第8話 黄金の瞳(side:アルマ)
ススムが二階へと上がって行くのを見送ってしばらくした後、私は椅子にもたれ掛かりながら、予想外の出来事ばかりの一日を思い返していた。
「ふう、大変な一日だったなぁ」
十年にも渡り毎年の恒例になっていた二大竜王の闘争の余波は、毎年のように魔物の生息域が変化し、それに伴って魔物の影響を受けやすい特殊な薬草類の採取地にも変化が起きたり、戦闘被害地の水源地への影響などと多岐に亘っていた。
今回の調査も例年であれば、三日から五日で終わる闘争の終了時に合わせて行う予定であり、二日と掛からずに終わると思ってもなく、まさか相打ちで終わるなどとは想像すらしていなかった。
そんな任務の最中だ。当然警戒はしていたし、竜王が相対している地から充分に離れた上、風による結界をはり、荷物番に
そんな時に
あの
後に冷静になってみると分かることがあった。
例えば、村にいるあの年齢の子供に水浴びを覗かれたとして、教育上軽く叱りはするだろうが、特に何も思わないのではないだろうか。
そして、普段から見られることに慣れている私は、仮に大人の男性に覗かれたとしても、怒りこそすれ恥ずかしいなどとは殆ど思わないだろう。幼い頃、人より上位の存在であるかのように、特別な巫女として育てられた弊害のせいで……。
私には
それと、
こうして一人になり改めて
今も
「あーもー、やめやめ!……お酒飲んで寝よ」
今の私は疲れているのだと思い、お酒を飲んで全て忘れることにした。
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▼《Tips》
〈アルマ・ニクス・フルワール〉
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[魔法一覧]
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【風霊(
【従猫(従猫創生・従猫召喚・猫心伝心)※召喚
┣
┗
空と風の女神の巫女にして
孤児である彼女に家名は存在しない。「ニクス」とは彼女の本質を顕す神に与えられた真名である。
実は等級の高い加護を授かるほどに老化が遅くなるのだが、彼女の加護の等級は過去に類を見ないほど高位であるそうだ。つまりは、女性に年齢を聞くのは絶対に駄目だということ。
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