第30話 業界では、マイケルは問題児

 その日、ソンジェとルーカスは久しぶりに会った。

「やあ、ソンジェ。元気そうだな。

 ところで、頼んでいたことは、どうなっただろう?」

と、ルーカスはソンジェの顔を見るなり聞いてきた。

 ルーカスはかなり期待していた。

 しかしソンジェから出てきた答えは、期待を裏切るものだった。


「もっと簡単に行くと思っていたのだが、けっこう難しそうだ」

と、ソンジェは正直に打ち明けた。

「マイケルが辞めた芸能事務所が手を回していたようで、マイケルは何か大きな問題を起こして、事務所を解雇された問題児ということになっている」


「自殺未遂はしたが、マイケルは何も悪いことはしていない。

 むしろ彼は被害者だ」

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