テスト終わりは?そう、カラオケ!!
「終わったー!」
「うーん、疲れた、お疲れ」
「お疲れ様ですわ!」
「お疲れ様、皆どうだった?」
テスト最終日、3限終わりようやくすべての科目のテストが終わった。
長かった……毎日のように俺の家に集まり勉強会をすること1週間と数日、ゲームを封印して勉強に明け暮れる日々とは今日でおさらばだ。え?勉強好きとか言ってなかったかって?いくら勉強が好きな方とは言え嫌なもんは嫌なんだよ。自由がある方がいいだろ?ま、何にせよあとは土日明けの結果発表を待つだけだ。
「流石にいつもよりできたかな」
「まぁ、八重さんと高宮さんが居ればね」
「お前はいつもめんどくさがって教えてくれないけどな?」
「あはは」
「こいつめ」
「わたくしも自信ありますわ!久しぶりに全力を出せましたわ!意外とテストのレベル高いんですのね。あ、けなしているつもりはありませんのよ?ただ、私の元居た高校と比べても遜色ないものだったので」
「ん、わかってる。この学校、変わってるけど、真面目な人、多い」
「変わっているけどね」
「おーっほっほ、いいことじゃありませんの!わたくしも変わってるから馴染みやすかったですわ」
「類は友を呼ぶってやつかな」
「セントレアはこの学校の中でもだいぶ変わってるからな」
ん?そうでもないのか?うちのクラスで見ると三馬鹿は、まぁ”変差値”高いちゃ高いけど、普通だろ?アイドル研究部の早口さんも”変差値”普通だな?禿田、じゃなくて生田はチンピラなだけで”変差値”普通だろ?貝田さんは八重さん絡むとおかしくなるけどそれ以外はアニメとかも見るただのJK、要するに”変差値”普通だ。なのにどうしてセントレアも普通じゃね?って感覚になるのか。
「あれか、セントレアの場合は実家があれなだけで本人は”変差値”低いのか」
「いや、彩雫の基準が壊れてるだけだと思うけどね」
そうか?まぁ基準なんてものは自分じゃわからないもんだな。
「彩雫くーん!」
「お、八重さんと高宮さん。クラスはもういいの?」
「うん!それよりもこの後打ち上げしない?」
「お、いいね。皆行けるの?」
テストの日のいい所は早く終わるところ。ここで早く帰ってゲームやりてぇみたいなこと言うゲーマー、そんな考えはやめろよ?ゲーマーならリアルも出来るだけ楽しまないと損だろ?リアル以上にリアリティのあるゲームなんてないんだからな!
「どこ行くの?早くいかないとみんな同じ考えだから混雑するんじゃない?」
「ふふん、かえでっちあまいね。うちがそんなの読めてないわけないっしょ?みんな来ると思ってカラオケ予約してありまーす」
「「「おぉ」」」
流石コミュ力の化身高宮さんだ。そこにしびれるあこがれるぅ!背後にコミュ力Aのスタンドでも付けてるんじゃないの?
「……その」
「ん?どうしたセントレア」
「その、わたくしも、参加していいですわよね?その、友達ですし」
「もちろんだろ?」
「せれあっち、もうテストも終わったんだし変にライバル視する必要もないっしょ?ね?ゆりっち」
「う、うん。本当は彩雫くんを惑わ」
「八重さん、隠しきれてないよ」
「……じゃなくて、セントレアはライバルだけど友達だから」
八重さんは心セントレアに許してなかったからな。まぁ自分のコンプレックスの塊見たいなもんだからしょうがないのかもしれないけど。
え?何が?そりゃあれよ……胸とか
「彩雫くん?」
おっと、俺今日死ぬかも。
「全く、彩雫は別に鈍感じゃないんだから」
「いや、自分で認識するのもそれはそれで恥ずかしいだろ?」
「まぁ僕は見てる分には楽しいからいいけどね?いつかははっきりしないと」
「わかってるって」
ま、八重さんだいぶヤンデレ気質だよな。
「セントレア、かわいい、友達って信じてなかった?」
「うぅ、だってあんまり転校してきてからお話出来ませんでしたし……わたくしが舞い上がってるだけの可能性もありますわ」
「セントレア、本当に、すごい、かわいい」
「や、やめてくださいまし!ほら、わたくし少々強引に会いに来たので嫌われたかもと少し不安で」
「せれあっち、かわいいんですけどー、はいせーの!」
「「「「「「かわいい、かわいい!」」」」」」
はい、クラスみんなでかわいいコール来ました。
「うぅ、あ、ありがとうですわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「「「「「かわいい」」」」」
