高次元優生選別式ハイエンド型頭脳戦
ちびまるフォイ
誰もが納得する頭脳心理戦の勝敗
ここはIQ200以上が集う天才たちの教育学校。
頭が良すぎる彼らは学校教育などもはやお遊び。
では彼らは学校で何を学ぶのか。
それはいかに相手をあざむき、裏をかき、上回る心理戦だ。
生徒同士は自身のスマホに様々なアプリを入れ、
日々お互いのハイスペックな頭を使った頭脳戦を繰り広げていた。
そしてーー。
「見て! 生徒会長と裏番長が戦っているわ!」
「どっちが勝つの!?」
「生徒会長はこの学校で一番強い人がなるはずだし……」
「でも裏番長は、今まで一度も負けたことがないのよね?」
「いったいどっちが強いの……!」
生徒会長と裏番長のタイマンバトル。
生徒たちはふたりの最終決戦を見届けようと集まった。
「裏番長、君のようなイレギュラーな存在はうちの学校に必要ない」
「アあ? だったらどうするっていうんだ?」
「ブレイン・バトルで勝負をつけよう。
正々堂々と君を倒し、この学校で大きな顔はさせない!」
「おもしれぇ。てめぇの礼儀正しい戦術は前からぶっ潰したかったんだ」
「バトルフィールド、オープン!!」
ふたりの最終決戦がついにはじまった!
ブレインバトルとは高次頭脳的心理戦をスマホで実現した、
この学校で行われる唯一かつ絶対的なゲーム。
筆者の頭があんまりよろしくないためルールを説明できないのが心苦しいところである。
「生徒会長さんよォ、俺の戦術ってのは当然学んで来たんだよな?」
「もちろん。君の戦術はなんパターンも分析済みだ。
足元を見てみるが良い」
「こ、これは!? マナが!? アンクルジップオンラインされてる!?」
「そう。君の戦術は先手必勝。だから前もってマナを抑えた。
これで君の持ち味はいかせない。敗北を受け入れるしかない」
「ククク。この程度で?」
「なに?」
裏番長はスマホからアビリティをドライブさせた!!
「パーソナルアビリティを知らないのか!? "漆黒の白昼夢"をよォ!」
「なっ、なんだそのアビリティは!?」
「これはオレのマナがペンドされたときに発動するアビリティ。
逆にてめぇのコストを大きく跳ね上げるぜ!!」
「くっ……! そんなトラップが!?」
「そう。もし、お前がオレのマナに手を付けたんならヤブヘビってこった」
「……ふ、だが他にも方法はある」
「なんだと?」
生徒会長はスマホからエンチャントを見せつけた。
「それも最初から想定済みだとしたら?」
「強がりを言うんじゃねぇ!」
「私はこんなこともあろうかとフラクタル・エーテルをエンチャントしていたのさ。
これを使えばいくらコストを動かそうとも、私のコールドにはならない」
「さすがじゃねぇか生徒会長……。
正直、あんたを見くびってたよ」
「お褒めの言葉をどうも。そして君はこの勝負に負けて退学してもらう」
「……だが、あと一歩及ばなかったな」
「な、なに!?」
今度は裏番長が自身のパラメータに含まれていたアセンブルを見せた。
「どうしてオレが年中学ランとボンタンを着て、下駄はいてるのか疑いもしなかったんだ?」
「それはファッションじゃ……」
「ちげぇよ。すべてはスキル【エンペラー&スレイヴ】の
発動条件を満たすためだったのさ!」
「そんなスキルが……!」
「もし、このスキルが発動すれば勝敗が逆転する。
どんなにお前が策を練ったところで大逆転は起きるってことだ」
「……だが、そのスキルにも突破する方法はある」
「なに?」
「私のオルタ・スキル【干渉=完成】を使うさ」
「はっ? そんな雑魚スキルを使ったところでオレにゃ効かねぇよ」
「誰が君に使うといったかな?」
「……ま、まさか!」
「そう。君が【エンペラー&スレイヴ】を使ったとしたら
私は自分に事前に仕込んでいた【干渉=完成】を発動し、
勝敗は無条件下へと帰着する」
「ちっ……こしゃくなマネを……! そうなるとーー」
「そう。君も気づいたようだね」
「この勝負……」
「「 先行を取ったものが勝利する!! 」」
二人の用意周到かつアドリブを交えた高次元頭脳戦は
勝負が始まる前に勝負の終わりまで見通してしまうほどであった!
この勝敗はいったいどちらに傾くのか。
正義の生徒会長。
ダークヒーローの裏番長。
拮抗した二人の高度な頭脳心理戦のゆくえを誰もが固唾をのんで見守る!!
勝敗はどちらが先手を取るかどうかにかけられていた!!
「それじゃ先行後攻を決めるぜ」
「ああ。これですべてが決まる……!」
ふたりは公平かつ完璧な方法で、この頭脳戦の勝負を決めた。
「じゃんけん、ぽん!!」
高次元優生選別式ハイエンド型頭脳戦 ちびまるフォイ @firestorage
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます