第3話 現実

 翌日、高校2年生の訃報は唐突に告げられた。どこにでもいる、少しばかり喧嘩っ早い平凡な青年は、帰宅する途中の道で倒れていたのだという。

 それも、病気だったわけでも、事故に遭ったのでも、殺されたのでもない。外傷は一切なく、心臓発作でも、脳震盪でも、あらゆる突発的な身体的不調によるものでなく、文字通り、眠るように心停止に陥り、死んだのだという。最も近いと思われる死因は、「老衰」なのだろうか。


その真相を知るものは、すでにこの世にはいない。

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