第6話  幻の声を求めて

 それは組織の戦略の一環でもあったのだが、ウソンはPOPスター、マイケル・ハートとして、コンサートをしながら世界中を旅して回った。

 そして現地の人々との交流を持った。

 ウソンは時間がある限り、その土地の名所や古い史跡を訪ねるのが常だった。


 あの黄泉の入り口で彼を止めた美しい幻は何だったのか?


 ヨハンの声と折り重なるように、

『行ってはダメ』、

と、その幻はささやいた。


 その声にウソンは後ろを振り向き、その瞬間、まぶしい光の輪がウソンを包み、気がつくとこの世界へ戻ってきていたのだった。

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