「ソンジェ、俺はあの可哀想な患者を捨てておけなくてな･･･。

　あんなに素敵な、心にしみる歌を歌えるのに、このまま葬り去るのは、あまりに可哀想だ。なんとか彼がまた歌えるようにしたいと思っている。

　何か良い知恵はないだろうか？

　俺の家系には、音楽業界の人間はまるでいないんだ。

　みんな医学関係ばかりでな。

　ソンジェ、お前の母親は元女優だ。芸能界の知り合いも多いはずだ。

　だから、音楽業界で誰か力を貸してくれそうな人を探してくれないか？

　なんなら、音楽事務所を立ち上げてもいい。資金面の援助なら、俺も多少は出来る」

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