勉強会
「んじゃー勉強会始めんよー」
「「「おー!」」」
土曜日、みんなで俺ん家に集まり勉強会を開催した。
「あんまうるさくすんなよ?」
「でも、彩雫もおー!って気合い入れてたけどね?」
「それはそれこれはこれだろ」
みんながやってたらやりたくなるじゃん。
「にしても残念だったね。セントレアさんこられなくて」
「な、放課後誘おうとしたら速攻で「早速帰って勉強ですわー」って叫びながら帰っちゃったし、スマホで連絡しても既読付かないし」
あいつ、青春楽しみたいんじゃなかったのか?自分からその機会を捨てていくからな。
「それが、セントレア、クオリティ」
「あはは、でもよかったかもね。八重さんと勝負してるのに一緒に勉強するっていうのもおかしな話ではあるからね」
確かに。でもやっぱりみんなで集まって勉強するっていう行為に意味があると言えばあるからな。ほら、よくみんなで集まるのは効率が悪いみたいなのあるじゃん?実際そうだとは思うよ?絶対に一人の方が集中して勉強できるしね?でもさ、実際にテストしてみるとあ、ここ教えたところだとか教わった所だってのが結構あるわけで、ただ一人で勉強するだけじゃ学べないこともあるわけでね?楽しく勉強できるならそれに越したことはない。
「彩雫くん!わからないところとかない?」
「まぁ今のところは。てか、俺より椎名さん見たほうがいいんじゃない?」
「私、邪魔?」
「いや、そうじゃなくてね?もともと椎名さんがやばいからこその勉強会じゃん?」
「大丈夫!鳳花が付いてくれてるから!それに月城くんも気にしてくれてるみたいだしね?」
「なら大丈夫か。高宮さんああ見えて頭いいからな、いやああ見えてってのも失礼だけどさ」
見た目は誰もが想像するようなテンプレギャルだからな勉強なんてやらず遊び惚けていると見える。が、ランキングTOP10に毎回入っている。もちろんトップは八重さんだけどな。俺はまぁ40位くらい?これまた以外でしょ?甘いね俺だってゲームばっかりやってるわけじゃないんだなぁ。ほら、お小遣いなくなっちゃうから。両親ともに勉強は役に立つ派なもんでね?とはいえ、言われなくてもやるけど。世界史とか特に色々使えるからね……オタクならわかるでしょ?
「ちなみに僕は100位だよ」
「何がちなみにかわからないけどさー、月城はもっと頭いいっしょ?」
「あはは」
「笑ってごまかすなって。毎回ジャスト100位狙ってるくせに」
「ふーん、そうなん?」
あいつ腹黒い所からわかるように頭いいからな。本気出したら10位入れるんだよな……切れていい?俺、毎回本気出しても40位だぞ?
「さ・い・だくん、集中」
おっと、数式が恋しくなってきた。えっとえっくすがほにゃららでちょめちょめと。
数学あんま面白くないんだよな。歴史とか理科と違って使える知識少ないし、いや、面白さはあるんだけどね?例えば有名なのだとリーマン予想とかか?こういう懸賞がかかっている問題をどういうものなのか考えたりね?宇宙がどうのこうのとか考えたりね?そういうの楽しいと思うよ?でもさそれにはそれ相応の知識が必要なわけで学校で簡単に学ぶ程度の物じゃなんも出来ない。やっぱ歴史か、妄想する上で一番使えるからな。おっと思考が飛んでた。えっと……
「ここわかんないんだけど?」
「ここはね?このXを……」
「ねぇ高宮さん、あなたの友人ナチュラルに洗脳してない?八重さん密着してるけど彩雫何も感じてないじゃん。男としてダメじゃない?」
「あ、あはは……ちょーっとアドバイスはしたけどさーここまでになるとはねー。まぁ?さいだっちもいやじゃなさそうだしー?」
「そうだね。最近の彩雫は生き生きしてるし、前よりも他人に興味を持つようになった。まぁ、いい変化かな?」
「ゆりっちの変化も……いい変化ってことで!しいなっちできたー?」
「ねぇ?今なんか俺のことしゃべってた?さいだっちって聞こえたような気がしたけど」
「気のせいじゃない?」
絶対なんかしゃべってたな。とはいえ、今色々と教えてもらったばかりだ、今は勉強しなければ……。
~3時間後~
「「終わった」」
