第4話 異世界商売


 俺はあの扉を動かせないかと思っていた。

 あそこからの出入りは不便がないがここから動けないからな。

 扉を閉めた状態でドアをマジックバックに入れると入った。

 早速取り出して別のところにつけて中に入るとやはりクローゼットの中だった。

「よし!」

 これで異世界でも旅ができるな!

現代のものを鑑定してみると面白いことがわかった。別に金貨を売却しなくてもいいかもしれない。

 おれは古物商に行って鑑定をして行くとやっぱりあったお宝鑑定!掛け軸が百万のところ四千円で売られていたのでそれを買う後は良いものがなかった。

 これを別の有名な鑑定士のいるところに持っていけばそれなりの値段がつくはずだと思い、スマホで調べると有名なところが出てきたのでそこに持って行く。因みに車は軽自動車だ。

 なんちゃらの書というもので値段は跳ね上がって二百万になった。

 現金でもらい領収書も取っておく。

 今度本当に税理士に相談にいかないとな。

それから三日は仕事をこなしてマッチが届いたのでそれを持って異世界にいく。

“コンコン”

「あ、ヒロトさん、どうしました?」

「これを売るのを手伝ってくれないか?」

「あ、はい喜んで!」

 来たのはメルティの所でマッチの使い方を説明する。

 魔道具屋で見た火をつける道具は魔石というものが必要だし、使用回数も限られていた。

 そこでマッチならここの方で売れるだろうと説明すると二人とも目が点になっていた。

「どうだろうかこれは?」

「いくらで売り出すのですか?」

「まずは銀貨一枚くらいかな?」

「いえ、銀貨3枚にしましょう!」

 メルティのお母さんも乗り気だ!

「そこら辺は決めて良いよ、で半分が俺の取り分ね!」

「後の半分は?」

「二人にあげるよ、バイト代みたいなもんだろ?」

「そんなに貰えませんよ」

「そこから俺が貸したお金を返してくれればいいから」

「わ、わかりました!」

「ありがとうございます」

「良いから良いから、後は頼んだよ?」

 

 それからのメルティとお母さんは早かった。商業ギルドに登録に行き屋台を構えるとすぐに売れ出した。まぁ、売れると思ったから追加で買っといたんだけどね。

100個あったマッチはとっくに無くなってしまったので追加をすぐに持っていく。

「すごいです!売れると思いましたけどこれほどとは」

「いつも火をつけるのが大変でしたから」

「そうなんだね」

 俺は即帰ってマッチを1000個頼むのであった。

 そして二日後また行けば長蛇の列。

 追加分を出しておいてなんとかなったようだ。

「今日の分は完売だよー!」

「まじか、追加でもう二、三個欲しかったんだけどな」

「また売るからよろしくね」

「今日の売り上げは金貨36枚です」

「じゃあ18枚俺がもらって後は自由にしていいよ」

「いえ、金貨一枚まず返します。後は大金貨5枚ですから金貨500枚ですからね!」

「無理せずにね」

「「はい」」

 それからマッチを大量購入してメルティの家に行く在庫はいくらあってもいいらしいが火事になると危ないからとは言っておいた。

 マッチ売りのメルティは17000個売ろうというのだろうか?

 それは酷だなと思い他にも石鹸を買ってきた。街の石鹸は動植物性の石鹸だから植物性の匂いのいい石鹸は売れないかと思って私たら売れると目がお金になっていた。これも半々でいいと言うと涙ながらにお礼を言ってくれた。


 植物性の石鹸は好評でおっちゃんなんかも買いに来ていた。

 結構高いのに買うんだなぁ。

 石鹸は銀貨15枚。100個用意したので全部売れれば金貨15枚だ。まぁまだ用意してるけどね。マッチと石けんで荒稼ぎしているのでくるのはあの男達だったが俺がいるのを目にするとすごすごと帰っていく。

 まぁあとは店を出すなりすれば軌道に乗るだろう。


 と言う話をしたら卸してくれるんですかと聞くからいいよと言うと泣いていた。こんなに人に親切にされたの初めてだと。

 まだまだ稼いでもらわないとね!

 と言うと「はい!」と元気よく言うメルティ達だった。


 メルティ達はこれを元手に雑貨屋を始めた。売れそうなものを俺が卸している。順調に軌道に乗ってきたが商業ギルドが立ち入りで検査し始めた?なんで?どこから卸してもらってるのかって?俺ですがなにか?

「一緒に来てもらおうか?」

「何故だ?」

「不思議な魔道具を売り付けてるらしいじゃないか?」

「まぁ、こっちでは普通なんだけどどこにいくの?ここじゃダメなの?」

「くっ、ここでもいいだろう。こちらにも卸してもらえないだろうか?」

「それは無理だね数に限りがある」

「それじゃ他には何かないのか?」

「高いのでいいならあるよ」

「それでいい」

「じゃあ、ちょっと準備して行くからギルドで待っててください」

 メルティ達が不安そうにしているから大丈夫と言って部屋に戻るとこんな時のために買ってあったビンにシャンプーとコンディショナーを入れて持って行く。


 ギルドに着くと商談室に連れて行かれる。

「これが高いものですね」

「これは?ビンもそうだが中身は?」

「シャンプーとコンディショナーというもので髪を洗うものですね」

「髪を洗う?」

「お風呂はありますか?」

「シャワーならあるが」

「じゃあ濡らした髪にこれをつけて洗ってください。そしてそのあと、これをつけて馴染ませてから軽くすすいでください」

「わかった」

「これはご婦人や貴族の人に気に入られると思いますよ」

「じゃあ、私が使ってくるわ」


 30分程だろうか待っているとニコニコのギルド員が髪を撫でながら歩いてくる。サラッサラで艶が出ている。

「これは売れるわね!」

「凄いな!その二つのやつだけでそんなにも髪が変わるのか?」

「俺も試してくる」

「それでこれはいくらで下ろしてくれますでしょうか?」

「逆に聞きたいですねいくらでお売りになるつもりですか?」

「一つ大金貨一枚」

「では8割」

「いや6割」

「それは取りすぎですよ7.5割」

「いいでしょう取引成立です」

「どれくらい用意できますか?」

「じゃあとりあえず100本づつでいいですか?」

「わかりました」

 俺は家に帰るとシャンプーとコンディショナーを大量に購入してビンも100本用意して、詰め替え作業を行っているが、一人でやると疲れるなぁ。まぁ、100本もあれば良いだろう。

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