あ、セントレアが叫びながら逃走した。照れちゃってかわいいかよ。
「はいはい、かわいいコール終わりね」
このモブどもめ、相変わらずノリがいいな。というか聞き耳立てるな。
「セントレア、どこか、行っちゃった」
「てか、どこ行くかセントレア知らないでしょ?」
「大丈夫、こうなるかもと思って、セントレアさんの執事と連絡先交換しておいたから、あとで行先教えとくよ」
……執事って。
「さすが、楓、じゃあ俺らも行くか」
ーーーーーカラオケ
「いまふたりに God bless……ふぅ」
「彩雫くんかっこよかった!」
「イエーイ、ぱちぱち!さいだっち意外と歌うまいじゃーん」
「ん、意外とうまい」
「アニソンしか彩雫歌えないけどね」
「なんだよ、アニソンで悪いかよ」
「私も、アニソン、しか、歌えない」
だよな。アニソン以外聞かないからね。アニソンはアニメという背景があるからこそ歌詞が意味を持ってくるけど、普通に曲聞いてもなんも感情移入できないし。もちろん、リズムいいなとかはあるけど、それならアニソンにもリズムいい曲なんて五万とある。
「さいだっちーアニソン以外も覚えなよ。アニソン知らない人とカラオケ行ったらどーすんの」
「え?そんな場合はないし」
「まーねー最近アニメ見てない人居なくなったしねー」
ポジティブにとらえてくれてありがとうな。確かにアニソン知らない人の方が現代少ないからな。たまにカラオケ行くとランキングの上の方アニソンめちゃくちゃ合ってびっくりしたからね?でも高宮さん、そういう意味じゃないんだ
「俺お前ら意外とカラオケ行く機会もあんまないだろうからな、覚えても意味ないって」
「ん、わたしも、行かない」
「っふ、流石相棒だぜ」
「ダメ人間連盟が結成されてる」
「いやいや、楓も行かないだろ……来るか?俺らのとこへ」
「僕も、いいのかな?」
「あぁ、もちろん、だ」
いえーい、仲間―。
「ま、僕はカラオケ良くいくんだけどね?」
はい、ダメ人間連盟かいさーん。
「次、誰が歌う?」
「はいはーい、うち!うちの美声に酔いしれるがいいっしょ」
「お、レールガン?いいねぇわかってるじゃん」
「さいだっちにごっどのうずは取られたからねー」
「ん、最初に歌う、テンプレ」
「へーそんなテンプレあるのね」
八重さんもまだまだだな。最初に歌う曲トップ3(オタク調べ)と言えばごっどのうず、レールガン、限界突破さばいばーだ。異論は認める。俺は一人でカラオケ行くならその血の運命だな。歌っていて一番楽しくて気持ちいい。
「放て心に刻んだ……」
おーマジでうまい。本家に寄せて歌っているけど、本家に負けない迫力でありながらも、しっかりと高宮さんらしさが残っている。完璧だ。しいて言うのであれば……
「『しゃん』さすがにうまいね『しゃんしゃん』」
マラカスおじさんになってる楓がうるさいことぐらいだな。あ、椎名さんが静かに奪い取った。ありがとう。
「その先に遥かな思いをー……イエーイ!」
「やっぱり鳳花は上手いわね」
「ふふん、ちょっと本気出しちゃった。いやー久しぶりに本気で歌うとやっぱり気持ちいいなー」
「確かにこの声量だと本気で歌うと喉すぐ死にそうだな」
「あー違くてー、うちが本気出しちゃうとみんな次歌いにくくなるっしょ?いつもは抑えてんのね?」
なるほど、確かにこの後歌うのはレベルが高いな。え、次誰?
「……だからさっき、無理やり僕に入れされたのか」
おう、楓じゃん。まぁ、うん。
「えっと、宇宙に一つだけの花?普通だな」
「うるさい彩雫」
いやー楽しみだわーこいつ俺とカラオケ行きたがらないから歌うところ見るの久しぶりだ。
「花ー屋の店ー先に並ーんだー」
「「「下手!」」」
「う、うるさいな」
何でもできる楓、唯一の弱点が歌なんだよなぁ。昔から曲を聴く習慣が無かったし、カラオケ行ったのも俺と中学生の時に行ったのが初めてで多分自分でも全然いかないから音感ぶれっぶれなんだよ。練習したらできるんだろうけど自分じゃずれてるかどうかとかわからないからな。
「あっはっは、かえでっちが歌下手とか。はぁ、あっはっは面白すぎるんですけど!」
「ふふ、正直以外ね。こういうの得意そうなのに」
「ん、でも、私は、笑わない、大丈夫、上手くなる、ジャイアンよりはうまい」
「僕、帰る」
あーあ、すねちゃった。
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