第17話 対宇宙生物戦1

 今から一ヶ月程前のこと、夏に向かい日差しが強くなって来る頃、一筋の光が豪魔の森奥に落ちていくのを魔獣や魔物たちが不思議そうに見ていた。ひときわ強く光ると衝撃波が森を強く揺らした。

 もちろん人族も、進化したゴブリンたちもこの事象を観測しており、2つの月にトラップされなかった小惑星ではないかと推測していた。

 人族もゴブリンたちもドラゴンなどが住まう森奥に赴くのは危険であった。

 プリンスの持つ魔力撹乱スキルを用いれば、高位魔物にも抗する事ができ、現地での観測ができるのではと考えられた。

 キングの能力も同等であるが一国(自分たちが国と言っているだけであるが)の王としては片道約千キロの危険地帯への旅は、到底許されるものではなかった。

 プリンスは対放射線放射能装備を用意して、50名あまりの軍人と10名の研究者を組織して、3ヶ月程の旅に赴いた。現地に拠点を作って一部の人員が数ヶ月駐留するために、マジックバッグ持ちのコマンダーを用兵した。

 1か月弱の強行軍で、現地に着いてみると草木が爆心地から不規則に伸びており微量の放射線が認められた。プリンスは前世の本からの知識で、宇宙船が制御不能に陥り、噴射炎があちこちに吹き付けた後ではないかと考えた。

 爆心地にはクレーターができていたが、さほど深いものではなく、温度が数百度程度でもし生物がいたなら、死滅しているとの安心材料にはならなかった。

「プリ様、あんまり遠くに離れるんじゃねえぞ。あんた自身には戦闘能力は大してねぇからな。相手はおそらく魔力を使わないタイプの生物だろう。まあ、いればの話だが」

「うん、ゲイル、無事に帰ったら『Gカップアイドルゴブ美ちゃんのグラビア』を一緒にみようね」

「全くフラグ立ててんじゃねーよ」

「アニキたちバカな話をしてるんじゃないよ。てかプリちゃんは巨乳が好きだったの?私美乳だけどどう?」 

「巨乳ハ、ニガテデス」

「ガハハ、こないだ偽チチの見分け方の載った雑誌みてたよな」

「アイドル活動をしてるってことはJCやJK

が好きなの?」

「全く興味ありません。その事は懇意にしているブルセラショップの店員にきいてもらえばわかります」

…………。

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