第3話 漢字を覚えて良い感じ
漢字は、かつて、ちほーこーむいんの手癖の数だけ在った。
「んな阿呆な」って? これマジです。オヤジの名前に「修行」の「修」の字があるのですが、右上の「のぶみ」が、改製原戸籍では「ふゆがしら」(一画少ない)と読めたらしい。危ない所だったのだ。しれっと電算化の時に通用字に直したようにも見えるけど。
あと、父方の祖母の名のうちの「静」の字が「靜」だったかもしれないけれども、思い出せない。ついでに、小学生の時、祖母の名のよみがなは「しづ」なのか「しず」なのか? お電話で、小学生の頃、戸籍の担当の方にお尋ねしたところ、「戸籍の証明事項では無いから分からないのですよ」と懇切丁寧に教えて貰いました。(転生してスライムさんに仮面を託したりはしていないと思います、祖母は)
戸籍の広域交付可能に伴って、フリガナの確認も進められると思います。順番が逆だと思うけどね。
時代が変わって、戸籍謄本がデジタル化してくると、振り仮名の確認、なんてェのが始まるようです。ウチのオヤジの「シュウ」の字も戸籍ではなんだか「シユウ」と表示されていそうですが、いつか訂正されるのでしょうか。もう年金を口座振り込みで貰っている年齢なので、へたに修正すると金融機関の口座名義と変わっちゃって年金が振り込まれない可能性が。
さて、『戸籍六法』に目を通すと、人名として使用可能な漢字、正字に俗字、通用字、などと、分かりづらい単語・熟語のオンパレードな訳ですが。
まあ、確かに、氏名の漢字について、基準化・標準化しようとする動きが、カタツムリのように進んではいる一方で、相変わらず「私の名字は、先祖代々この字なのじゃ」と拘る方もいるもので、世に齋藤さん髙﨑さん渡邉さんのヴァリエーションは尽きまじ、なのであります。いちおう、戸籍法では、使える字体が、限られますが。
(ちなみに「辶」は二点しんにょうが正字になっている字もありますが、もとは「走」なので、漢和辞典の部首索引では「七画」のところにあることもあります。一体ぜんたい何画なんだ。)
さらに、自治体で使用するシステムによって、表示できる字がさらに限定されることや、「デザイン差」(微妙に横棒の長さが異なったりする)などというものも、あります。
たとえば、「澤」の字の、最後の横棒の長さがほんの少し違う、とか、「斎」の字の、「示」の横棒が両脇の「ノ |」とくっついているか離れているか、とか、「いのこ(豕)」の、右払いが、横棒の一画目から始まっているか、「はね」のある三画目から始まっているか、など。おそらく、豊島区大塚、とか、渋谷区笹塚、など、塚の付く住居表示を持つ自治体は、「正字」を使っていることが多いかも。もちろん「OO塚」もあります。
ちなみに、中国語では「書斎」の「斎」と「一斉に」の「斉」、「辯護士」の「辯」と「辨(わきま)える」の「辨」と「止水弁」の「弁」は使い分けているようです。(日本では、画数の少ない方を同じ意味で使っている)
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