侵攻は続く
* * * * * *
リ・ヘイダ陥落から暫くして。
シリウスは屋敷の窓から海を眺めていた。
あの後、後続の魔族の軍船を30隻ほど沈めた。
そちらには大した強者は乗っていなかった。
しかし、ライジア王国も時期に陥落するだろう。
「次はゼア帝国かなー」
周辺諸国最大の国家だ。
確かカーマダイン家の総本山もゼア帝国にあったはずだ。
少なからず、カーマダイン家の当主はそこそこ強いのは知っている。
勇者よりは弱いのが確定なのが残念だ。
その時だ。
扉をノックする音が聞こえる。
「お茶をお持ちしました」
そう言って部屋に入ってきたのはサリスだった。
手にはポットを持っていた。
「わざわざお前がする仕事でもなかろうに」
サリスはシリウスの問いに微笑を浮かべる。
「ご迷惑でしょうか?」
「それは迷惑ではないが」
「なら問題ありませんね」
確かにそう言われるとどうしようもできない。
「サラティアはどうした? 今日は姿が見えないな」
「シリウス様の魔法を生き残って、海岸にたどり着いた魔族達を狩りに言ってるそうです」
「あやつも容赦ないな」
「貴方様よりはあるようですけど!」
「いや、間違いはあるまい」
二人はお互いに笑みを浮かべた。
意外と仲が深まってからは軽口を言うくらいの関係性にはなれた。
最初の頃はサリスがガチガチに怯えていたのだが。
「次はゼア帝国を落とそうと思っている」
真剣な顔つきに戻ったシリウスはそう言い放つ。
「ゼア帝国ですね......懸念点はカーマダイン家の存在でしょうか?」
「それに帝国騎士はそこそこに強いそうだ。もう少しは楽しめそうだ」
少なくともゼア帝国はライジアやスランよりも圧倒的に国力が高い。
負ける未来はなくても、一筋縄では行かなそうだ。
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