第3話 願いを聞き入れてくださり、感謝申し上げます。

 光に包まれ、意識が遠のくなか、思いつく限りの願い事をずっと呟いていた。


「あい。かしこまりー。」そう聞こえた気がして、目を開けた。


 んがっ!!お城ですか、ここ。玉座っていうところに私が座っている。権力と財力はありそうだ。よしっ。軽くガッツポーズ。

 

 美貌は?握りしめていた手鏡を覗いてみた。きれーい。マジか。髪と瞳がエメラルドグリーンって。妖精さんみたいだよねー。嬉しすぎるんですけど。こりゃあ、能力も期待できそうだ。能力はおいおい分かってくるのかな。楽しみー。


 ん?手鏡が光ってる。ん?何か引っ付いてる。小っちゃい・・・!!妖精さん!!

私と同じ髪と瞳の色じゃないですかー。可愛いー。可愛すぎる。もう好き。


「わしがお主の守護に付き申した。こう見えて結構やるぞ!!エッヘン。」


「もしかしてだけど、私の願い聞いてくれたの、あなた?」


「そうじゃぞ。わしの名はアイリン。ユウイチロウから、お主の事は頼まれていたからの。何でもわしに言うのじゃぞ。大概の事は聞いてやれるぞ。」


「ユウイチロウ?おじいちゃん?」


「そうじゃ。わしはユウイチロウが大好きでな。まあ、嫁のマサコも優しい娘で好きじゃがの。あっちでは人間の寿命が短いから、ずっとこっちに居て欲しかったんじゃがな・・・。」


「おじいちゃん、二年前に亡くなったよ。」


「そうじゃ。だから今はこっちに連れてきておる。」


「え?おじいちゃんこっちに来てるの?生きてるの?」


「向こうで亡くなってからな、客人としてきてもらっておるんじゃ。」


「えー??」


「マサコも時々ユウイチロウに会いにくるぞ。ほれ、ユウイチロウの画があるじゃろ、あれが入り口じゃ。ここにつなっがておる。これもユウイチロウが描いたものじゃ」と風景画を指さした。


蔵にあった風景画に似ている。おばあちゃんも時々くるんだ。そんな、行ったり来たり出来るものなの⁈


「あら、あら、ゆう。来ちゃったんだねー。」ん?その声は、おばあちゃん!!だが、その姿は?若ーい!!美しい!!


そして、まさかの、となりのイケメン君は・・・おじいちゃん?!


「おう、ゆう。久しぶりじゃ。」


「お、おじいちゃん。」ぐしゅっつ。おじいちゃんのお陰で凄い守護ついたよ。ありがと。また会えて嬉しいよっ。そして、既に味方がいてホント嬉しい。

よしっ。よーしっ。かなり強めのガッツポーズ。


まだ何もしていないけど、なんかもう、勝利した気分。


よーしっ。やるぞぉ!!


 っとその前に、アイリンにお礼を。

「あ、アイリン。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」


「あい。かしこまりー。」




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