第4話 アイドル・グループ「アクエリアス」のリーダー、ブライアンの異常なスキンシップに
アイドル・グループ「アクエリアス」のメンバーだったころ、マイケルを悩ませたものは色々あったが、リーダーのバックハグもそうだった。
マイケル(ウソン)は後ろから抱きつかれることが苦手だった。
苦手と言うよりも、むしろ苦痛だった。
マイケルが所属していたボーイズグループのリーダーは外国人で、やたら後ろから抱きついてくる青年だった。
ハグは日常茶飯事。リーダーにとって、メンバーとのスキンシップは、ことばの壁を乗り越える彼なりの方法だったようなのだが、マイケルにとっては、それは苦痛でしかなかった。
他のメンバーもリーダーを見習うかのように、バックハグを普通にするようになって、マイケルを悩ませた。
マイケルが育った国の少年たちは、お家芸とも言える武術テコンドーを習いに、子どものころ道場へ通わされることが多い。
マイケルも道場へ通い、黒帯一歩手前まで修業したのだが、その時のクセでふいに後ろから抱きつかれた場合、反射的に相手を投げ飛ばしそうになるのだった。
ヨハンや他のメンバーは体も小さく、後ろから抱きつかれても子猫がじゃれている感じで、あまり気にならなかったのだが、同じ年齢でがっしりした体格のリーダーの場合はそうは行かなかった。
リーダーは愛を告白しているかのように、ことあるごとに体を触りスキンシップをしてきた。そういう習慣の無い国で育ったマイケルは、それが外国流の挨拶で、マナーのようなものだから受け入れろと言われても、そう簡単に受け入れられるものではなかった。
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