第21話 近すぎワロタ
ヤバイ。
「……」zzz
お姉ちゃんの顔が近すぎて緊張する。
いやね、同じ女だし、なんなら姉妹なんだからそんな気にする必要ないと思うじゃん?
でもね、実際体験してみると凄い近距離に美人の顔があるとマジで緊張するから。
なんて言えば良いのか分からないけど、普段じゃ絶対に触れないようなクールな美人が警戒心の欠片も感じない寝顔があると、グッと来ない?
ダメだ、朝から高威力な寝顔を見せられなせいで少し頭がおかしくなってる。
普段なら絶対にこんなこと考えないのに。
「……そういえば畔華は?」
塾に行ったけど、流石に朝までオールってことはないはず……
まぁ畔華はしっかりしてるし大丈夫だとは思うけど、一応電話とかで確認しようかな?
「動けないけど……」
私はお姉ちゃんにガシッ!と効果音が聞こえそうなほど強く抱きしめられてる。
予想では嫌われているはずの私にお姉ちゃんが抱きつく理由がわからない。
昨日の夜になんとか機嫌が悪くなるのを避けようと顔を逸らしたり距離をとったはずなのに、お姉ちゃんの方から抱きついてきた。
そう、なぜか向こうから抱きついてきた。
なんだこの状況、完全に詰んでる。
「……」
少し話が逸れるのだが、ネットのどっかで見た情報によると人肌に触れていると安心するらしい。
事実この状況に私も少し安心している。
人肌の魔力というのは恐ろしいもので、目を開けた瞬間に見た良すぎる顔の影響で吹き飛んでいた眠気が再び出現した。
「寝よ。」
お姉ちゃんを起こさないように掛け布団を整えて再び目を瞑る。
時計見えなくて今が何時かわからないけど、お姉ちゃんなら学校の時間までには起きるでしょ。
「……」zzz
ーーーーー
「……」zzz
「……」
目を開けたら天使の寝顔が見えた。
朝からこんな素晴らしい寝顔をこの至近距離で見れる私はきっと前世では、今世の栞華を見てなかったカスみたいな生き方じゃなくて、聖人のような生き方をして天寿を全うしたんだろう。
「ん〜……」
片手を天使の頬に近づけると少し冷たかったのか身震いして、結果的に私の手に頬をスリスリしてきた。
「はぁぁ……!」
今の行動で私の脳の90%が焼かれ、胸に激痛が走った。
今の私は正常じゃ無いのは理解している。その影響で栞華の顔が心なしかキス待ちみたいな表情をしている気までしてきた。
「……」
これは寝たふりで誘ってる説が濃厚っぽくないかな?(完全な妄想です。)
「チューする?」
「んん〜……」
「するのね!」
栞華からも『うん』という言葉と頷きでチューする許可が出ました。(幻覚と幻聴です。)
では、頂きます。
「近い……」
んー、起きちゃった。
タイミングが悪いなぁ。
「おはよう栞華、よく眠れた?」
「うん、まぁ眠れたかな。」
あぁ、お姉ちゃんは悲しいよ栞華。
さっきまであんなにお姉ちゃん大好き、チューしよ、って言ってくれたのに……
(やっぱり妄想です。)
「学校の時間は大丈夫?」
「んー?」
学校かー、面倒だし今日はサボって栞華とゆっくり……
「あっ、ヤバ!」
「……!」
畔華の存在を忘れてた!
昨日の夜、鍵を畔華のバックから抜き取り、塾に無理矢理行かせてメールで『栞華が寝ています、チャイムは絶対に鳴らさないでね』って送ってたから外に居るはずだ。
「きゅ、急になに……」
大声を出してしまったせいで栞華がビックリしてる。小刻みに震えてて、少し涙目、これはこれで可愛い?
「ヒッ……えっ?え?」
小動物みたいだ。
あまり怯えられるのは好ましく無いけど、ビクビクしてる栞華もなかなかにいいな。
「ふふふ……」
「こわい。」
「え?」
今怖いって……?
気のせいか(現実です)
っと、今はそれどころじゃ無い。
可愛すぎる栞華と過ごすのもいいけど、畔華の事を後にすればするほど面倒度合いは上がっていく、なるべく早く解決せねば。
「学校には休む連絡を入れるから少し待っててね。」
「また休むの?」
「畔華が体調不良だから。」
冬とは行かないけど少し肌寒いなか外で一晩過ごしてたら風邪ぐらい引いてるでしょ。
部屋を出た私は速攻玄関まで駆け降りる。
ガキを開けて外を見ると、
「なに?新手の嫌がらせ?」
「そうだよー、栞華との2人きりの夜は本当に幸せでした。
ありがとうね!」
私を睨む畔華の姿が!
まぁわかりきってた事だけどね。
「お風呂入る?」
「……入るよ。」
「そっか!自分で沸かしてね!」
「くたばれ♪」
うーん、いい笑顔!
その笑顔のまま私を押し除けるようにお風呂場へと向かっていった。
よし、面倒な事は片付いた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
次回・逆襲
ちょっと迷走してるので、次回は無理矢理修正しようと思うので急展開で話が飛ぶかもです。
申し訳ありません。
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