第16話 ゲイルとケイトとプリンス

 ゲイルとケイトはプリンスのいとこに当たるが、プリンスよりも6年早く生まれた双子である。

 成長速度は早く10歳にもかかわらず、ゲイルは身長175センチ、ケイトは160センチあった。ケイトはアニーに似て美乳で、Dカップあった。

 騎乗するのはフェンリルで、息のあった騎馬戦で大型の魔物を何体も屠った。フェンリルの雷撃を槍にまとい数百メートル飛ばす雷撃槍射は飛行する魔物も苦にせず、全体攻撃もできた。

 何より俺とは仲良く、腐れ縁で、討伐や軍の運用などで長い時間を過ごしている。

 いろいろな俺の思いつきを批評してくれる辛口批評家でもある。

 今日も今日とて、討伐駐留中の拠点ではあったが新作のおもちゃもとい試作品を見せる予定が、さすがに先日の討伐の反省と言うことになった。

 ジェネラルなど居たら緊張して意見が出せないと言うので、ここには3人と書記のエン子ちゃん(ゴブリンメイジ)が、三々五々集まっている。

「先日のなんだ宇宙生物の討伐だが、もっと早く対腐食性能のミスリルベータの投入はできなかったのか?数人死にかけたんだぞ」とゲイルがテーブルを叩いた。

「まあまあアニキ、誰も死ななかったんだし、魔装強化のレベルを上げるって軍議でも言ってたっしょ」

「お前はプリ様に甘いが、大体ミスリルβをコマンダーのマジックバッグに配備してたってことは、腐食系のモンスターが侵攻してくるのをプリ様は知ってたんじゃないのか」

「知ってたと言うか前世の映画でみたというか。この後、見えにくいというか光学迷彩を使って、めちゃくちゃ切れ味のいい武器や、光る雷撃のような飛び道具を使う敵が来そうだけど、赤外線探知や光線反射系防具を必要数作ったから」

 「やっぱり知ってたんじゃねえか。誰か死んでたらどうするつもりだったんだ!」

 「そりゃーもうほとんどヴァルハラだよね~」

「はー、なんだよそれ?」

「北欧の戦士が死んだら行くところだよ。多分戦乙女が待っているところだよ」

「もう怒る気もなくなったよ」

「ところで、戦場でも日常でも報告連絡相談しやすいデバイスを試作してみたんだ。この白い鶏(この世界にはニワトリはいない)みたいなやつで、名前はハクショクレグフォン略してハレホって言うんだ」

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