4. さかなについて思うところ
どうしてさかななんですか、とたまに聞かれる。
サークル名にもペンネームにも、さかな、が入っているのは何故か。
理由は簡単なのだけど、口頭だと正しく説明するのが難しい。文章で良かった。
単純に、さかなが好きで、語呂も良いからだ。
生き物としての魚も好きだが、特に魚オタクという訳でもない。
「さかな」という言葉、イメージに強く惹かれる。
水中という、人間の近くにありながら全く異なる世界に暮らす魚たち。身体をくねらせて自在に泳ぎまわる。彼らは彼らだけの世界で何を思っているのか。
そういう自由で、正解が絶対にわからない別世界感が好きなのかもしれない。
あとは、さかな、という言葉の響きも好きだ。さかな。さかな。うむ、かわいらしいのにちょっと神秘的な響き。さかな。いいねえ、さかな。
それにひらがなの感じも良い。さ、か、な。全部何となく、丸っこい。その丸っこさがかわいらしい。まるで何か大いなる存在によって意図的にそう構成されたかのようにさえ思えてしまう。さ、か、な。いいねえ。
それで、さかなをペンネームやサークル名にしようと思った。
昔、高校の文芸部に「そらとぶくらげ」というペンネームの先輩がいて、私はものすごくこの語感が好きだったので、さかなに変えて「そらとぶさかな」を名乗ることにした。
サークル名の「月刊さかな」は、大学の頃に文学サークルに所属していて、そこで毎月短編を書いて部員に読んでもらうという個人活動をしており、その冊子を「月刊さかな」と名付けていた名残りである。
ちゃんと空を飛べているかはわからないが、このペンネームが気に入っている。
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