燃え尽きたぜ……真っ白にな……
「椎名さん生きてる?」
「し、死んでる、かも」
大丈夫だ問題ない。高宮さんはまだ俺らに合わせてくれてたよ?でもさ八重さんの教え方がね?だいぶスパルタだったよね、うん。俺たちのこと考えてくれてるのはわかるんだけど求めてるレベルが高い。でもその分一人で勉強するより圧倒的に身に付いたものは多いしやっぱり八重さんはすごい。
「はー、腹減った!」
「お疲れさま、今からご飯作るね?何がいい?」
「頭使ったし、味濃いやつでお腹いっぱいになる奴がいい」
「じゃあ、この材料だと親子丼かな?」
「うへへ、美少女の、手作りごはん、楽しみ」
「ちょ、しいなっち!女の子がしちゃあだめな顔してんよ!」
「はっ、つい」
「あはは、ちょっと楽しみだな。あまり興味なかったけど彩雫があまりにも美味しそうに食べるから気になってたんだよね」
「え?月城くんの分用意してないよ?」
「僕も泣くときは泣くよ?」
「冗談でしょ?彩雫くん以外にもしっかりと全員分作るから」
冗談か。
八重さんだとやりかねない気がする。やらないのはわかってるけどね。え?失礼?日頃の行いですかね。
「でも、最初、びっくりした。聞いてたより、三矢くんの部屋、きれいだったから」
「ふふん、椎名さんは甘いね。彩雫は服とか貯めるし、漫画も読みやすい所に点在していて、その他ティッシュ箱とか定期的に使う日用品は机とその近くにあるんだよ。でも、今は違う。多分八重さんが看病しに来た時に部屋の片付けもしたんじゃないかな?」
こいつこえぇ、全部あってる。
「うわぁ」
ほら、気遣いの鬼高宮さんも引いてるじゃん。ふつうそこまで把握してないよ?あ、もしかして高宮さん俺の部屋の汚さに引いてる?でも男の一人暮らしなんてそんなもんだろ?しょうがないって。
「ちょっとトイレ行ってくるわ」
ふう、さっき集中するためにコーヒー飲んだからな。
「あ、トイレ行ってる間主人公視点貸しとくわ」
「意味わからないこと言ってないで早く戻ってきてよ?」
「いやーゆっくりどうぞー……ねぇねぇしいなっちお宝さがしやろ?」
「だ、だめ。それは、神域」
「そんなこといってー気になるっしょ?」
「うーん、そんな」
「えー」
「ゲームで、色々、聞いてるから、趣味、わかる」
「僕もいいかな。彩雫のことなら何でもわかるし」
「さいだっち、それはそれで問題あるくなーい?でもうちにはゆりっちのためにもさいだっちがどういう趣味なのか知る権利がある!」
普段女子に興味なさげなさいだっちも男子高校生お宝の一つくらいあるっしょ。
「……全然ないし。巨乳のフィギュアとかは合ってもお宝がないんじゃどんなのが好きかわからないしー」
持ってないはずはない、出会った頃とかうちの胸見てたし?興味ないなんてことはないっしょ?
「ただま……って何してんの?」
「あーおたからさがし?」
「ちょ、マジ何してんの!」
「全くだね。彩雫のお宝は全部電子だから無駄なのに何やってるんだろうね」
「何で言った?!何で言った?!」
「ちょ、それはやく言えし!」
「なるほど、前に来た時一切なかったのはそういうことね」
「ちょ、八重さん?!」
確かに友達の家行ったら探すけどさ!異性の友達に見られるのはこう、また何か違うじゃん。
「てか何?あったらどうしたの?俺恥ずかしくて死んじゃうよ?」
「でも、三矢くん、ゲームじゃ、催」
「あーーー!終わり終わり!八重さんご飯の準備手伝おうか?」
「う、うん!じゃあお皿の準備してくれる?」
「おう、ってあれ?うちそんなお皿あったっけ?」
「ふふーん、こんなこともあろうかと持ってきてたの」
流石八重さんだ。料理の手際もものすごくいい。舞っているみたいだ。こりゃあ俺が手伝う余地もないな。むしろ邪魔になりそうだ。おとなしくしていよう。
「はい、できた!」
「おーめっちゃうまそうじゃん」
「ん、いい匂い、早く食べたい」
「ねー早く食べよー」
「はいはい、それじゃあ」
「「「「「いただきます」」」」」
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