の兄貴は俺がやった!」
「ぐそぉー」
大振りなところは兄貴とそっくりだな!
躱して風の刃で首を狙うが鎧が邪魔をして首を切れずに鎧を傷つけただけだった。
「そんなので俺がやられるはずがないだろ?」
「それじゃあ、これはどうかな?」
「ファイヤーストーム」
「ぐああぁぁぁぁぁぁぁ!!」
鉄の鎧だ熱くてたまらないだろ!
「ぐおぉぉにいぢゃんの」
「サイクロン」
「ぐおおぉぉぉぉ…」
炎の竜巻に風を送り込んでやった。
「お頭ぁ!」
ガンゾは倒れた。
「後はお前らだけだな!」
「ひ、退け」
「誰が逃すかぁ!」
シャルロッテが通さない。
「あーしの前で死にな!」
もう遠くに行っている奴らはヤジリの弓で貫かれている。
「ウチが一番心配したんだからね!」
氷の短剣で攻撃している。
あちらは大丈夫そうだな。
ガンゾに目を向ける。
焼け死ぬのは嫌だな。
首を斬ってやろうと頭の方に行くと、目が合った。
「お前らのしたことを悔いて死ね」
鉄の鎧ごと首を一太刀で斬り落とす。
横倒しの馬車を起き上がらせると中から、
「いだっ!」
と声がしたがそれ以上は何もない。
全員の首をシャルロッテがマジックバックに入れて行く。
そして最後に死体を焼却すると、もう一度集まってもらいエリアヒールをかける。
「ありがとうヒロト」
「あーしも助かった」
「助けてくれてありがとう」
「ウチめっちゃ走った」
「そうね、チャムもありがとう」
「「あははは」」
「でも、追いつけて良かったよ」
「本当にありがとう、あのままだとどうなってたか」
「あーしらもまだまだだね」
「ご。ごほん」
馬車の中から声がした。
「あー、助けてくれてありがとうなのじゃ、ヒロトと言ったか、私達の護衛に加わるのじゃ」
「えっ?」
「ライデン様それでは?」
「その男を雇おう」
「あーしもその方がいいと思う」
「ウチも!」
「すまんが、賛成だ」
「悪いけど雇われてくれないか?」
「ま、まぁ、俺はいいけど」
「ならば次の街まで急ぐのじゃ」
「「「「はい」」」」
「はぁ」
どうしてこうなった?
旅は道連れといったもので紅蓮隊と一緒に同行することになった。
目標は王都までだ。
次の街までは五日かかるらしい。
久しぶりに自分のステータスを確認する。
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ヒロト 十八歳 ランクD
レベル53
スキル 剣術 解体 鑑定 身体強化 魔力循環 生活魔法 四大魔法(火、風、土、水) 回復魔法 付与魔法 氷魔法 雷魔法 アイテムボックス 認識魔法
ユニーク 異世界人
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人を殺してもレベルは上がるんだな。
魔法も充実してきたし、後はレベルをもっとあげたいな。
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