第7話 夕食
スタミナ定食はほんとにスタミナつきそうな肉肉しい感じがなんとも食欲をそそるな。
「もう大丈夫そうだな」
「あぁ、腹の虫が鳴いてるぜ」
「あーしもおなかへった!」
「あいお待ちどうさま」
「これで全部かい?」
「あぁ、ありがとう」
「いただきます」
「なんだそれ?」
「方言みたいなもんだ、きにすんな」
「変な方言」
食いながら喋るなチャム。
「うん、美味いな」
「この街だとここが一番美味い」
ヤジリが言うと、
「あーしもそう思う!」
クオンが同意する。
黙々と食べていると、
「お前は何者だ?」
「は?」
「いきなりやってきて盗賊を吹き飛ばしたと思ったらボスを一瞬で殺してしまう強さ。なのに初めてだなんて」
「前の街で商売やりながらレベル上げしてたんだよ」
「レベル?」
「あー鍛錬だな。んでいざ旅に出ようと思ったら歩くのがしんどくてな、走って行こうと身体強化全開で走ってたら盗賊に襲われてるお前らがいたわけだ」
「そうか、前の街で商いというと」
「シャンプーとコンディショナーだがいるか?」
「「「「いる!!」」」」
「お、おう、後でやるよ」
「そうかあのシャンプーとコンディショナーはお前が売っていたのか」
「まぁ、卸してたってのが正解かな?ここでも少し卸していかないといけないしな」
「あーしは高すぎると思いまーす」
「あはは、あれは商業ギルドが決めたんだよ」
「ぶー」
「一度使うと辞められなくなるらしいな」
「まぁ、一般のシャンプーに比べればって話だよ?」
「チャムの癖っ毛も直るかな?」
「さぁ?それはどうだろうな?でも癖っ毛が可愛いと思うぜ」
「惚れられてしまったか」
「それはないけどな」
「「あははは」」
さて食い終わったからほれ、シャンプーとコンディショナーを一本ずつプレゼントだ。
「「「「きゃー」」」」
「「「ありがとう」」」
「ありがと」
チャムはボディータッチが激し目だな。今も抱きついている。
「そんじゃな」
「あぁ、おやすみ」
「「「「おやすみ」」」」
さて俺はあっちに戻ってシャンプーとコンディショナーの詰め替え作業だな。
スマホには何件かメールが来て友人からと元会社からと、税理士から、
「税理士は任せっぱなしでいいだろ。友達はパスだなコイツやなやつだったし。元会社はあぁ、社章なんかを返せとのことだな」
会社には社章なんかは郵送して、シャンプーとコンディショナーを詰め替えて、あとはハンバーガーなんかを大量に買ってマジックバックに入れておく。俺のは時間経過のないタイプだからだ。安いのは時間経過があるそうだ。
飯を食いながらニュースを見てるとどこも不景気だなぁと思いながら、me Tubeに変えて見る。こっちもこっちで大変そうだな?
まぁ俺も俺で大変なんだがな。そうだチャムに鏡でもあげるか。100均に行ってコンパクトミラーを大量に買うと後コームを買っていこう。大量に買うからセルフレジで大変だったが。
眠くなってきた頃にあっちに行って寝る。
そして朝起きて下に飯を食いに行くと朝からハイテンションなチャムがいた!
「ヒロト!シャンプーとコンディショナーヤバい」
「あーしの髪綺麗でしょ?」
「あー、四人とも美しいですよ。これ土産にどうぞどれでもいいぞ?」
「なにこれなにこれ?」
「鏡じゃん!しかも小さい!」
「これ櫛?あっ!これいい!」
女将さんもおひとつどうぞと言って朝飯を頼む。
「ヒロトありがとう」
一番先にいってくるのはシャルロッテ。
「ありがと」
チャムはやっぱり抱きついてくるな。
「ありがとー」
「ありがと」
クオンもヤジリも多少砕けたな。
それも売りに出すからなぁ、女将なんかもうコンパクトミラーを使いこなしてるよ。
「ヒロトは今日は何するの?」
「うーん、どうせ商業ギルドに行くから、それから決めようかな」
「私達は警護の仕事があるからまた夜だな」
「あぁ、頑張ってな!」
「おう!」
チャムが腕を上げる。
商業ギルドに着くと商談室に連れてかれてシャンプーとコンディショナーを卸す。もう少し多くと言われるが今の限界がそれだけなんですといい、代わりにこれなんかどうでしょうとコンパクトミラーとコームを出すとそれだけで目の色が変わる。
「こ、こんな綺麗な鏡見たことないですよ!」
「櫛もこんな形初めてだしこれはどうやって作ったものですか?」
「企業秘密で」
「買取させていただいてよろしいですか?」
「はい」
コンパクトミラーが大金貨1枚コームが大金貨1枚と金貨50枚になった。
コンパクトミラーの方が高くなると思ったが材質の分からないコームの方が高くなるとはな。まぁ、シンプルなのを選んだからな。
それでも十分貰いすぎてるような気がしてるがな。
冒険者ギルドはまた明日にして街ブラをすると人だかりができているがどうかしたのかと思い行ってみると昨日のことが書かれた掲示板のようなものだった。討伐に関わったのは紅蓮隊と旅人との事。
あいつら紅蓮隊っていうチームなのかよ。
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