第11話 フルールとビローズ・・・二人の眠り姫⁉
「ごちそうさまでした。美味しかったです♡」
セルフィは、お弁当が相当気に入ったらしく、ご機嫌。
おばあちゃんにベッタリくっついている。
なんか、可愛い・・・。まだまだ子どもなんだな。
お腹も満たされ、いい天気だー!幸せだなー!とか思っていると、
ビルコットさんが、話し始めた。
サファイア鉱山の魔王ブルゴッドの娘フルールは、二十年間眠り続けている。
ふさぎこんでいた娘がいつの間にか子どもを産んでいた。問いただすと、ある貴公子と恋に落ち、結ばれた。いったん国に帰り迎えに来るという言葉を信じ、待っている間に生まれたと・・・。ブルネットの可愛い男の子、ウィルと名前を付た。
ブルゴッドが、その貴公子とやらを探し当てた。隣々国の伯爵だった。彼には既に妻子があり、迎えに来るつもりなどなかった。お忍びでの余興の旅だった。もちろん、子どもの存在など知る由もない。そのことを伝えようか迷っていた矢先、フルールがいなくなった。
数週間して、彼女はひとりで戻ってきた。そして、その日から眠り続けている。
ウィルって、あれ?
さらに、ビルコットさんが話を続ける。
フルールと私の妹ビローズはとても仲が良かった。フルールが眠り続ける中、ウィルを探していた。そして、ギュプラー公爵家にブルネットのウィルという御子息が居る事を知った。
ウィルは、公爵夫人エレンと御子息イアンが森を散策している時に見つけた子どもだった。二人を見ると、無邪気にきゃっきゃと笑った。とても愛くるしい。上等な籠、上等なおくるみ、お守りの様な物には名前が入っていた。何か事情があるのではないか。出会ったのも何かの縁ではないかと。心優しいエレンは、アランに自分の子として育てたいと申し出た。そして、アランが承諾し公爵家の養子とした。
そして、ビローズは、アラン・グレイ・ギュプラー公爵と出会ってしまったのだ。
ビローズはエルフの中でも秀でた美しき存在。アランはと言えば、知性に満ち、絵に描いたような美しい紳士。二人は惹かれ合った。そして、あろうことか結ばれてしまったのである。
アランは、妻であるエレンをとても大切に思っていた。だが、もう一人大切な存在が出来てしまったのだ。
エレンは、アランのビローズへの想いを知った。彼女は段々笑えなくなっていった。可愛い息子たちの前でさえも・・・。
どちらも大切にしたいアランは、ビローズがエドガーを生むと、屋敷に迎い入れた。それが、間違いだった。エレンと息子達の心を傷つけた。
ビローズもエレンの気持ちを考えると苦しかった。だが、アランへの想いは募るばかりだった。
だが、エレンの息子イアンが、自分を殺そうとしている事を知る。こんな幼い子に殺意を抱かせてしまうなんて・・・。
イアンはビローズに何度も毒を盛った。が、エルフである彼女には効かなかった。
だが、ビローズは公爵家を去ることにした。エドガーをアランに託して・・・。
自分は死んだ事にして欲しいと言い残して。
そして、今もエメラルド鉱山の奥深くで眠りについている。
というお話し・・・。
「そろそろ起きて欲しいなって、思っているのですわ。私もブルゴッドも!!」
まさに、私の時の人が絡んでますね。エドガーと、ウィル。そして、イアン。イアンなんて、自分がビローズ殺したと思ってるしね。そこは、教えてあげたいしね。
そして、眠り姫二人・・・。ほんと、そろそろ起きて現実みましょうかね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます