第5話 戸籍・身分・家族関係

 転生前はニホンジンだった。

 つまり、身分証明書は、戸籍の担当。別に士農工商ラノベ作家・同人字書き・地方公務員、という身分制度じゃなくて、独身ですよーとか成年後見制度の被後見者かどうかを公証するほうの身分なのでした。


 日本の戸籍制度、明治以降のものについては、当初はフランス式を試案したようでしたが、結局ドイツ式の家父長制、家族の戸籍制度を採用。

 明治の維新の後は「富国強兵」、欧米列強に追いつけ追い越せ、つまり住民台帳は即ち、租・庸・調、もとへ、税と徴兵のためなのだった。


 まあ、小さな家系図ですな。3代ぶんの家系図から2代ぶんの家系図(核家族)になるわけです。


 生まれた土地で死んでいった農家の長男はともかく、都市部に流入していく人たちの、住所の管理は、当初は戸籍の附票でなんとかなっていたかもしれないが、徐々にとうてい本籍地では管理できなくなり、住民基本台帳法をもとに、住所の自治体が住民票として管理するようになる。


 日本国籍を有する親から生まれると、たいてい親御さんの戸籍に、出生により記載される。結婚すると配偶者の戸籍に入るか自身が筆頭者になる。


 で、ナニが問題かというと、個人票でないために、結婚したり分籍したり転籍する度に、直前の戸籍は表示されるとしても、生まれてから死ぬまでの「戸籍抄本」は、複数になるのであった。

 そして直前の本籍地とは入念に確認するのだが。だがしかし。さらにその前の本籍地とは確認しないため。それがために。どっかでなにかを間違うと、後はドミノ倒しで、エラーのデータが、ずーっと、コピーされ続けて行くのだった。


 あと、面倒なことに、その人が「生まれてから」「死亡するまでの」全ての戸籍を、本人ではない相続人が請求しなくちゃならない事がー、ありうるのだった。同一自治体本籍地の中で、転居した際に転籍していると、1部で済む戸籍がー、複数請求しなくちゃならないんですよ。面倒くさい。

 たしかに、戸籍関係の書類を、頻繁に請求しなくてはならない職業?で、転勤族で、旧本籍地にはもう直系親族がだれも居ないとなれば、転出・転入の都度、転籍した方が便利な可能性はありますが。


 フランス式の身分証明書は、事項別編製方式で、出生・婚姻・死亡、それぞれで登録が異なるが、欄外付記があるため、およその家族関係と連携できるとのこと。また、それゆえに夫婦別姓が可能。

 ドイツはー。出生、婚姻、死亡、さらに家族登録簿もあり、横断的なモノはない。しかし、制度改正で夫婦別姓・合成氏も可能になったー! ヤッター!


 異世界住民票と異世界戸籍と異世界相続・遺産承継がー、いったいどうなるのか。アンデッドや長命種族、不死の知的生命体にとって「死亡確認!」(王大人・民萌以書房・刊)はいったい何処でどうするのか。教えてデュラは~ん!

 


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