2. もうかる話、ありませんか?
まあ赤字です。
イベントで黒字が出た事は多分無い。多分というのは、ちゃんと記録を取っていないからだ。私が面倒くさがりだという理由もあるが、どうせ記録を取ったところで……という気持ちも強い。
費用の希望としては、プラマイゼロ。もちろん実現した事は無い。
さて、イベントに参加するにあたっての費用と利益について、覚えている限りで書いてみる。イベントにも色々あるが直接参加して本を売るタイプ(文学フリマなど)で考える事にする。なお他には委託参加がある。
かかるお金。まず第一に、本を作る為にかかるお金。
印刷所に頼むオフセットなら印刷代。モノクロ本だと二〇冊作って一冊一五〇円くらいかかる。表紙をPP加工すると多少増えて二〇〇円くらいになったような気がする。フルカラーだと一冊二五〇円~三五〇円くらい。
印刷所によって値段もサービスも異なってくるので、いかに自分の作りたい本に合う印刷所を見つけられるかで、原価と本の出来は変わってくる。
紙や加工にこだわった製本だと、もっと高くなるのだろうが、私はそこまで製本にはこだわっていないので経験が無い。せいぜい表紙PP加工をつけるくらいだ。
コピー本を作るなら、紙とプリンタインク代(プリンタ本体代は今回除く)。
昔、私は「コピー本の方が安くできる」と考えて、張り切って自分で印刷・製本を行っていた。しかし家庭用プリンタのインクは高いので、白黒でも結局数千円かかってしまう。しかも不器用な私が製本するから不細工な本が出来上がる。コンビニのコピー機でも同様だ。(百均のインクもあるが、私は使った事が無い)。
イベントに慣れてきた頃やっと、印刷所を利用した方が、同じコストでも格段に綺麗な本が出来るじゃないか! と気づいた。それからはずっと印刷所を利用している。
自分で製本するのが好きだったり、作品の価値を高める個性的で美しい製本の技術があるなら、コピー本を追求して良いと思う。不器用な上にセンスも無い私には、そう出来る人がうらやましい。
かかるお金その二。イベントの参加費と交通費で六千円くらい。
私は京都に住んでいるので、近畿圏の文学フリマ参加ならこの程度だが、東京など遠方になると交通費は当然とんでもない事になる。
一度だけ文学フリマ東京にはるばる参加しにいき、すばらしく売れなくてもう行かんと決めた。遠征するなら、他に主目的(観光とか友人と会うとか)を持っておき、即売会はサブ目的くらいに設定しないと、すごい虚無感を背負って帰還するはめになると学んだ。
かかるお金その三。その他もろもろ。
ブースレイアウト用の飾りや展示台や敷き布。当日の飲食代。差し入れのお菓子代。打ち上げ参加代。等々、結構こまごまとかかる。
「お昼ご飯代は安く済ませてやる。コンビニのおにぎりで良いもん」と心に決めて望むのだが、いつもニタカリー(※文学フリマ大阪にやってくるカレー販売車)の美味しそうな誘惑に完敗する。あれずるいよ。
フロレスタのドーナツ(※これも移動販売車でやってくる)は気づいたら売り切れてるのでお財布に優しい。
ブースのレイアウト代も、印刷代に続き、こだわり始めると際限無くかかるお金パート二だ。私はナチュラルキッチンやセリア等の百均、あと東急ハンズで小物をそろえた。テーブルの布は通販で買った。最近は百均でおしゃれな小物が充実してて便利だ。頒布する冊子の見本誌を作る際は、透明なビニールカバーをかけるのでそれも買う。通販と店舗販売の価格を見比べて、少しでも安い方で入手するなど、涙ぐましい努力を重ねている。
さて、出費の話が思ったより長くなってしまった。頒布数など利益の詳しい話は『もうかる話パート2』の方で書く。
先に言っておくが、もちろん結構な赤字である。
――※以下、Web公開にあたり追記※―――
新型コロナ流行前は一部の同人誌即売会内で食品販売のコーナーがあり、イベント名物の一つでした。文学フリマではカレーやドーナツ、コーヒーなどがありました。しかし、コロナ時に感染対策として食品の販売が行われなくなりました。なかなか難しいと思いますが、名物にもなって楽しいので、また飲食のコーナーが復活するといいなあ。
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