第6話 罪を憎んで人を憎まず。冤罪はいかん。しっかり調べよう。
美味しくコーヒーを頂いた。お店を出る時、可愛い店員さんが焼菓子をお土産にと渡してくれた。そして、思いもかけない事を言って来た。
「あの、エドガー様は、私達に対しても分け隔てなく優しく接してくれて、何度か助けて頂いたこともあります。少し前から変わってしまって・・・。今のエドガー様は、まるで別人のようなんです。すみません。聞こえてしまって・・・。あの、ちゃんと調べてください。お願いします。」
その目は真剣だった。良く見ると、ツインテールかと思いきや、カチューシャからもふもふとした獣耳が・・・。可愛い・・・。触りたい。が、そこは我慢して。
「大丈夫。ちゃんと調べます。ありがとう教えてくれて。」
エドガー、別人のようだなんて、いったい何があったのか・・・。エドガーのしたことを考えると、虫唾がはしる。でも、冤罪はいかん。再度調べる必要がある。
この山の麓は獣人の街なのだそうだ。そう言われて見回すと、確かに、みんな一部もふもふしている・・・。可愛いな。だが、満月の夜にはガッツリ獣化するらしい。それもまた見てみたい♪
お店を出たら、さっき山頂から見えた美しい海の上を飛んでくれるという。
セルフィがまた美しい青竜に姿を変え、ぎゅーんと空高く上り、スーッと海までひとっとび!!気持ちいいー。下を見ると、これまた、美しいマリンブルー・・・。
海は二つあるそうだけど・・・。あの岬から向こうの海はまた違う美しさ。マリンブルーに、藤色がきらめいている。不思議な感じ・・・。
海の上空を大きく旋回して、向こう側の海に向かう・・・。
風の匂いが少し変わった。またまた大きく旋回するセルフィ。海好きなんだね。本当に気持ちよさそうに飛んでいる。
ザッバーン!!キラキラキラッ・・・。なんか、海の中から輝いて見えるものが出てきたのだが?!人魚?人魚姫?少し大きい岩に座り、こちらに手を振っている。
低空飛行するセルフィ??近くに行くの?
岩に降りると、セルフィが擬人化して駆け寄った。
「ママ―♪聖女様連れてきたよ。」と、手を振りながら・・・。
ママ、とな。セルフィのママなの?!人魚が?青い髪、赤い瞳。確かに似ている。近くで見ると、女神様だね!!
「義姉上、こちらが聖女のゆう様です。」
カイトが義姉上と申しましたな。今。???
「はじめまして。ミルコットと申します。お噂はアイリン様から伺っております。
こんなに早くお会いできるなんて♪嬉しいですわ。」
「ありがとうございます。ミルコット様。私も嬉しいです。」
ミルコット様。それは、魔王のお一人では?カイトー。説明をお願いします!
「ミルコット様は、私の兄ギルティの奥方です。その娘がセルフィです。」
はい。そういう事でしょう。カイトの兄ギルティは魔王ギルゴッド殿に仕える竜王で、魔王が集う際にはいつも同席していたので、お互いに惹かれ合い縁あって結ばれた。と。
ということは、セルフィはカイトの姪であり、カイトはセルフィの叔父。恋人同士ではないということでよろしいでしょうか。カイトはフリーなのかな?なんて考えてたら、セルフィの視線が痛いほど刺さってきた。
次回、海底の神殿へご招待下さるとの約束をして海から陸へと戻ってきた。その時には魔王ベルコット様も一緒にとのこと。ミルコット様とベルコット様は姉妹で海を守っている。魔王というより、神様っぽい。というか、ヴィーナスですな・・・。
はー。凄く楽しかった。でも、エドガーの事が気になるから、今日は帰ろう。カイトに、エドガーと会って話したいと伝えると、明朝同行してくれることになった。
では、今夜はゆっくり夕食をとりながら、周りの国の事を聞きたいな。お風呂ってあるのかな?あるらしい。お風呂に入っている間に、夕食を用意してくれるそう。では、お言葉に甘えて・・・。
お風呂へと・・・!!広ーい!!スパリゾート?昔の映画でみた、姫様がお供に全身洗ってもらうとか・・・。それは絶対遠慮しますです。ですが、はー。気持ちいいー。夕食も楽しみだな♪
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