4話:スキル
「これ、マジかな?」
俺はキッチンでパイプ椅子に座りながらタブレットを使ってステータスカードを斜めに立て、そこに書いてあるステータスを見て⋯⋯俺は未だに信じられない物を見る目でそこに書かれてあるスキル名を見ていた。
「でも、受付の方はなんにも気付いていなかったよな?」
そう、あれはステータスカードを受け取った際、俺は身バレ承知でスキルやその他にも自分が必要だなと思うことを実際の自分のカードを元に聞いていた。
「あの、すみません」
「どうされました?」
「俺のステータスカードに書かれてあるスキルってこれだけですか?」
そう言って俺は受付の方にカードを渡して確認してもらう。
「ええ、職業はランサー。スキルは《極真空手》,《障壁》の2つですね」
「そう⋯⋯ですか。ありがとうございます」
受付の方は心配そうにこちらを見つめ、ステータスカードを返してくれる。
「スキルは10段階でしたっけ?」
「仰る通りです。講習で習ったとは思いますが、職業はその人に最も適正があるものに当てられると向こうの世界の方々が言っていました。スキルは皆様が元々得意としていた物や後からでも覚えられたりもします」
「講習通りで安心しました、ありがとうございます」
「お気をつけてくださいね!」
それから現在、自分の家。
「⋯⋯⋯⋯」
俺の目にはやはり⋯⋯違う文字が書かれてあった。
これが俺のステータスカードだ。
────
黄河煌星(22)
レベル0
職業:ランサー
スキル
《極真空手Lv7》
《障壁Lv1》
――*********************。
黄金Lv0
────
⋯⋯?
何だこれ? 黄金? なんじゃそりゃ。
ま、まぁ、極真空手とか、障壁? はなんとなく文字で伝わる。だが⋯⋯
「意味が全くわからない。何だこの記号みたいなやつは」
なんて書かれてあるんだ? それにこの黄金の字面がムズすぎるって。
黄金? それに、レベル0? そんなスキルあんのか?
「さっぱりだ。受付の方も全く見えてなかったみたいだしなー」
まぁ、でもソシャゲでもレベル0とかあったりするから微妙だ。
まぁとにかく意味が分からなすぎてスマホでググってみるか。
その後数十分の末、見つかったのは『ユニークスキル』なる物があるということがわかった。
とはいえユニークスキルを持つ人の話によると、あんな記号はないって言ってる。
ユニークの場合は星型が先頭にあってその後にスキル名が書かれてあるのが何人か所有している人物たちからの情報だ。
「こりゃネットで見つけるのは無理そうだな」
一応念の為掲示板があるみたいだし、尋ねてみるか。
ーーー初心者専用スレ900
新,6
《001初心者》
ここで質問すればみんな答えてくれるか?
《002初心者》
おう、俺はもう3年も冒険者をやってる中堅の一人だ。
何か聞きたいことでもあるのか?
《001初心者》
あぁ、実は今日冒険者登録をしてステータスカードを発行してもらったんだが
《002初心者》
おめでとう、それで?
《001初心者》
いや、職業があってその下にスキルがあるだろ?更にその下になんか記号があるんだが⋯⋯ベテランのみんなは知ってたりするか?
《002初心者》
ん?下だと?そんなのあるわけ無いだろ?ユニーク持ちは
★←の次に書いてあるくらいで、他にはないぞ?
《001初心者》
やっぱりそうっすか。
《002初心者》
その感じだと違うっぽいな、どんな記号が書かれてあるんだ?
《001初心者》
なんか****←こんな感じなのがいっぱい付いているんだ。心当たりないか?
《002初心者》
なんだそれ?バグかなんかじゃないのか?でも異世界製のカードにバグだなんて一度もなかったはずだがな。
悪いが力になれそうにないな。すまない
《001初心者》
いえいえ!こちらこそ親身になって聞いていただいて有り難いです。ちなみになんですが、初心者にオススメなダンジョンってあったりしますか?
《002初心者》
おっ、いいねぇ〜! そんな質問なら答えれるぞ!
というより、複数あるから説明していく。
まずは明日でもいいからもう一回ギルドに行って初心者看板のある受付にいく。んでそこで「初心者ダンジョンに行きたい」って言えば、ギルド内にあるゲートと呼ばれる異世界の扉へ連れて行ってくれるからそこで初めはやるといい。
ちなみにギルドは異世界の奴らに頼んで初心者の為にゲートを用意してくれたらしい。全国各地にいるルーキーの集まり場所みたいなもんだ。
そこである程度レベルを上げたら今度は⋯⋯って、001は東京にいるか?
《001初心者》
東京の⋯⋯いや、八王子方面だ
《002初心者》
そうか、ならそっちの多摩動物公園ダンジョンなんかは割と初心者に優しいダンジョンだ。
大体そこを攻略出来るようになれば、後は近くにあるところをやっていけば自ずと行ける範囲が広がっていくから頑張れよ!
《001初心者》
ありがとう!いつか会ったらお礼するよ!
《002初心者》
名前も共有していないのにどうやって分かるんだ笑
《001初心者》
あっ、そっかw悪い。なんかあればまたここで話そう!俺はジュリウスってゲームで名乗ってるから、何かあればその名前を呼んでくれればいい
《002初心者》
そうか、ジュリウスな。
もしあれだったらまたこの続きのところにでも貼ってくれ。相談に乗るぞ
《001初心者》
ありがとうございます!
「ネットはかなり治安悪いと思ってたけど、そんなことなかったな」
スマホを眺め終わり、視線は壁に掛けてある時計に目が行く。
「もう20時半かよ」
ったく、まさか冒険者登録からの予想外の展開でここまで時間を取られるとは。
「こうなったら早くINしてさっさとデイリーとギルドクエストの消化しないと」
そのまま、24時を回ってもソシャゲとオンラインゲームに命を捧げた俺は気付いたら寝落ちし、次の日を迎えた。
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